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かなり久しぶりのノベル投稿です。
正直投稿するか迷いましたが、折角なので。
ニキしろ。少しだけ背後注意なのと、それとなくアレを匂わせる表現があります。
ワンクッション
目に痛い程のネオンが間髪問わずに飛び込んでくる深夜の歓楽街にて、ふとそこの空間だけ切り取られたかのような厳かな雰囲気を醸し出しているバーが目に入った。
同伴しているボビーに確認を取りゆっくりとそのドアをくぐる。
「へぇ…結構洒落てるんやな」
「ボビーはこういう場所似合いそう」
「逆にニキは全っ然似合わへんなw」
「そんなことないですよーw」
二人で他愛のない話をしながらカウンター席に着くと、向かいにいたバーテンダーに声を掛けられた。
「二名様ですか?」
「はい」
「そうです」
にこやかに応対するバーテンダーにオーダーを伝えようと先に口を開く。
「隣の人にスクリュードライバーをお願いします」
「なんで俺のを先に────」
「他にオーダーは無いですか?」
「あっ、あとシャンディガフをお願いします」
「かしこまりました」
僕は文句を言いたそうにこちらをギロリと睨んでくるボビーに身震いしながら頭の中で今回の作戦を練っていた。
この世には″レディーキラー″と呼ばれるカクテルが存在するらしい。
噂によるとソレを飲んだ人はたちまち酔い潰れてしまう…とのこと。
今日はそれがどのくらいのモノなのか、彼を実験台にして試そうとわざわざボビーを誘った。
「あーごめん。是非ともボビーに飲んで欲しくてさ」
「…?ニキがカクテル勧めるなんて珍しいな」
「そぉ?w」
「…まあええか」
30分後
「にき…」
「なぁに?」
グラスが三個になるとさすがのボビーも酩酊してきたらしく、既に顔と声がふにゃふにゃになっているのが見てとれた。
「これぇ~…うまいな…んんぅ……」
「流石に酔いすぎ、タクシー呼ぼうか?」
「にきん家でのみ直さんのお?」
全くこいつは…。
呆れと同時に彼に信用されているという喜びが湧いた。
「…一応明日撮影だけど、どうなっても知らないからね」
そう囁くと、彼のだらんとうち出された腕を肩に乗せ、腰に手を回す。
店を出て、少し冷えた空気を大きく吸う。
頭は未だにハッキリとしていない。
自分は全く酔っていないのにこのふわふわとした見知らぬ感覚に、しばらく身を任せたい……そう思った……。
END