蒼と美月は、「思い出の旅」を終え、新たな絆を胸に日常へ戻っていった。忙しいながらも、互いに支え合うことで少しずつ夢を現実にする努力を重ねていた。しかし、彼らの平穏は再び試練にさらされることとなる。
ある日、美月が仕事を終えて帰る途中、不審な人物に付きまとわれていることに気づいた。恐怖で足がすくむ中、美月はなんとかスマートフォンを取り出し、蒼に助けを求めた。
「蒼…怖い…助けて…」 美月の震える声を聞いた瞬間、蒼の中で何かが弾けた。「今すぐ行く」と短く返事をすると、彼は電話を切り、全力で美月がいる場所へ向かった。
しかし、蒼が駆けつけた時、美月はすでに何者かに拉致されていた。その瞬間、蒼の心に激しい怒りと不安が湧き上がる。彼は周囲を見渡し、わずかな手がかりを元に美月を追いかけ始めた。
やがて、蒼は古びた工場の中に美月がいることを突き止めた。中に入ると、そこには数人の男たちがいて、美月を囲むように立っていた。蒼は迷うことなく声を張り上げた。 「美月に手を出すな!」
その言葉に男たちは驚き、蒼に向かって襲いかかってきた。しかし、蒼は恐れることなく立ち向かった。彼の中には、ただ美月を守りたいという一心しかなかった。
激しい格闘の末、蒼は男たちを振り切り、美月の元へたどり着いた。彼女の縄を解きながら、蒼は微笑みを浮かべた。 「大丈夫だ、美月。もう心配いらない。」 美月は涙を浮かべながら蒼に抱きついた。 「ありがとう…蒼。本当に怖かった…でも、蒼が来てくれると信じてた。」
しかし、安堵も束の間、背後から別の男がナイフを持って近づいてきた。その瞬間、蒼はとっさに美月をかばい、肩に深い傷を負った。 「蒼!」美月の叫びが工場内に響く。
蒼は痛みに顔を歪めながらも、美月を守る決意は揺るがなかった。「俺は絶対に君を守る…それが俺の約束だから。」そう言って蒼は再び立ち上がり、最後の力を振り絞って敵を撃退した。
その後、蒼と美月は無事に外へ逃げ出し、救急車で病院へ運ばれた。蒼の傷は深かったものの、命に別状はなかった。美月は涙ながらに彼の手を握り、心の底から感謝と愛を伝えた。 「蒼がいてくれるから、私は何度でも立ち上がれる。絶対に、私も蒼を支えるからね。」
蒼は弱々しく微笑みながら、彼女に囁いた。 「それが聞けて良かった。これからも、二人で未来を作っていこう。」
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