テラーノベル
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ども!
ハッピーシュガーライフおもしろい!すき!
ドロドロした恋愛大好き!純愛ももちろん好きだが!
🦀🐱
『ハッピーシュガーライフ』
「ただいま〜」
午後8時半。
今日もだらしない格好でぐだぐだと靴を脱ぐ。
一日働きっぱなしで疲れ切った体は朝より妙に重く感じられる。まあいつものことやけど。
そして真っ直ぐ伸びた廊下を眺めて、待つ。
なんの反応もないシンとした空気に短く息をつく。
もう寝ちゃったかなぁ、だって遅いもんねぇ
今子供はもうおねむの時間だしね。寝ててもおかしくない。
いつもは待っててくれるのに、今日は寝ちゃったか。
と、1番奥の部屋からどたっ!と大きな音がするとばん!と勢いよく扉が開いた。
「あ、ただい」
「レトさぁーー!!!!ん!!!!! 」
俺の声を遮ってまで外まで響きそうなおっきな声で叫んで、にこりとひとつ。
かわいい、と思っているとたたたたっと走り寄ってきて俺と目線を合わして、今までよりも眩しい笑顔を輝かせた。
「おかえり、レトさん!」
「ただいまぁ」
2人でにこりと笑いあうとすくりと立ち上がって、キヨくんをいきなり抱きかかえる。
もちろんドアチェーンと鍵をかけて。
「うわ!レトさん?どーしたの?」
驚きながらも俺にぎゅっと抱きつき、可愛らしく微笑む。俺は無言で笑い返すとリビングに急ぐ。つかれた!と叫ぶ心にあと少しと繰り返して目的地に着いた瞬間キヨくんをぎゅーっと抱きしめる。
「はーーーぁ、!つかれた!頑張ったんよぉ、おれぇ、よしよししてやぁ」
「そーなの?そっかぁ!よしよし!よくがんばりました!レトさんすごい!」
あー、本当に癒されるぅ、
すーーーーっとキヨくんのお腹辺りを吸う。猫吸いみたいな感じでなんか中毒性があって、疲れも吹き飛ぶ。
「今日もいい子にしとった?」
「うん!もちろん!」
「そっかぁ、いい子やなぁ。変な人は来なかった?」
「うーん、変なひと、?変なひとっていうかたっきゅうびん?のひとがきた!」
「…そうなん?あれぇ、なんか頼んだっけ。でも出なかった?」
「うん!レトさんがお外はあぶないからでちゃダメだし、ひとが来てもでちゃダメっていってたからでなかったよ!」
いい子でしょ?とにこにこ笑うキヨくんの頭をくしゃくしゃと撫でると膝からおろす。
にこにこと笑うキヨくん。
かわいいのはかわいいんだけどそれよりも気になっていることがあった。
「(俺、なんも頼んでないんやけど)」
もしかして、と顔を顰めるとソファにキヨくんを寝かして立ち上がってスマホを触る。少し操作して、外の様子を記録しているアプリを起動させた。
午後2時ごろ。
チャイムを鳴らす謎の男性。帽子を被っているもののしまいきれていないオーラから誰なのかなんてバレバレだった。
黒髪に眼鏡。ちらりとこちらを見た鋭い目。光る深緑。作業着には某黒猫のマーク。
あぁ、腹立つ。また来たのか。
手を替え品を替え。
何度来たら気が済むのか。
もう彼は俺の手の内なのに。
なんで、本当に腹が立つ。何度も何度も場所は変えたし、色々なことを試した。それでもお前たちは見つけだして彼を奪おうとする。
もう、彼は俺のことしか覚えていないのに。馬鹿なやつ。
ぐるぐる、黒い感情が渦巻いてだんだん目線が下がってくる。
「……れとさん?」
響いた幼い声。それでも十分低くて落ち着く声。
「あ、ごめんなぁ、今日ちょっと色々あって。」
そっかぁ、とにへら、と笑ったキヨくんを優しく、壊れ物のように撫でる。
「絶対、絶対次は守るけんね。」
「いっつもまもってもらってるよ?」
「そっ、か。よかったわ。」
もう、渡さない。渡したくもない。
もう二度と君を傷つけたくないから。
お前らのせいで全部彼は傷ついて、失って、諦めたのだから。
君君を慰めれるのは俺だけ。
「…そうだよね」
「?うん」
俺よりも身長が高くて、痩せてしまった体に抱きつく。
もう二度と離さないように、失わないように。
俺のシュガーエンジェルが羽ばたかないように
ハッピーシュガーライフまじいいから全員見てほしい。
だけどあんまり知ってる人いない気がする。
悲しい😢😢
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