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「ッや、……さわら、……ないでっ」
「――っは、こんなに濡らしといて駄目とか嫌なんて言っても説得力ねぇんだよ。ほら、早くしねぇとマジで帰ってくるよ? バレたくねぇなら素直になれよ」
「……っ」
こうなると、何を言っても逆効果。
とにかく今は早くこの行為を終えたい、その一心だった私は抵抗することを早々に諦める。
「……分かった。好きにして……」
「初めからそうやって素直になっとけよ」
私の言葉に溜め息を吐いた彼はスボンのポケットから避妊具を取り出すと、それを私の方へ放り投げる。
そして、ズボンと下着を脱いた彼は私の前に座り直すと「早くしろよ」と言わんばかりの顔で私に避妊具を着けるよう要求する。
初めこそ戸惑ったものの今じゃ慣れたもので、私は無言のまま慣れた手つきでそれを彼のモノに装着する。
「可愛気ねぇなぁ、もう少し恥じらいとかねぇのかよ?」
「……今更じゃない」
「ま、それもそうか。ほら、早くしろよ」
そして準備を終えた私は再び彼に背を向けてベッドヘッドに手を付くと、お尻を突き出すように膝立ちをした。
「――本当、恥じらいねぇな。俺以外の男にもこんなこと平気でしてんじゃねぇの?」
「……してないよ」
「どーだかな」
言いながら彼は私のお尻に触れ、そのまま自身のモノを後ろから私のナカへ挿入する。
「――ッぁあ、んん」
「ま、俺以外の男なんている訳ねぇか。ここはしっかり俺の形に合ってるもんな」
「ッ、」
彼はナカを突きながら、一人納得するように言う。
こんなことする人なんて、一人しかいない。
っていうか、もしも他の男の影があったりしたら許してなんてくれないくせに。
「っあ、……あぁッ」
「――ッ、そんな締めんなよ」
「っ、そんなこと、……ッ」
「――っく、出る……」
「あぁ――ッんん……」
何度となく刺激を与えられた私は、余裕なさ気な彼の声を耳にしながら絶頂に達した。
「――っ、はぁ……、はぁ……っ」
イッたばかりで力が入らず、息を整えている私に彼は言う。
「ほら、さっさと部屋から出てけよ」
行為が済むと、彼は更に冷たい。
優しさ一つ見せやしない、どこまでも最低な男。
「……分かってるよ」
「風呂入るなら早く入れよ、俺もシャワー浴びたいんだから」
「……うん」
返事を返した私は下着を穿いて軽く身なりを整え振り返ることなく部屋を出ると、そのままお風呂場へと向かって行く。
脱衣場に着いて、着ていた物を全て脱ぎ捨てた私の身体には、いくつか赤い跡が付いている。
これは全て、彼が付けたキスマーク。
だけど、
こんなモノを付けたり、あんな風にセックスをした彼とは、恋人同士なんかじゃない。
ひとつ屋根の下で住む、
私よりも一つ年下の義理の弟。
一年前、
私のお母さんと彼の父親が再婚して、
私たちは義理の姉弟になった。
勿論、
私たちの間に恋愛感情なんてものは無いし、
両親にも、
この関係はバレてない。
だって彼は――弟の結月は、
いつだって両親が留守の時や寝静まった夜中に私を抱くから。
「……本当、最低な奴」
そんな風に思うけど、強く拒めない私にも原因があるのだろう。
本音を言えば、拒みたい。
こんな欲望任せの行為なんて、したくない。
だけど、
結月の……男の子の力には敵わない。
初めてセックスをしたあの日、
もっと強く拒んでいれば、
結果は違っていたのかもしれない。
何故私たちがこんな関係になってしまったのか、それは約半年前へと遡る――。