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放課後の教室に、六人が残っていた。
外はまだ明るかった。廊下に人の気配はなかった。
最初に動いたのは真宮だった。
三島を引き寄せて、口づけた。それを見て、久賀も橘を引き寄せた。池川が加藤の手を取った。
「……今日は、ここで」と久賀が言った。
女子三人が顔を見合わせた。
「……教室で?」と橘が言った。
「ああ」
「……賛成」と三島が即答した。
加藤が池川を見た。池川が小さく頷いた。
-–
## 久賀×橘
久賀が橘を教室の隅に連れて行った。
橘が久賀を見上げた。
「……久賀」
「うん」
「……教室でするの、初めてだね」
「ああ」
久賀が橘の腰を引き寄せた。口づけた。深く、長く。橘の手が久賀の制服の前をつかんだ。
「……んっ、……久賀、……」
久賀の手がゆっくりと動いた。橘の息が乱れた。
「……っ、……久賀、……今日は、……私から、……動きたい」
久賀が少し止まった。耳が赤くなった。
「……わかった」
久賀が椅子に座った。橘がその上に跨った。向かい合わせで。
「……久賀の顔が、近い」
「……うん」
「……恥ずかしい」
「……俺も」
橘がゆっくりと動き始めた。久賀の息が変わった。
「……っ、……橘、……」
「……久賀、……声、出てる」
「……お前のせいだ、……っ、……」
「……知ってる」
橘は久賀の顔を見ながら動いた。いつもは久賀に見られる側なのに、今日は自分が見る番だった。
「……っ、……橘、……橘、……っ、……」
「……久賀、……好き、……っ、……」
「……俺も、……っ、……」
久賀の手が橘の腰をつかんだ。動かすためじゃなくて、つかまるために。
「……っ、……んっ、……久賀、……久賀、……っ、……もう、……っ、……」
「……もう少し、……っ、……」
「……久賀も、……もうそろそろ、……でしょ、……っ、……」
「……うるさい、……っ、……」
「……顔、……真っ赤だよ、……っ、……」
「……橘、……っ、……」
「……中に、……していい、……っ、……」
「……うん、……っ、……橘、……」
「……っ……! ……久賀、……」
「……橘、……っ、……」
久賀が橘をきつく抱き寄せた。
しばらく、二人とも動かなかった。
「……久賀」
「うん」
「……中、あたたかい」
久賀の耳がさらに赤くなった。
「……うるさい」
「……久賀の顔、ずっと見てた」
「……知ってる」
「……可愛かった」
「……黙れ」
橘が久賀の胸に顔を埋めて、小さく笑った。
-–
## 真宮×三島
真宮が三島を窓際に連れて行った。
夕日が差し込んでいた。
「……真宮」
「うん」
「……今日は、私から動く」
真宮が少し目を細めた。
「……好きにしろ」
真宮が窓際の机に腰を下ろした。三島がその上に跨った。向かい合わせで。
「……真宮の顔が、すごく近い」
「……うん」
「……目、逸らさないで」
「……逸らさない」
三島がゆっくりと動き始めた。真宮の息が変わった。
「……っ、……三島、……」
「……真宮、……声、出てる」
「……うるさい、……っ、……」
「……普段、私に言う言葉でしょ」
真宮が黙った。
三島は真宮の顔を見ながら動き続けた。真宮の表情が変わっていくのが見えた。いつもの無表情がどこにもなかった。
「……っ、……三島、……三島、……っ、……」
「……ここにいる、……っ、……」
「……三島、……好きだ、……っ、……」
三島の動きが少し止まった。
「……真宮」
「……なに、……っ、……」
「……もう一回言って」
「……好きだ、……っ、……三島、……」
三島がまた動き始めた。今度はもう少し速く。
「……っ、……んっ、……真宮、……真宮、……っ、……中に、……していい、……っ、……」
「……うん、……っ、……三島、……」
「……っ……! ……真宮、……」
「……三島、……っ、……」
静寂が戻った。
真宮が三島を引き寄せた。
「……真宮」
「うん」
「……中、真宮のだ」
「……うるさい」
でも真宮の腕が強くなった。
「……真宮」
「なに」
「……今日、ちゃんと好きって言った」
「……言った」
「……嬉しかった」
真宮が三島の額に口づけた。
「……また言う」
三島の口元がゆるんだ。
-–
## 池川×加藤
池川が加藤を教室の後ろに連れて行った。
「……加藤君」
「……うん」
「……今日は、加藤君から動いてほしい」
加藤の顔が赤くなった。
「……池川君から言うの、珍しい」
「……加藤君が上になるのが、見たいから」
「……そういうこと、はっきり言うよね」
「……加藤君に、正直でいたいから」
加藤は何も言えなくなった。
池川が椅子に座った。加藤がその上に跨った。向かい合わせで。池川の手がすぐに加藤の手を握った。
「……池川君、……手、握ってくれた」
「……うん。加藤君が安心できるように」
「……ありがとう、……っ、……」
加藤がゆっくりと動き始めた。池川の息が変わった。
「……っ、……加藤君、……」
「……池川君も、……声、出てる」
「……加藤君のせいだよ、……っ、……」
「……私のせい?」
「……そうだよ、……っ、……加藤君が、……上から見てるから、……っ、……」
加藤の顔が赤くなった。
「……そういうこと、……言わないで、……っ、……」
「……本当のことだから、……っ、……」
池川の手が加藤の手を握り直した。しっかりと。
「……っ、……池川君、……池川君、……っ、……好き、……っ、……」
「……僕も、……っ、……好きだよ、……加藤君、……」
「……中に、……していい、……っ、……」
「……いい?、……っ、……」
「……うん、……っ、……池川君のが、……いい、……っ、……」
「……加藤君、……っ、……」
「……っ……! ……池川君、……」
「……加藤君、……っ、……」
池川が加藤を引き寄せた。手を握ったまま、離さなかった。
「……池川君」
「うん」
「……中、あたたかい」
「……うん」
「……池川君は、何も言わないの」
池川が少し間を置いた。
「……加藤君のものだから」
加藤の顔がまた赤くなった。
「……もう」
-–
しばらくして、六人が教室の真ん中に集まった。
それぞれが自分の彼女を引き寄せていた。
久賀が橘の額に口づけた。
「……好きだ」
「……私も」
真宮が三島の頭を撫でた。
「……好きだ」
「……私も。……また言ってくれた」
「……うるさい」
池川が加藤の手を握り直した。
「……好きだよ」
「……私も、好き」
-–
窓の外で、夕日が深くなっていた。
教室に、六人の影だけが重なっていた。
誰かが先に口を開いた。
「……帰らなきゃ」
「……もう少し」
誰もが、もう少しここにいたかった。
部屋の中に、夕暮れの光だけが静かに満ちていた。