テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
284
12,386
1,391
br「きんさ〜ん!!」
kn「………」
あれから、彼はずっと俺に話しかけてくる。
クラスメイトからの視線や言葉も気にせず、普通に。
なんなら「きんさん」だなんて呼び方ができたし、他の誰よりも関わってくる。
kn「…何?どうかしたの?」
br「え?呼んだだけ」
kn「だるいって」
br「あははwww」
流石に無視できる程の頻度じゃなくなった為、今は声をかけられたら話している。
半ば強制的に会話させられているけれど。
少なくとも自分からは絶対に行かないし、まだ完全に信じた訳でも、諦めた訳でもない。
br「次移動教室だから、一緒に行こ」
kn「わかった。まだ準備できてないから待ってて」
br「きんさんの為ならいくらでも待ちま〜す」
kn「………」
彼はどこまでが本気なのだろう。
自分が所謂いじめを受けている事も知っているはずで。
それをわかって、彼も巻き込まれる可能性があることをわかった上で、関わってくるのか。
kn「…行こう、ぶるーく」
br「よし、行こ〜!」
俺の隣で楽しそうに笑う彼は、どう思っているのだろう。
わかるはずも無いが、知りたいと思ってしまう。
他クラスからの視線もざわつきも気にせず自分の隣を歩く彼は、酷く大きく感じた。
br「きーんさん?」
kn「ん?」
少年が振り向く。
無視されたり、素っ気なく返されたりする事は無くなった。
と言っても、僕が話しかけ過ぎているからだけれど。
少し強引になってしまったが、しょうがない。
br「今日一緒に帰らない?」
kn「え」
少年は少し驚いた顔をする。
それから視線を彼奴等の方へ移す。
そして、ふと思う。
つい最近話してくれるようになったけれど、それは「話したい」という気持ちある訳ではなくて。
br「…あ、なんかごめん!!急にそんな、なんか仲良い奴みたいなこと言って!!」
kn「あ、いや…」
自覚してるんだ、とか思っていそうな顔。
kn「…まぁ、いいよ」
br「え」
思いもよらぬ返答に、今度はこちらが驚いてしまった。
今の流れは完全に断られる雰囲気だったが。
br「え、ほんとに、いいの?」
kn「だからいいって言ってんじゃん」
そう言って笑う彼を見ると、何故か悲しくなった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!