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ピリピリとした空気が流れ、風は吹き荒れる中
零財団 6人は本部の前に立ち塞がり、赤死 真人を拒む
赤死 真人『アンタら6人だけでェ…あたしに勝つ気かい?』
バサバサと革ジャンをなびかせ、余裕の笑みを浮かべる赤死
そして、6人は一斉に刀を握る
檪原 快晴『なんにせ、知らん来客は拒むだけや…』
ビュ バッ
檪原は刀を握って飛び上がり、空中で抜刀
衝撃で地面が裂けるも、赤死はそれを軽々と避ける
赤死 真人(妖術使わずこの威力…零財団、伊達じゃねぇーな)
赤死は空中で回転しながら、懐から二丁の拳銃を取り出す
赤死 真人『まずぁ…テメェからだッ!!』
その二つの銃口は檪原に向けられ、赤死は引き金に指をかける
ビッ
白叉 黒子『させねぇーよ』
白叉は背後から不意打ちで刀を振りかざすも、
赤死は瞬時に、その刀を銃で受け止める
ジギギギギギッ…!!
銃と刀が擦れ合い、火花が散り
赤死 真人『邪魔すんなよテメェ…』
シュルルルーッ…!!
白叉 黒子『う゛ッ…!!?』
赤死の身軽な回転蹴りで吹き飛ばされ、
ドガシャーンッ!!
白叉はビルに勢いよく突っ込む
ガラガラガラ~…と砂煙が舞い、息を飲んで構える5人
その瞬間
ドンドンドンッ…!!
3発の銃弾が砂煙の中から、檪原に向かって発砲される
檪原 快晴『影雲 輪』
シュパァッ…!!
櫟原の《影雲》によって間一髪で銃弾は真っ二つとなり
チャラチャラチャラーッと、地面に転がる
檪原 快晴『油断も隙もあらへんな………コイツ…』
頬に一筋の汗を垂らし、相手の次の一手を待つ檪原
赤死 真人『他の4人はどうした~…お仲間が死んじゃうぜ?』
右手でバッと砂煙を払い、赤死は迫り来る
檪原 快晴(4人は今ぁ、念を溜めとる最中…ウチが食い止めな)
檪原は歯を食い縛り、刀に《影雲》を纏わせる
檪原 快晴『御託はええから…念が持つまで、怠慢しよや』
赤死 真人『ふんっ、偉そうに………上等だよ』
ニヤリと口角を上げた赤死は、真っ正面からダッと走り出す
赤死 真人『死ねェ!!』
ドンドンドンッ…!!
赤死は檪原との間合いを詰めながら拳銃を連射
檪原は瞬時に《影雲》を壁のように操り、銃弾を防ぐ
檪原 快晴(刀相手に詰めて来るか…秘策でもあんのか?)
《影雲》を解除し、檪原は周りを確認
しかし、赤死の姿は見えなくなる
檪原 快晴『ッ…砂煙にでも隠れたか…?』
その瞬間 ー 赤死 真人『達磨 散々丸 (だるま さんさんまる)』
空から姿を現した 赤死と共に…
無数のダルマが雨のごとく、檪原へと降り注ぐ
檪原 快晴『ッ…!?これが狙いか…!!』
檪原は刀を抜こうとするも、その無数のダルマを前に咄嗟に判断
左手を挙げ、黒嶋に合図を送る
黒嶋 一葉『土障 無凶 (どしょう むきょう)』
黒嶋の《土障》それは、念を溜めた分の硬さの壁を展開する妖術
それによって、ダルマの大爆発は防がれる
檪原 快晴『最っ高やで…黒島さん』
黒嶋 一葉『御安い誤用だ…ここからは、俺も加勢しよう』
二人は鞘に納めた刀を構え、赤死の動きを見る
赤死 真人『せっかく妖術お披露目したのぃ…防ぐなよバ~カ』
不機嫌そうに着地し、頭をボリボリと掻く赤死
息ひとつ切れた様子は見えない
黒嶋 一葉(ギリギリ土障も耐えれたが…流石、赤死家の問題児…)
檪原 快晴(妖術、体術含め…強すぎるやろコイツホンマ…)
檪原は息を切らしながら、刀に纏わせていた《影雲》を強化
真っ黒く威圧的な殺気を刀から醸し出す
赤死 真人『念が持つのもギリギリの癖にぃ…よくやるよ』
赤死はしゃがみ込み、煙草を咥えてシュボッと火をつける
二人は動揺、刀をさらに強く握る
黒嶋 一葉『…油断させて狩る作戦が、俺らに通用するとでも?』
赤死 真人『人間不審か…んなダセェ真似今さらしねーよ』
ニヤニヤしながら煙を吐き、後ろの3人を横目で見る
赤死 真人『テメェらも、いつまで念溜めてんだ?やめだやめ』
宝島 神楽『ッ…ど、どうするべきだ?檪原…』
檪原 快晴『殺気が感じられへん…ここは従っとくべきや…』
後ろの宝島 南雲 藤原の3人は念を解き、ゆっくりと力を抜く
赤死 真人『つか、あたしお前らと戦いたかった訳じゃねーし…』
一同は騒然、刀から手を離す
黒嶋 一葉『なら目的はなんだ…零刀と関係は?』
赤死 真人『大アリさ…』
ゆっくりと立ち上がり、煙草をクルクルしながら話し出す赤死
赤死 真人『零刀………所有権は今、誰にあんだ?』
黒嶋 一葉『…所有権など誰も持ち合わせない アレは危険すぎる』
強風に吹かれながら、赤死は煙をはーっ…と吐いて笑う
赤死 真人『ならぁ…あたしにくれよ その所有権』
黒島と心臓はドクンッとうなり、すぐさま構えを取る
黒嶋 一葉『お前らッ…ここで奴を殺るッ!!』
赤死 真人『やっぱ~…零財団とは、分かり合えそうもねェか』
シャリィー…
赤死は、その手で《零刀》を抜く
赤死 真人『錆びてても使えるか…楽しみなもんだな~』
酷く錆びきった刃を見ながら、赤死は一気に殺気を解放
五人に向かって、野性的に鋭い殺意を向ける
しかし…
赤死の背後に向けられたのは、さらなる殺意
白叉 黒子『テメェはここで討つ…』
赤死 真人『う゛ッッッ………!!?』
白叉の抜刀は、赤死の背中を深く切り裂く
血を吐きながらもなお、ニヤリと笑みを浮かべる赤死
黒嶋 一葉『一歩も許すな……!!本部(ここ)を通すことをッ』
白叉以外の五人は刀に意識を向けて《念》を凝縮
限界ギリギリまで、《念》を流す