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ども
天使ってかわいい
堕天してたらもっとかわいい
ということで
普通の人間🦀✖️天使🐱
とはいっても🦀さんあんまりでて来ない
🐱さんちょっと可哀想
いってら!
ー人間と天使の恋、それは死を償うほど犯してはいけないもの。
これはそんな禁断の恋に触れてしまった可哀想な天使のお話。
天界、ここは天使が歌ったり、飛んだり、お話をしたりして楽しんでいるところ。
そんな天界で暇そうに人間界を眺めている見習い天使のキヨくん。
「天使様ぁ、なんで人間界に行ったらいけないの?」
「それはね、危ないからだよ。人間は誰しも安全とは限らないからねぇ。」
のんびり、ゆったりと答える天使様にキヨくんはぷくぅ、とほっぺたを膨らませました。
見習いの天使は人間界には出てはいけない、そんな掟があることも知っていましたが、そんなのより地上が気になって気になって仕方がありませんでした。
「(なんでダメなんだろう、あんなにも楽しそうなのに)」
いつもそう考えては眠り、人間さんとお話しする夢を見ていました。
そんなことを繰り返していたある夜。
人間界に素敵な人を見つけました。
ある部屋の中、鼻声の青年が楽しそうに何かにお話をしています。
その目はキラキラしていて、手元では何かをカタカタと動かしていました。
「なあに、あれ?すっごく楽しそう!」
カーテンが揺らめく一部屋、楽しそうな声、音。
何もかもがキヨくんにとっては珍しく、好奇心をくすぐるものばかりでした。
今日は丸いお月様は真っ暗な夜に上がっていて、どんな天使でも空から出れる日です。
「ちょうどいいや!天使様には秘密でお空から出かけちゃお!」
キヨくんは楽しそうに4枚の羽根をぱたぱたと動かしながら黒い黒い地上に降りて行きました。
「わー!すご!ここが人間界?明るくって、かっこいい!」
黒いお空には真っ白な羽根がよく映えます。
上からおもしろそうにはしゃいでいるキヨくんにまた、あの鼻声が聞こえてきました。
『こなぁーゆきぃーねぇ♪』
鼻声の鼻歌。
決してうまいとは言えないけど、キラキラと輝く顔からは希望しか見えませんでした。
「あの歌、なんだろう。上の世界にはない歌。」
その歌がなんなのか、そもそもあの人は誰なのか、ずっと気になって仕方がありませんでした。
「(もし、あの人に話しかけたら天使様は、怒るかな?)」
でも話しかけたい。だって気になるもの。自分の中の感情は押さえ込むのも大変です。キヨくんはただただお空の真ん中で浮いているだけです。
天使様は1日くらい許してくれるはず、だって優しいから。
誰よりもキヨくんのことを気にかけてくれているのは天使様です。きっと許してくれる。
「それだったら、いっか!」
揺れ揺れるカーテンを目指して、一直線に飛んでいきました。そして天使の力で窓をすり抜け、その鼻歌をすぐ近くで聴きました。
「こどーくをーわけぇあうことができたのかぁ〜♪」
「ねぇ、そのお歌、なぁに?」
人間のことなんて知らないキヨくん。あちらがどれだけ驚くことなんて知る由もありません。
すぐ横で、囁くように聞いてみましたが、人間は肩をびくっと震わせました。こちらにゆっくりと顔を向けると細い目を見開きました。
「え、だ、だれ?!?!ちょ、なに、子供?!」
遅い夜なのに大きな声を出して仕舞えば静かなお外に響きました。でもキヨくんはそんなのどうでもいい。人間の背中をじっとみて、顔を覗き込みました。
「羽根、ないんだ。不便だね。お空、飛ばないの?」
「いや、俺人間…」
あんなに驚いていたのに、冷静な言葉にキヨくんはくすりと笑ってしまいました。
やっぱり人間さんはおもしろい。そんなことを心から思いました。
「俺はね、天使!まだまだ見習いだけど、人間に興味があってきたの、それでね、ええと、」
「うん、?もうわかったけんいいよ、うん。」
どれだけ困惑していてもお話を聞いてくれる人間にもっともっと興味が出てきました。
楽しい、やっぱり楽しい。
「俺は、レトルト。適当に呼んでもらって構わんよ。」
「ほんとぉ?じゃあレトさん!よろしく、レトさん!」
お互い軽い自己紹介を済ましてお喋りをしました。テンポのいい会話に、鼻にかかる声が心地が良く、いつまでも話してられるように感じられました。
でも、朝日が優しく当たりを照らし始めました。
暖かい光がキヨくんの翼を染めた時、その状況に気がつきました。
「あ、もう朝。もう俺帰らなくちゃ、!また満月の時会お!じゃーね!レトさん!」
大きく手を振ると相手の返事も聞かずにお空にぱたぱたと向かって行きました。
その後ろで嬉しそうに小さく手を振るレトルトさん。
その顔は恋をしているような表情でした。
それから数ヶ月。
満月の夜、キヨくんはレトルトさんに秘密で会いに行きました。
話をするたびに近くなってくる距離に、関係。
そんなところが心地が良かったのです。
そして、ある日。
キヨくんはレトルトさんと体を交わしました。
それがどんなにいけないことかなんてキヨくんはわかっていました。それでも気持ちの昂りには勝つことができませんでした。
そのまま朝が来て、朝日がキヨくんを空に引っ張ります。
重たい体をやや引きずって部屋を潜り抜けて行きました。
そして天界。金色に溢れる部屋に目が眩みます。
