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「もう逃げられないなぁ?」
不気味に笑う貴方がこわい。こわい。こわい。
でも愛さずにはいられない。
私達はつながってしまったから。
2人だけの秘密で。
帰り道の事だった。
いつも通り歩いていた。
なぜか生臭い鉄の匂いがした。だんだん近づくと強くなる。足が止まった。
夜で暗くてよく見えないためスマホのライトをつけて匂いのするほうを照らした。
「ぇ、いや、ぃや、 、?」
その時私の目にうつったのは
親友の凛夜。
凛夜の胸元には深く何度も刺された痕があり、
赤く染っていた。
親友が殺されている驚きと悲しみで言葉を失った。
「ぇ、ぇあ、り、ん…?ぁあ、」
目の前のことに頭が追いつかない。
いつも笑顔が絶えない元気な凛夜。その人が今目の前で血を流して倒れている。信じられるわけが無い。
ザッザッザ、
凛夜の先から足音がする。
どんどんこっちに近づいてきている。
多分その人が犯人。
パニックになりながらもそれだけはわかった。
「見てもうたんやな」
凛夜の先に居たのは半年前に転校してきた
緋影くん。
緋影くんの手には血のついた包丁。
緋影くんが凛夜を殺したんだね。
ボロボロとこぼれおちてくる涙
「ぅ”ッ,り、ん …っひっ’……ぅっ…ッ 、」
上手く息が吸えない。苦しくて苦しくて
だいすきだった凛夜のこと。
親友だなんて言葉では抑えられないほどに
「カ……ハッ、」
その時凛夜の目が微かに動いていることに気づいた。
「凛夜ッ!!!」
すぐに駆け寄った。
「しぶといやつやなぁ」
緋影くんの声。
「見てもうたんやったら、しゃあないな」
そう言いながら緋影くんは私の手に包丁を押しつけ、指を絡めるように握らせた。
包丁の柄に汗と血の匂い。
手のひらにぬるりとした感触。
私が声を出そうとした瞬間、緋影くんは顔を寄せて低く囁く。
「声出すなや。見つかったら終わりや。」
オマエもオレも
緋影くんは私に凛夜の傷口をぐいっと押さえさせた。
ずぶっ。
肉の中を抉るような感覚。
どのくらい深くいったのか、いやでもわかってしまう。
「見ろ。
オマエの手でこいつの最後の息止めたんや。
もう’見ただけ’じゃすまへんな?」
緋影くんは笑った。
ゆっくりと、私の耳元に唇を近づけて
「オレらふたりで犯したんや。
もう二度と逃げられへん。」
共犯。
愛。