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絵文字3つのやつ②
雲さんの「❄️🧣💍」お借りしました✋️
▷百合
△▼△
「歩唯ちゃん!」
おまたせ、待った?なんて少し困りがちに言う彼女はなぎさん。愛らしい、私の恋人。
春服の、少し薄手な瑠璃色のジャケットを羽織ったなぎさんにしては珍しいパンツスタイルに、可愛いなぁと胸がときめく。
「私もいま来たところです」と答えると「そう? なら良かった!」なんて彼女はにこりと微笑んだ。
桜が蕾を持ち始め、少しずつだけど花を咲かせている。綺麗な晴天に程よい気候。そよ風が心地良いそんな今日は3月14日──世はホワイトデー、そして私の誕生日の前日だ。
「今日は予定空けてくれてありがとね、すっごく嬉しい!」
目的地である公園へと歩きながらぎゅ、と手を握られる。温かくて、すべすべしてて、私よりちょっと小さくって、大好きななぎさんの手。
「んふ、私も今日とっても嬉しいです」
自然と緩む口元、その後も他愛の無い話をしていると目的地へと着いた。
少し季節は早いけど、桜が綺麗だと噂の少し大きな公園。
「とうちゃーく!」腕を広げてじゃーん!なんてはしゃぐ彼女が可愛らしい。
「結構咲いてますね」
早咲きなのか、最初の場所よりも多くの桜が咲いている。
「じゃあ、ホワイトデー兼誕生日おめでとう、しよっか」
揃ってベンチに座り紙袋を交換する。
「かわいい〜!」
私の選んだマフラー。シックな雰囲気で、なぎさんによく合っている。
大切そうにぎゅうと握りしめる姿が愛らしい。
「じゃあこれ! 私からのホワイトデー♡」
リボンで包まれた小さなアルバム、その隙間には手紙が挟まっている。
「恥ずかしいから私が居ないとこで読んでね、それと……はい、これ!」
渡されたのは小箱だった。
「開けるよ」
パカ…と音を立てて開いた。中に入っていたのは指輪だった。
「へ、嘘──」
指輪をするりと箱からとり、私の薬指にはめられる。大きさはぴったりで、繊細で綺麗な模様で、なぎさんとのペアリング。
「歩唯ちゃん、私と結婚して?」
「──はいっ、もちろん」
昼下がりの、大きな公園で。桜が風で舞う。まるで雪みたいで、白くて、純白で、とても綺麗だ。
嬉しくて涙が零れる。
「えっ、あ、泣かないで?」
「嬉しくて──なぎさん、愛してます」
「私も〜! じゃあ、帰ろっか。私たちの家に」
「はいっ」
手を繋いで家路へと戻る。
「……」
嬉しそうな、彼女の横顔。でも私も今までにない指輪の感覚が嬉しくて嬉しくて、なぎさんの手をぎゅうっと握る。
大好きだよ、と言葉を空に投げた。