テラーノベル
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R「……」
寝てしまった…。
障子に目をやる。 外はまだ暗い、夜中だろうか。
短くなった蝋燭が、柔らかく揺れている。
…あ……。
照らされた光の中に、かのんの姿があった。いつものように、ピンと背中を伸ばしている姿ではない。
横向きに小さく丸まって、寝ていた。
R「かのん?」
静かに声をかけてみたが、起きない。
規則的な寝息が聞こえるだけだ。
疲れて、寝てしまったのか…。
自然と、かのんの顔に目がいく。
長い睫毛にすっと通った鼻筋。口元は少し上がっていて、穏やかな寝顔だった。
こんなにまじまじと顔を見るのは初めてかもしれない。
…こんなに、綺麗な顔をしていただろうか。
しばらく見つめていると、なぜか胸の奥がじんわり熱くなった。
R「…///」
慌てて視線を外し、小さく息を吐く。そしてまた、かのんの寝姿にゆっくり視線を戻した。
R「…かのん」
もう一度呼ぶが、全く起きる気配はない。
…触れても、良いだろうか…。
頬に指先を伸ばす。
起こさないよう、壊れ物に触れるように、ほんのわずかに頬を撫でた。
スッ…
肌の滑らかな感触が伝わってくる。
もう少し…と欲が出たが、妙な気持ちになりそうでそれ以上は止めておいた。
K「…ん……」
かのんが、 少し身を捩る。
R「…!」
起きてしまうのではないかと身構えたが、相変わらずスヤスヤと寝息を立てている。
R「全く…お前は…」
思わずくすりと笑ってしまった。
普段は気を張って接しているくせに、どうしてここで寝られたのだろう。つくづく可愛いやつだ。
かのんに出会ってから…、窮屈な毎日が少し明るくなった気がする。
R「感謝しないとな…」
起こさないようにそっと布団をかけ、自分も床に就いた。
K side
K「ん…」
外の明るさに目が覚めた。
ぼやけた視線の先に、るい様の姿がある。
……何で?!
慌てて飛び起きる。
辺りを見回すとるい様の部屋の中だった。
身体には布団が掛かっている。
噓…、寝てしまった…?
鼓動が早くなり、さっと血の気が引く。
るい様をもう一度見る。まだ深く眠っているようだ。
今のうちにそっと部屋を抜ければバレないだろう、いや、戸の前には番の者がいる。
とりあえず、抜いていた刀を腰帯に差し、いつでも出られるように準備する。
カチャ…
R「…あ、起きたか…」
少しの物音でるい様が起きてしまった。
のんびりと身体を起こすと、眠たげな目で俺を見る。
K「るい様!申し訳ありません…!」
R「うわっ…朝からうるさいなぁ…、気にするな」
るい様が眉をひそめて、耳を軽く押さえる。
そして、何か思い付いたような顔をすると、
R「お前の寝顔、案外可愛かったぞ」
そう言って、ふふっと微笑んだ。
K「…///」
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LV
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俺の失態に気を悪くする所か、楽しんでいるように見える。
K「こ、今後は、このような事がないように…」
R「いや、 疲れてるのに呼び出して悪かった。謝るのは俺の方だ…」
俺の言葉に被せるように、るい様が申し訳なさそうに言った。
K「いえ、仕事中に寝るなんてあってはならない事です」
そう言うと、るい様が目を丸くした。
R「かのん、仕事だと思っていたのか?」
K「違うのですか?」
R「……」
一瞬、るい様が困惑した顔をした。
答え方を間違えたかもしれない、でも仕事でなかったら、何だろう…。
R「……まぁいい……、あ、そうだ」
立ち上がり、小箱から何か取り出す。
R「これ、お前にやる」
そっと何かを差し出される。
K「…?」
薄い包み紙、 薬だ。
R「眠気覚ましになる」
K「こんな高価な物、いただけません」
R「いい、詫びだと思って受け取ってくれ」
K「…ありがとうございます…」
とはいえ、るい様の部屋でぐっすり眠ってしまった。布につつんで懐にそっとしまう。
K「では、私はこれで…」
R「また…眠れなかったら、呼んでもいいか?」
K「はい、もちろんです」
部屋を出ると、すぐに着替えて今日の持ち場に向かった。
るい様の心遣いが、あとからじんわりとやってくる。
起こさずにいてくれたこと、布団を掛けてくれたこと…。
次お会いした時に礼を言わなくては。
そして、ふと、るい様の寝起きの姿が脳裏をよぎる。
少し乱れた髪と着崩れた着物から覗く白い肌。
思い出すたび、なぜか胸の奥がそわそわして落ち着かなかった。
コメント
1件
第6話、一気に距離が縮まった感じがしてドキドキしました。Rが寝てるかのんの顔をまじまじと見ちゃうシーン、すごく自然で「あ、これはもう意識してるな…」って思わずニヤける。朝のやり取りも、お互い気まずいけどちゃんと気遣ってる感じがじんわり来る。役目と感情の間で揺れるかのんの内面も丁寧で、続きが気になる…!