優しい笑顔を浮かべていたはずの天使様がその笑みを消して待っていました。
「ああ、もうダメだね。あれだけ言っていたのに、なんて酷いことを…。」
悲しそうに顔を歪ますと憐れむようにひっそりと呟きました。
「さようなら」
キヨくんには理解ができませんでした。なんでそんなことが言われたのかさえ分からずにじっと天使様を見つめます。
刹那、衝撃が体に走りました。
気づけば真っ暗な世界、地獄に落ちていっているのです。
声も発することができません。
苦しくて、息もままなりません。
どしゃっ
落ちたところは真っ赤な火の目の前。怖くって後退りをすると誰かにぶつかりました。
それは白の翼を背中に背負った天使。
その天使が手を伸ばしてきていました。
仲間だ、そう思い手を掴もうとするとばしっ、とその手を払いのけられました。
「なん、」
「ばか!!」
被せるように言ってきた一言に空いた口が塞がりせん。
なんで天使なのにそんなことをするのだろう。怖くて仕方がありません。
すると、途端に天使の羽根が真っ黒に染まって行きます。
天使だと思っていた者は、悪魔だったのです。
そして、悪魔はこちらをまじまじと見つめると嬉しそうに表情を歪ませました。
「ああ、そうか、君が堕ちた天使か…。いいねぇ、まだまだ若いのに、可哀想に…!」
何一つ可哀想だと思っていない声に困惑が隠しきれません。
な、と声を出すと同時に悪魔が笑い声を上げました。
「そうだ!そんなに真っ白な翼を持っていたら可哀想だろう!だったら引きちぎってあげよう!」
そんなふうに笑うとキヨくんの翼をもつとその手の力を込めました。
「や、めて、!やだ!」
「やめてなんて、笑わせるなよ?お前が悪いんだから」
「人間との恋なんて、馬鹿らしい。」
ぷつり、何かが切れたような気がしました。
自分の全てが否定されたような気持ちになったのです。
それでも嫌なものは嫌。
翼を取られるなんてもってのほか。
「やだ、やめてって、ば!」
それでも暴れる体を取り押さえられて翼を強く握られる。まるで逃がさない、というように。
ぐっ、
今までよりも強く掴まれたかと思えば
ぶちっっ
大きな音が背中でなります。
「あはははっ、天使の血ってこんなに鮮やかな色してんだな!さあ、もう一枚!」
ぶちっっ!
もう一度大きな音、痛みがずきずきとたくさん押し寄せてきます。
「いたい、い゛だい゛ぃぃ、゛っ!」
どれだけ叫んでも後ろの悪魔は笑い声を上げるだけで助けてなんかくれません。
痛い、いたい、イタイ
「さ、次はこれだ。これを飲んだらもうおしまい。」
飲んだら、楽になれるのかな、なんて思ってしまったキヨくんは黒くドロドロとした液体が入った小瓶に手を伸ばします。
「ほお、本当に飲むんだな。まあ極限状態じゃあそうなるか笑」
悪魔が何かを言っていますがそれさえもが聞こえません。ただ楽になるために、手を伸ばすのです。
蓋を開け、中身を口に注ぎます。
口に入れた瞬間咽せるような苦さに顔が歪み、手で覆って吐き出さないよう必死に飲み込みました。
その時、今だに血の止まらない背中に大きな衝撃を受けました。
「おぇ、゛ぅあ?」
2枚の羽根が、新たに生えていたのです。
上にある小さな翼は真っ黒。下の方に生えている大きな翼は今だに白く、綺麗な状態でした。
「あれぇ?せっかく人間の“穢れ”を飲ませたのに、中々効きにくいな、しょうがない、こうしようか」
何かを閃いたのか悪魔はまた手を伸ばしてきました。
必死に体を捻って掴まれるのを避けようとしました。
それでも大きな下の翼を掴まれ、あり得ない方向に、曲げられました。
ばきっ!
「ぅあ゛゛、!!っい゛ぅ、」
「これでよし、少しずつ黒く染まるはずだ。よぉし、これから先はもっと地獄だぞ?」
「じゃーな!“堕天使”ちゃん?」
折られた翼をぐっと引っ張られたかと思うと燃え上がる炎の海に投げ込まれました。
熱い、痛い、助けて、
どれだけ願ったって変わりません。
そんな中で真っ黒な醜い感情がたくさん溢れ出てきます。
ー元はと言えばあいつが悪い。
俺の注意を引いてしまったあいつが悪いんだ。
あいつのせいで幸せが全部壊れた。痛い思いもして、堕天までしてしまった。
あいつのせいで、あいつのせいで。
でも、なんでまだ好きって思っちゃうんだろ。
なんで、こんなに俺は醜いの?
まさに地獄。自分の存在こそわからなくなってきました。
…いよいよ人間界が近づいてきます。
灰色の雲を突き破って灰色の地面がすぐ目の前に。
必死に折られていない方の翼をばたばたと動かして、顔から着地をするのを防ぎました。
ぽたり、
雨が降りそうな澱んだ天気の中、空から天使が舞い降りました。
黒く霞んだ右目に真っ白で虚な左目。
折られた翼はあり得ない方向に。
へたりと女の子座りをしています。
ぽた、ぽたり
涙が溢れ出して周りが見えないようです。
流れ出た涙は地面につくと金色の塊になります。
「(このままおれ、しんじゃうのかな)」
まあ、いいか
もう死んじゃった方が楽だもの
と、前に大きな影ができます。
息を呑むような声が聞こえてきて、咄嗟に顔を上げます。
「…天使?」
…鼻にかかる声
「あ、」
顔を上げると、そこには
…大好きだった人。
「天使、すご、」
あれ、覚えてないのかな
まあ、そんなもんか
あーあ、
地獄みたい
おかえりっちょ
天使ってほんとうにかわいい。いつか描きためた絵もあげるかも。ヘタダケドネ‼︎
ばいばい