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br「いっちゃったぁ…」
「おい、ぶるーく」
br「あっ、ん?」
「ちょっとこっち来いよ」
br「…はーい」
少年は、気を遣ったのだろうか。
関わったら、同じ目に遭うだろうと思って。
br「…馬鹿だなぁ」
優しいのか、ただ単に馬鹿なのか。
悪い意味ではない。
「お前、お人好しだな」
br「え?w」
思わぬ言葉に、少し呆れてしまった。
お人好し、だなんて言われる事は一切していないのだけれど。
「あんな奴とか、話すだけ時間の無駄だろw」
「それな?w出て行ってくれたおかげでぶるーくくんの面倒事が減ったね」
「そこは気を使える奴で良かったわw」
「ねw」
br「あはは〜」
本当にこの学校に来てから2日目なのかと疑ってしまう。
まるで、ずっと一緒にいるかの様な言い方。
少なくとも、仲良くしようなんて言った記憶は無い。
しかも、ここにいるのは取り巻き達。
「それよりさ〜、教室面白くない先生の授業あるんだよね」
「うーわマジじゃん」
つまらない話を適当に聞き流していると、少年が席に戻ってきた。
今すぐにでも自分の席に戻りたいが、生憎囲まれてしまっていてホールドされている。
少年は、窓の外を見た。
背景には、青い空が広がっている。
少年の纏う空気感と合わない。
でも、綺麗だとは思った。
窓の隙間から入ってくる風に凪いだ黒髪。
br「ぁ」
kn「…っ、」
少年は、一瞬こちらを向いた。
でも、すぐに視線を窓の外に戻した。
ずっと眺めているのを気づかれたかな、だなんて思いながら、見つめる。
目が離せない、と言った方が正解だろうか。
周りを囲む奴等を少々強引に退けて、少年の方に向かう。
半分は、無意識だった。
今まで、少年の様な目に遭う子はいくらでもいた。
その度に話しかけたし、一緒にいるようにした。
僕自身がそういう事が嫌いで、放っておけなかったからなのだけれど。
話しかければ、初めて話す時こそ警戒するものの、すぐに打ち解けてくれる。
心の拠り所ができたかの様に。
br「…ねぇ、きんとき?」
kn「…………」
br「きんとき」
kn「…黙って」
それなのに、何故彼は拒絶するのか。
昨日少し話したけれど、その時はいつもと同じだと思った。
この子も前の子達と一緒だな、なんて。
よろしく、と言ってくれたし、あだ名で呼ぶことも許された。
なんなら、笑いかけてくれた。
それなのに、彼は。
br「…ふふw」
kn「…?」
br「やっぱり、面白いね、君は。」
kn「…何が?」
窓の外を見つめたまま、そう言う。
やっぱり、自己犠牲をしてまで、守ろうとしてくれている。
もしそう思っていなかったとしても、僕はそう感じた。
偶然こんな教室に入れられた不運な僕を、標的にされない様に。
ただ一方的に話しかけたくて話している僕を、庇う様に。
br「僕なんかより、ずぅっとお人好しじゃん」
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