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それから数カ月後。
翔太は大学を退学じゃなく、休学し、モデルの仕事を優先。忙しい日々を過ごしていた…。
美桜は…母に、料理を習ったり家事手伝ったりと…して過ごしていた…。
お腹もだいぶ目立つようになり…毎日元気な胎動に幸せを噛み締めていた…
色々話しをして、産後しばらくは、このまま美桜の家で、お世話になることにした。
翔太の母はあれっきり帰ってこない…海外支部で業績が、認められて、そのまま昇進してバリバリ働いている。
連絡はちゃんとあり…
妊娠したこと、入籍したことを報告すると、泣いて喜んでいた…
美桜「ね、お母さん、味見して!」
母「どれどれ…ん!いいんじゃない?」
美桜「ほんと?よかった!」
母「だいぶ料理もできるようになったじゃない…!」
美桜「うん!よし、翔太もうすぐ帰ってくるかな…」
翔太「ただいまー」
美桜「おかえりー!!」
ご飯もお風呂もすませリビングで、くつろいでると…
お腹に違和感が…
美桜「ね、翔太…」
翔太「ん?どしたー?」
美桜「明日仕事??」
翔太「いや…明日明後日はオフだけど…」
美桜「そっか…」
翔太「なんで?」
美桜「ん…なんとなく…」
翔太「今日…、一緒寝る?」
美桜「…うん!」
そう言って一緒に寝た二人…
朝方…
お腹の痛みで目が覚めた美桜…
美桜「なんか…、痛い…」
翔太「…ん?美桜?」
美桜「翔太…腰さすって…?」
翔太「ん?こう?」
美桜「…っ…」
翔太「えっ…?大丈夫??」
美桜「っ…はぁ……大丈夫…とりあえず…トイレいきたい…」
翔太「いく?」
美桜「うん…今は大丈夫だから…トイレいって顔洗ってくる…」
そう言って部屋を出ていく美桜…不安になった翔太は、さっと着替え…洗面所へ…
するとトイレからでてきた美桜が…
美桜「翔太…少し出血してた…」
翔太「え?それって…」
美桜「多分…、陣痛きてるかも…」
翔太「えっ??」
美桜「まだすぐは産まれないとおもうけど(笑)今は、痛いより重たいかんじ…ずっとお腹張ってる」
翔太はお腹が、さすってみると…
翔太「なに…、こんな硬いの?」
美桜「ん…とりあえず今のうちに、着替えとかすませる…」
翔太「入院準備したやつは?」
美桜「わたしの部屋にあるから…玄関にもっていって…あとお茶!忘れないようにしなくちゃ…」
翔太「お茶買ってくる?」
美桜「ううん。買ってるー!」
臨月入ってから、いつきてもいいようにと、母が用意してくれていた…
意外と落ち着いてる美桜。
戸惑う翔太…
美桜「ね、翔太…」
翔太「ん?」
美桜「ギュして…」
翔太「どしたの…?」
美桜「ん?いいから…」
前から…だとお腹あたるから、横から、抱きしめると…美桜も背中に手を回してきた…
美桜「…やっぱり落ち着く…」
翔太「美桜…」
美桜も、緊張しているようだった…
それから、リビングへ、移動した頃、母が起きてきた…
母「あら、今日は、早起きね…?」
美桜「ん…起こされたー…(笑)」
母「翔太くんに?」
美桜「いや…、…、っ…、きたっ!」
母「え?、もしかして…、」
美桜「そう…陣痛きたみたい…まだ、30分くらい間隔だから…っ…!!し…翔太ー!」
荷物を玄関に運んでいた翔太は、慌てて戻ってきて…腰を、さすったり…いわれるまま…
それから…、間隔はせばまり…
15分間隔になりだした頃には…痛みもつよく…美桜は喋ることもままならない…。
母が病院へ連絡し、状況つたえると、すぐ来るようにとのこと。
母の運転で、病院へ。
美桜「っ!!うっ…はぁはぁ…っ!」
翔太「美桜…大丈夫?」
大丈夫じゃないのわかってても。何もできない歯がゆさがあった…
美桜「翔太…手…」
そう言って手を握ると、すごい力で握り返されていた…
その力が…いま…美桜が必死に我慢してる痛みなんだと…
しっかり握って、
翔太「もうすぐ。つくからな!」
そう言って励ますしかなかった…
病院ついてからは、陣痛室に案内された。
美桜はずっと俺の手を握ったまま…
それをみた看護師さんが…
「一旦、手はなしましょうか…」
そう言うと…
美桜「…やだっ…やだっ…」
泣き出す美桜…
翔太「大丈夫です…これくらい…」
すると美桜が、手を離した…
翔太「えっ?」
美桜「っ!いたっ…」
美桜は、ベッド柵に握りしめながら耐えていた…
助産師さんがやってきて…
「子宮口開いてきたね…分娩室いきましょうか!」
そう言って移動したときだった…
美桜「うー!!いった!あー!!」
今までない声をあげる…
翔太「美桜!!」
そう言ってちかよると…ギューっと、抱き寄せられた…
美桜「…っ…!っはぁはぁ…」
助産師さんが、破水させるよー!といった…ぷちっと音がしてしばらくすると…美桜は痛いといいながら…
看護師さんたちに言われるように呼吸しながら、イキむ…
時折汗拭いたり…やれることをやる翔太…
何回か繰り返していると…
「はい、力抜いてー!息吐いて」
そういう助産師さんの指示…
すると…
『オギャー!オギャー!』
と、元気な産声が響き渡った…
助産師「おめでとうございます!元気な女の子ですよ!」
そう言って横につれてきてくれた…
美桜「…うわぁ…かわいっ…」
翔太「美桜…ありがとう(泣)」
美桜「やだ…翔太泣いて…(泣)」
翔太「美桜もじゃん!」
助産師「赤ちゃん一旦あずかりますね!」
母子ともに処置がおわり…横に寝かされた赤ちゃん。
身長49センチ体重3000グラムほど。
しばらくして、部屋に案内された。
待ってた母に「おめでとう…よく頑張ったね!」と言われ…
美桜は泣いていた…
ほんと、女の人はすごい…そう思った翔太。
無事に退院する日を迎えた。
名前も決まって、今日、出生届を出しに行く…
外は雲ひとつなく澄み切った青空がキレい…
くすみブルーの、シャーペンをふと思いだした…
あの日も今日みたいに澄み切った青空だったな…
これから3人。幸せな家庭を、築いていこう…