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夏休み前日
宮益坂女子学園
3ーB
「まふゆ!夏休み遊びに行こうね!」
「うん!行こう!…でも、ちゃんと勉強もするんだよ?」
「はーい…わかっております…」
「あはは!ほのかがまふゆにおこられてるー!」
「はあ!?ちょっとあんたね!」
「まあまあ2人とも…というか先生話してるよ?」
「「あっ」」
「朝比奈の言う通り、高校最後の夏休み、ちゃんと勉強して受験に備えろよー」
「「はーい」」
受験…か、そろそろ考えないとな、
“お母さん”と…
朝比奈家
「ただいま」
「おかえりなさい、もう夏休みね」
「うん」
「夏休みのうちに受験のことも考えましょうね」
「あ………うん、」
何年か前
「まふゆには医者が似合うわね」
「そうかな、ありがとう、頑張るね」
…今ではこの言葉を言ったことを後悔している。
現在
「今日のご飯はまふゆの好きなビーフシチューよ」
「ありがとう、いただきます」
「どうかしら」
「うん、すごくおいしいよ」
「よかったわ、おかわりもあるからね」
「ありがとう…ねぇ、お母さん」
「どうしたの?」
「私の将来の夢についてなんだけど…」
「ああ、お医者さんよね…違うかしら?」
「あ、あのね…私、音楽をやっているの」
「やっぱり…そうだったのね」
「でも、勉強も頑張りたいけど、その、音楽も頑張りたい」
「へぇ……でも、しばらくは受験に専念したら?」
「でね…私…お医者さんになりたいかは、わからないの」
「え…………そうだったの」
「ごめんなさい、でも、私は私なりにまだ少しだけ考えたい、」
「だってまふゆ、言ったわよね?お医者さんになりたいって、」
「それはお母さんが言ったからで…」
「なにそれ…」
私は思わず目を瞑る
でもお母さんは続ける。
「でも、そっちの方がまふゆのためだと思って…」
「わかってるよ、私のために言ってくれてることは、でも、私のことも、知って欲しいの」
「…今日は少し休みましょう、また明日話しましょう」
「…わかった」
そうして私は眠りにつく。
やっと………言えた…
と思ったのも一瞬の眠りに溶かされた。
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