なにこれ

【シアワセ】の味は蜜の味､とよく言うがそれならば不幸はどんな味をしているのだろうか

＿＿＿＿＿そもそも俺は蜜､蜂蜜が嫌いだ

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べしゃり､ぐしゃり

汚い物を踏みつけて歩く道は見なくとも不快だ。

でも､それを不幸とは思わない。

ぐちゃぐちゃになった冷たいものを眺めながら冷たくなったものが壊したモノを片付ける。

がらがらがら

そんな音がする。

俺の好きな音だ｡こういう騒音は､心地良い｡

聞いていると俺よりもおかしいのが居ると分かるから。俺が一番どん底じゃない､お前らもどん底にいるとわかって少し嬉しくなる。

【ひとりじゃない】

そう思って嬉しくなる。

死んだ後はみんな一緒 だ。

皆で地獄に行って､皆で苦しい思いをしよう。

【シアワセ】が許せない。

というか､苦手だ｡俺が不幸なのは別にいいんだ｡

でも､甘い汁をすすっている､シアワセは蜜の味と猛言を､戯言を言っている奴らは地に落ちてほしいと思っている｡

俺がそう思ってしまうのはきっと､この冷たくなったものがそうだったからだろう。

こいつは【シアワセ】だっただろうなぁ。

さぞ､【シアワセ】に天命を終わらせることができただろうなぁ ｡

お前が【シアワセ 】になって､俺が『不幸』になって､世界は循環する。

他人の頑張りを奪って生きるお前は､さぞ楽しそうなだったなぁ。

ばき

めき

気がついたらまた『冷たくなったもの』の骨を折っていた､いけないいけない。

これが悪い癖だとわかっていても直らない。

ぐちゃり

ぐちゃり

ぐちゃり

ぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃりぐちゃり

こんなに異臭を放つ冷たくなったものは､もう戯言も言わないのに猛言も言わない。

ぐちゃぐちゃにしても､ばきばきに折っても､めきめきと音を鳴らしても､がらがらと騒音を出しても､ばしっと手を上げても､お前がした行動をしても､何も言わない。

赤い液体がつくだけで､何もない

冷たくなったものの上に座っても､何もない

幸福も不幸も､【シアワセ】も､何もない

甘ったるい蜂蜜も､あんたの綺麗な瞳も､なにも。

それのさぞ不快なことか。

お前が苦しめた気持ちも､甘い汁も､全部ブチ壊して､地獄の奥まで追いかけて､またお前を冷たくして､それを繰り返して､そう､繰り返して、

＿＿＿＿＿繰り返して？

繰り返して､何になる？何を成す？

なぁ､お前も教えてくれないか？

【END】