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是非最後までご覧ください🙇♀️
この物語を気にいってくれたら嬉しいし私を応援してくれるともっと嬉しいです♡
初めましてしての方もお久しぶりの方もワクワクして読んで下さい🫧🩷
怪盗ローズと運命のバラ
第一章 夜空を飛ぶ赤いバラ
夜の街は静かだった。
石畳の道路。
並ぶ街灯。
時計台の鐘が響く中央広場。
昼は賑やかなこの街も、深夜になると別の顔を見せる。
人々が寝静まった頃。
誰もが空を見上げる時間がある。
「今日も来るかな。」
「来るでしょ。」
「怪盗ローズ。」
広場にいた人々が空を見上げる。
その時だった。
シュッ―――
黒い影が時計台の上を横切った。
「いた!」
歓声が上がる。
月明かりに照らされた黒いマント。
風になびくフード。
胸元には一輪の真紅のバラ。
怪盗ローズ。
この街で最も有名な怪盗だった。
悪人から宝を奪い、困っている人を助ける。
誰も正体を知らない。
誰も捕まえられない。
まるで物語から飛び出してきた英雄。
そんな存在だった。
だが。
誰も知らない。
その怪盗が誰よりも孤独なことを。
時計台の屋根。
おんりーは静かに街を見下ろしていた。
風が冷たい。
右腕には包帯。
昨日の傷がまだ痛む。
それでも表情は変わらない。
「……次は東地区か。」
小さく呟く。
誰も聞いていない独り言。
昔からそうだった。
困ったことがあっても誰にも言わない。
辛くても言わない。
助けを求めない。
全部自分でやる。
それがおんりーだった。
「俺がやればいい。」
それが口癖になっていた。
その頃。
広場のベンチでは一人の青年が空を見上げていた。
ドズルだった。
「すごいなぁ……」
思わず声が漏れる。
怪盗ローズ。
自由に空を飛ぶ姿。
誰かを助ける姿。
かっこいいと思った。
憧れだった。
「僕もあんな風になれたらな。」
自分には特別な力なんてない。
空なんて飛べない。
勇気もない。
だから余計に羨ましかった。
その時だった。
怪盗ローズがこちらを見た気がした。
ほんの一瞬。
本当に一瞬だけ。
目が合ったような気がした。
「え?」
次の瞬間。
何かが落ちてきた。
カラン。
地面を転がる銀色の小さな欠片。
ドズルは拾い上げる。
そこには美しいバラの模様が刻まれていた。
そして裏側には。
『Ⅰ』
という文字。
「なんだろう……これ。」
首を傾げる。
その欠片が運命を変えるとも知らずに。
屋根の上のおんりーは小さく息を吐いた。
「落としたか……。」
だが取りには行かない。
今はもっと優先すべきことがある。
東地区の倉庫街。
そこに危険な取引があるという情報を掴んでいた。
今日も一人で向かう。
いつものように。
だが。
向かおうとした瞬間だった。
ズキッ――
右腕が痛む。
思わず顔をしかめる。
昨日。
かなり無理をした。
一人で十数人を相手にした。
普通なら病院へ行く怪我だった。
だが行けない。
怪盗だから。
正体が知られるわけにはいかない。
「平気だ。」
自分に言い聞かせる。
「こんなの。」
そう言って立ち上がる。
しかし足元がふらついた。
ふと。
昔のことを思い出した。
幼い頃。
まだ怪盗でも何でもなかった頃。
父が言った言葉。
『一人で抱え込むな。』
『助けを求めることは弱さじゃない。』
あの頃は笑って聞いていた。
でも今は違う。
助けを求めれば失う。
信じれば傷つく。
そんなことを知ってしまった。
だから。
誰も巻き込まない。
それがおんりーの決意だった。
翌日。
ドズルは例の欠片を持ったまま街を歩いていた。
すると公園のベンチで見覚えのある人物を見つける。
「おらふくん?」
白い髪の青年。
スケッチブックを前にして悩んでいる。
「ん?」
「あれ、ドズルさん。」
「何してるの?」
「絵です。」
そう言いながら苦笑する。
スケッチブックには何枚もの描きかけのバラ。
「上手じゃん。」
「いや、全然です。」
「そう?」
「描けないんです。」
おらふくんは空を見た。
「大切な思い出だから。」
その言葉にドズルは少し黙る。
おらふくんは続けた。
「昔ね。」
「うん。」
「バラが好きな人がいたんです。」
「へぇ。」
「でも今は会えない。」
笑っている。
でも目は少し寂しそうだった。
その時。
風が吹く。
スケッチブックから紙が落ちた。
パサッ。
一緒に何かが転がる。
銀色のプレートだった。
ドズルの目が見開かれる。
「えっ!?」
「どうしたんです?」
「それ!」
おらふくんが拾う。
そこには。
『Ⅱ』
の文字。
二人は顔を見合わせた。
「……同じだ。」
「え?」
ドズルは自分のプレートを取り出した。
おらふくんも驚く。
「なんで!?」
偶然にしては出来すぎていた。
そしてその日の夜。
誰も知らない場所で。
おんりーは古い写真を見つめていた。
幼い自分。
父。
母。
そして。
もう一人の男。
顔の部分だけ切り取られている。
「……。」
おんりーの目が険しくなる。
その男こそ。
両親を死に追いやった人物だった。
街の権力者。
人々から尊敬されている裏で。
数え切れないほどの人を苦しめてきた男。
証拠はない。
誰も信じない。
だから。
おんりーは怪盗になった。
真実を暴くために。
しかし。
その代償として。
誰も頼れなくなった。
誰も信じられなくなった。
「あと少し。」
写真を握り締める。
「あと少しで終わる。」
そう呟く。
だがその時。
窓の外で風が吹いた。
まるで誰かが泣いているような音だった。
おんりーは知らない。
運命が動き始めていることを。
ドズル。
おらふくん。
そしてまだ出会っていないMENとぼんさん。
四つのピースが集まり始めていることを。
そして。
自分がずっと一人で抱えてきた痛みに。
仲間たちが手を伸ばそうとしていることを。
まだ知らなかった。
#キャラ崩壊、口調迷子注意
コメント
3件
第1話、読ませていただきました! 怪盗ローズの孤独な姿と、彼を憧れの目で見るドズルさんの対比がすごく印象的でした。特におんりーくんの「俺がやればいい」という口癖に、彼の抱える過去の重みや寂しさがにじんでいて切なくなります…。そして銀の欠片に刻まれたローマ数字が複数登場して、運命が動き出す予感がとてもワクワクしました。続きが気になります!