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三田視点
「うん。ありがとう。それじゃあ、戻ろっか。先戻ってて。俺少し用事思い出したから。」
白雪さんが現場に戻って行ったのを確認する。
「はああああああ」
深いため息が出た。
初めての告白。大失敗に終わった、
ナルシストかもしれないけど、俺は結構モテる。
だから、まぁ、それなりに告白されてきた方。
毎回断っていたけど、こんな感じなのか、
めちゃくちゃ勇気いるんだな、告白って。
正直、直前まで告白するか迷った部分はあった。
でも、想いを伝えられて良かった。
本当にいい子だな、俺が真剣だから、半端な気持ちで付き合いしたくないって、
やばい、諦められなさそうなんだけど…
「お疲れ様ー!」
みんなテンション高いな、
でも打ち上げってこんなもんか、
ま、俺もそんなバカじゃないから、無理やりテンション上げるか、
「お疲れ様です!」
ああ、もう今日は帰りたいな、
「本当に凄かったです!」
可愛いな、
あー、もう、ぼーっとしていると白雪さんの方へ視線が行ってしまう、
諦めなきゃだろ。
一方的な好意は、相手にとってどれだけ迷惑か。
俺がいちばん分かっている。
でも、
見た目はキレイめな感じなのに、性格はふわふわした感じなんだよな、
あー、もう、余計変な事考えちゃう、
「あ、あの、」
ん、?
視線を上げると、白雪さんが心配そうに俺を見ていた。
「体調悪そうですけど、大丈夫ですか?」
え、
俺、体調悪そうにしてたっけ。
いや、ちゃんとしていたはずだ。
…ということは、俺の事ちゃんとみていてくれたってことだよな。
あー、ダメだ本当に。
「マジか、れんれん大丈夫かぁ?」
れんれんとは、俺の愛称。
「体調悪かったら帰ってもいいんだぞ?」
監督が申し訳なさそうにそう言ってくる。
もしかして、撮影とかのせいで体調悪くなってると思っているのかな、
でも、色んな意味でこれ以上いると危ないかもしれないな。
「それじゃあ、すみませんが、今日は失礼します!また今度機会があれば!」
そう言って、飲み屋を出た。
タクシー捕まえて帰るか。
ふう、
ソファーの上にカバンを置き、すぐ近くにあるベッドにダイブする。
あー、落ち込んでる暇無いだろ。
ピロン
通知、誰だろう、
って、白雪さん?!
って、俺、中学生かよ、立派な高校生だろ、
ってか、なんだろう、
通知をタップして、連絡を確認する。
【お疲れ様です!体調の方は大丈夫ですか?】
優しいなぁ、
本当に。
【大丈夫だよ。】と大丈夫スタンプを送った。
ダメだ。
________俺、白雪さん、本当に諦められないかもしれない。