テラーノベル
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ねぇ、お兄ちゃん。それがお兄ちゃんのサッカーなの?
雷門と帝国が試合するって言ってたから、見に来た時、兄は怖かった。
それがサッカーなの?サッカーって、人を傷つけるものなの?
「お、おにぃ、ちゃん?」
私は泣きそうだった。
お兄ちゃんは、そんなこと、しないって。
サッカーは、こんなに狂気的だったの?
お兄ちゃん、教えてよ。
「おに、おにぃちゃん、」
目から涙が止まらなくて、兄のサッカーで誰かが傷つくのが怖くて仕方がなかった。
もう、純粋にサッカーができないんじゃないか
もう、楽しくて仕方がなかったサッカーが無くなるのではないか。
帝国から出ているバスを見ると、サングラスをかけた怖そうな人が雷門サッカー部のみんなが傷ついていくのを満足そうに笑っていた。
それは兄と帝国のサッカー部の人たちと同じような顔をしていた。
雷門サッカー部のみんなの声が痛々しくて怖くて私は、雷門サッカー部にいるマネージャーの先輩に声をかけた。
「あの!今から入部ってできますか!!!」
私の声に、試合が止まった。
私の顔を見たマネージャーの先輩は、驚いた顔をしていた。
「入部は認められませんよ!?諦めなさい!
まなみさん!!!」
冬海先生の声に、私は体を震わせてしまった。しかし、帝国のゴーグルをかけ、ドレットヘアを後ろでまとめている人が私に言った。
「俺たちは構いません。」
その言葉に、私はマネージャーさんが用意していた12番の背番号が書かれたユニホームを持って近くの女子トイレへ向かった。
試合を止めてしまったことを謝罪し、怪我が多い少林くんと交代して、近くにいる円堂先輩に頭を下げた。
帝国はたしかに強いよ。
でも、でもね。円堂先輩の前じゃ、無理だよ。
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