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「好きだよ」
私には付き合って6ヶ月になる彼氏がいる。
彼の名前は宮山 弥久。
付き合って6ヶ月になるのに彼は告白以来「好き」と一言も言ってくれない。
そんな彼に頭を悩ませている。
私がいくら「好き」と言っても特に反応はなし
親友には「よく、6ヶ月も付き合っていられるね」と言われたことも多々ある。
ある日の朝、いつもの道を通り大学に行っている時の事だった。
「え、?」
私の目線の先には女性に抱きつかれている彼がいた。
焦った私は急いで彼の元へ行こうと走った。
信号など気にしないで、
病院のベッドで私は目を覚ました。
ベッドの隣には彼がいた。
メガネ越しに見える彼の目の下は真っ赤に腫れていた。
気まづい空気が流れる。
ふと、彼が口を開いた。
「ごめん、俺のせいで。」
「…うん」
どう話せばいいか忘れた。どう返答したらいいのか。どんな顔で彼を見ればいいのか。
「見たんだろ」
「なにが」
「俺が姉ちゃんに抱きつかれているとこ」
「うん…姉ちゃん?!」
「そう。久しぶりに会ってきたんだ。」
(言ってくれたらよかったのに。)
「姉ちゃんに今日会わせるつもりだったんだ。だから黄來にも言うつもりだった。でも姉ちゃんがサプライズがいいって言うから」
「そっか、」
「ごめん、黄來の気持ち考えれてなかった。」
「うん、」
「彼氏失格だな、俺」
「ほんと、彼氏失格だよ、笑」
「え?」
「どうしたの?笑 」
「そこは否定するところだろ」
「でも自分から言ったんじゃん」
「そうだけど…」
「彼氏失格だからね!」
「はーい、」
「”彼氏”失格だからね!!」
「…」
少し黙った彼はしばらくして私の大好きな笑顔で
「明日も10年後も100年後だって君を愛せる自信があります。藤原 黄來さん、僕と結婚してくれますか?」
彼の言った言葉は私がずーっと待っていた「好き」よりも大きい言葉だった。