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「…、はぁ…」
なぜこんなため息をついているのか。
月曜日で体がだるいというのもあるけど、
1番の理由は、蒼ちゃんがいないから。
どうやら風邪をひいたらしい。
いつもなら、朝から蒼ちゃんの
挨拶が教室に響き渡るのに、
それが今日はない。
それだけでも、ものすごく憂鬱だった。
何とか午前中は乗り切って、今は6時間目。
とりあえず学校が終わったら
蒼ちゃんの家にお見舞いに行く予定だ。
「…〜、お…い、…おい!赤ッ!」
「…へッ…?」
ぼうっとしていたからか、先生の声が
全く聞こえていなかったらしい。
「この問題の答えは?」
…やばい。なんも考えてなかった…。
どうしよう…、隣の蒼ちゃんはいないし…
…黄ちゃんはッ!?
そう思って後ろを振り向くと…
「…すぴ〜…」
…黄ちゃんがぐっすり眠っている。
…なんで!?
いつもあんなに真面目なのに…
「えッ…えっと……4ッ!」
「…違うな。答えは6だ。」
…違った。
やっと学校が終わった。
本当に長かった。
俺は帰りにゼリーやらなんやらを
買ってから、蒼ちゃんの家に向かう。
((ぴんぽーん…
蒼ちゃんの家のインターフォンを
鳴らしたけど、出ない。
その後何回か鳴らしたが
一向に出てくる気配がしない。
諦めて帰ろうと玄関に背を向けた
その時、がちゃ、と扉が開く音がした。
「…!蒼ちゃ…」
振り返って玄関を見ると、
少し開いた扉の隙間から蒼ちゃんが
顔を出していた。
でも顔は真っ赤だし、扉の取っ手に
必死にしがみついているようで、
今にも倒れてしまいそうだった。
「蒼ちゃんッ!」
俺はすぐに蒼ちゃんのところに駆けつけて
体をしっかり抱える。
すると、蒼ちゃんは安心したのか、
全身の力を抜いて俺に体を預けた。
俺はびっくりした。
服の上からでも分かるくらいの
ものすごい熱を感じたから。
これはやばいな…そう思いながら、
とりあえず蒼ちゃんを部屋まで運んで、
ベッドに寝かす。
「…わざわざごめん…ね、…赤…くん…」
いつも以上に掠れた、か細い声で
蒼ちゃんが言う。
「そんなの全然いいよ…
今は蒼ちゃんがほんとに心配だよ…」
俺はそう言いながら、
買ってきた冷えピタを貼る。
「冷た…ッ…」
「あははッ、冷たい?」
蒼ちゃんは少し笑ってこくりと頷いた。
話を聞くと、蒼ちゃんの両親は共働きで
夜まで帰ってこないから、
1人で寝込んでいたらしい。
「…俺に連絡してくれたら
もっと早く行ったのに〜…」
「…だって…迷惑かな…って、」
「…ばか、…そんな訳ないでしょ。」
そう言って、俺は蒼ちゃんの頭を
そっと撫でる。
「…ねぇ、体温計ってある?」
「あ…リビング…かも…」
じゃあ取ってくるね、と
立ち上がろうとした時…、
「まって…行かな…いで…」
と、蒼ちゃんが俺の服の裾を引っ張った。
「一緒に居て…?」
そんなこと言われたら離れられないでしょ…
ほんとずるいなぁ〜、
落ち着いてから熱を測ると、
なんと40度近くの熱がありました…。
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コメント
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頑張って800から1000にしました! 続き待ってます!