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今日も頑張る
「天音ちゃん!おはよう!」
「おはよう」
「おぉ、天音!おはよう!今日は少し早いだろ!」
「えー…そうかな?」
朝からみんなうるさい。
別に挨拶なんてしなくてもなんも変わらないじゃん。
しかも…蒼空の視線も痛いしね。
嫉妬心丸出しの、痛い視線。
その視線を向けているのは、蒼空以外にもいた。
「きょ、きょきょ今日の天音様天使…!国宝……!!」
「天音様の右にいる男の名前は確か…越谷優斗だった気がする…殺す」
「天音様の半径3メートル以内にお前みたいな不純物は入ってはいけないんだよ…」
「天音様が汚れてしまうでなはいでしょうか……!!!」
「まあそんなことはさておき、今日の髪形はポニーテール、高さは大体……」
結構ヤバい発言やポニテの高さを図ってノートに記録している彼女の名前は聖華那。
私が中学1年生の時からずーーっとストーカーみたいに引っ付いている子。
まあ、関わると面倒くさそうだから見て見ぬふりをしているけどね。
「あ、そうだ蒼空。課題終わってるよね?」
「え?課題なんてあったっけ…??」
「天音様と蒼空様……!!エンジェルすぎます…!!!!!」
「だからと言って付き合ってることは許せない…」
「天音様の隣は、私なんだからぁぁーーー!!!!!」
だからみんな、朝からうるさいって。
あー…やっと昼放課。
今日は涼しそうだから屋上で食べようかな。
さーて、弁当弁当…。
あれ?お弁当…どこ……?
「え?あれ?えぇ!?」
お弁当、玄関に置いてきちゃった…かも……。
「蒼空…購買行ってくる……」
「マジ!僕も行くー!!」
うーわ、すんごい人。怖いって。
「カツサンド完売でーす!!」
「卵パンラスト10個です!!」
「すいません卵パン3つ、カレーパン4つ!!」
「はいよ!!」
「えーと、焼きそばパンと__」
「焼きそばパン貰いっ!!!」
「せ、先輩……」
「ふんっ、すまないな」
「……いえ…」
これが、購買…。
初めて来たけど、すごい。
てか、焼きそば先輩終わってる。
「あのー…先輩…」
「あぁ?んだよお前。こちとら腹が減ってイライラしてるんだ__」
「その焼きそばパン、くれませんか…?」
「おい、今の話聞いてたか…?」
「私、お弁当忘れちゃって…購買が初めてで……」
「お、おう…お前、可愛いからやるよ……」
「ありがとうございます…!」
「天音!すぐどっか行くから…」
「ああ、ごめん。さっきの焼きそばパン奪還してた。届けに行ってくるね」
「あー、うん…((妬」
「ちょっといい?」
「あ、は、はい!!なんでしょうか!!」
「さっき先輩に焼きそばパン取られたでしょう?これ、あげる」
「い、いえいえ…そんな…申し訳ないです……!」
「いいの、受け取って」
「じゃ、じゃあ…ありがとうございます…」
「うん、じゃあまたいつか」
「はい…!」
さて、私も買わないと…
まさか、売り切れてないよね…?
「クリームチーズパン、ラスト10個です!!」
まだ残ってる!!早く行かないと…!
「クリームパンあるだけください」
「へいよ!クリームパン6個で600円ね!」
「お願いします」
「まいどあり!」
ふぅ…何とか買えた……。
休み時間もあと30分くらいあることだし、屋上に行こうかな。
「蒼空、待たせちゃってごめんね」
「全然大丈夫だよ!早く屋上行こう!」
「涼しい…」
「だね!」
「あ、ああ、天音様と…蒼空様!?!?!?」
出た、聖華那。
「えーっと…誰?」
「ハッ!!私としたことがなんという失態を……!!」
こうゆういわゆる”ヤバい人間”とは関わらない方がいい。
でも…何故か”関わらない方がいい”とは思わなかった。
「あなた…私と同じ2年生?」
「あ!?へっ!?!?は、はは…はいぃぃ!!!」
「同学年ならそんなに緊張しなくてもいいのに…私は胡桃天音。あなたは?」
聖華那ね。知ってるけどここは知らないふりを……。
「え?私の名前知らないんですか!?」
「はい?」
「もうこの機会だから言います!私は天音様と蒼空様のガチ勢です!いつも教室に遊びに行って一人で拝んでるんです!」
華那はどうやら自分がやっていることを自覚しているらしい。
ひとまず安心…なのかな……?
「あー…なんか私のポニーテールとかの高さを測ってる子?」
「あーー!!それですそれです!!!」
はい知ってました。やっぱ関わらない方がいいのでは__?
「みんなからはキモいとかボロクソ言われてますけど…私は別にキモオタじゃなくて尊敬してるんです!!」
尊敬……?
「全然知らない人でも困ってたら迷わず助ける、他人が嫌がる仕事を率先して選ぶとか……!」
この人、どれだけ私を見てるのだろうか。
「私は天音様をみんなから”キモい”と言われるほど見てきたんです!だから分かることもあるんです!!」
「私、華那のこと勘違いしてた。華那のこと知ってた。他の人と同じようにキモい奴って思ってた。だけど…」
「華那は私のこと大好きなんだね!」
「………!!!はい!!」
「あー、僕空気だよね?」
「ん?蒼空はちゃんと存在してるよ?」
「私、蒼空様に嫉妬してました。いつもはっついてて、羨ましいなって思ってました。だから…ごめんなさい……」
「え!?エットー華那チャンは何も悪くないよ!?!?」
「あ、ありがとうございます……」
「一応LINE交換しとく?」
「あ、ああ、天音様とLINE交換…!?」
「でも、天音”様”って言うなら交換しないよ?」
「じゃ、じゃあ…あまね……//」
か、可愛い…ッッ……。
「あー!!僕もLINE交換する!!!!」
「これからよろしくね、華那」
「はいっ!!」