⚠注意⚠
注意書きは一話にあります。
チーノ:大先生〜
鬱:なんやねん、そのきっしょい動き。気ぃ悪いわ
ロボロ:あんさんが俺に仕事押し付けるときもこんな感じやで?
鬱:俺こんな腰くねらせてるん?だから腰が痛いのか………
ロボロ:そらな。んで?チーノどうしたん?システム室(ここ)に来るのは珍しいやん。
チーノ:いやー前世であまり見なかった監視カメラを見てみようと思いまして……今世はやりたいことやってみたくて
ロボロ:まぁええよ。使い方は大先生に聞いてな
鬱:え?俺!?!
ロボロ:俺はお前が押し付けた仕事をかたさなあかんからそんな時間ないねん。遊び呆けてる時間があるなら教えたれよ。第一鬱軍団でええやん。
鬱:いいけどさ〜おいでチーノ、こっちや。
チーノ:ワァイやったー!!
鬱:これがカメラの映像でーーーっていうふうに使えば一通り使えると思うで
チーノ:大先生あざーす
鬱:しっかしチーノがカメラ見たいっていうと思っとらんかったわ
チーノ:あまりカメラ見ることなかったじゃないですか。それに俺が入ったときにはもうすでに役割が決まってて俺にも役目があってこういうことが出来なかったんで………
鬱:せやね。俺にも役割決まってたしな
チーノ:そういえば大先生って前世はどうしてここに入ったん?
鬱:俺?俺はもともとスパイやってん。
チーノ:スパイ!?!大先生が?以外やわ……
鬱:以外ってなんやねん!!話戻すけど、俺の出身国からここに調査に行けって言われて来たんやけど、すぐにグルッペンにバレてんな。
そんでグルッペンに『あの国と俺の国どっちのほうがお前にとって自由だ?』って聞かれてこっちを選んだね。
チーノ:スパイを見破るなんてさすがグルッペンさんやわ……
鬱:俺もな?ちゃんと一般兵を装っとってん。完璧なね?どうしてあいつは気づいたんかな?今でも分からへん。
安心しいや。今世は出身国でヘマやって追い出されとるから向こうも俺も交わることなんてせぇへんよ。
鬱:…………なんと言おうが、俺は言葉にすることはあらへんよ?
手足を縛られ、冷たい石レンガのろうの中で鬱先生はそう口にする。目には困惑の色が浮かんでいた。
それもそうだろう。なんせ話し相手が俺なのだから。仲間の、軍団の、同じ人に忠誠を誓った友が敵国のスパイだったのだから。
彼の目が変わる。『これ以上の情報を与えてはならぬ』と。しかし、気を張っていると壊れる速度も早い。だから程よい心を持ち相手の空きを見ようと情報を吐く。
もちろん、嘘か真か調べるまで分からない。そこが人の空きとなる。手段の分かっている俺が聞き手となったのはそういうこと。
いや、仲間のボロボロにするのを上は見ている。裏切り者が国を裏切らないように。裏切り者の心を壊すように。
鬱:チーノ?
チーノ:あっすんません。詐欺師の大先生が『裏切らない』っていうと嘘くさくて
鬱:なんやと!?!詐欺師なのは俺とお前でや。俺一人やないからな!!
チーノ:アハハハッ
あのときの俺は冷たい目をしていただろう。
いや、涙が止まらなかった。
チーノ:(大先生が細かい記憶を持ってなくて良かった)
覚えていたらまた泣き虫だと、考えすぎだと言ってくるだろうから。
もうあんな過去には囚われたくない。