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side未緒
この国に来てから数週間たった。 今日はキアノース国に∴§国の人が来るらしい。
あれからなぜかわからないけどキアノース国の幹部になった。 そして、いろんな人が話しかけてくれたし遊んでくれた。 先輩や他の幹部の人とも仲良くなった。
例外もいるけど、、、
先輩が昨日『明日は大事な外交があるから∴§国の人にあったらちゃんとあいさつするんだよ?あとロゥと自分は忙しいから何かあったら他の人に頼んで。一階の西棟で大切な話し合いがあるから入ってきちゃダメだよ』って言ってた。
さくらがくれたクッキーの袋片手に城の中をぶらぶら歩く。 いつもより城の中が騒がしい。
静かな場所はないか探していると4階に着いた。
いつも通り静かだ。
病室とかがあるから他の階より人があまりいない。 シズさんも暇そうだったから一緒に話してたら「今日は晴れているし外にでも行ってきたら?」って言われた。 最近外が暑くなってきたからあんまり出たくないんだよね。
まだここにいると伝えたらなんか苦笑いしてた。そのあとシズさんが呼ばれちゃってまた1人になった。
仕方ないから外行くか。
外に出てみると少し風が吹いていて気持ちいいが、太陽の光が眩しかった。日差しが強いのでそんなに暑くないはずなのに汗が出てくる。
城の庭にはおもしろいものはなにもないので城の門をくぐり街に行く。
街は今日も今日とて、とても賑わっていて人が多い。ガヤガヤしている話し声に少しくらくらしてくる。私のことを知っている人もたくさんいるので誰かお菓子かなにかくれないかと思ってゆっくり歩く。 大通りの真ん中くらいまで来たとき
ドンッ
誰かに当たってしまって転んだ。 人通りが多いからなかなか立てない。すると誰かが手を差し伸べてくれた。その手をとって立ち上がる。
「すみません。大丈夫ですか?」
上から声が降ってくる。 見上げると180センチは有に超えているであろう男の人だった。その人はスーツを着ていて上ジャケットの胸ポケットのところに見慣れないバッチがついてた。バッチは金色で縁取られている。 私もパーカーにモンステラの形が刻まれている金色のバッチを付けている。 バッチが金色なのはどこの国も共通して幹部だけだ。恐らくどこかの国の幹部なのだろう。 ∴§国の人かもしれない。
「わ、私の方こそもうしわけございません」
突然だったけどちゃんと丁寧に言えたそうすると、男の人は笑って
「いえいえ。こちらこそかわいいお嬢さんを転ばせてしまってすみません。私は∴§国の⁑¢◉∨‖です。以後お見知り置きを」
お辞儀をされたのでこっちも深々と頭を下げる。 そして、やっぱり∴§国の人だった。 きっとあっちも私がこの国の幹部だとわかったのだろう。
「・・・おや。もうこんな時間ですね。では、又どこかでお会いしましょう。」
そういうと、男の人は私が来た道を歩いて行った。
その先には城がある。
あの人が今日狼冥さんや先輩と会議?する人なのだろう。
だんだんと日が昇り気温が上昇してくる。梅雨前だが今年はかなり暑い。だが相変わらず街は賑わい、ごった返している。
そろそろ城に戻ろう。 そう思い来た道を戻ることにした。
sideのん
いつもは着ないような藍色のスーツを着る。鏡の前に立つと慣れないスーツを着ている自分がいた。
このスーツあんまり着ないから変な感じするな、、、
動きやすいようにと言うことを考えてスラックスだけどスーツはやっぱり動きにくい。
今日は大事な外交だ。
普段キアノース国は外交を相手の国でする。
理由は簡単。 キアノース国は人外の国なのでいつ相手の国に何かをされてもおかしくない。だから出来るだけ争いの原因となることを減らそうと言うことだ。 今は人豪主義がまた再ブームらしい。
この前、その国の一つに行った時は酷かった。
右手で狼を作り、左手のチョキでその口のところを挟む。これは完全なる差別のマークである。かの有名なルー•シャスールのシンボルでもある>の中に丸3つはこれからきている。
この世で1番数が多いのは獣人系だ。 大昔は人間を差し置いて地上の支配者だったが、ここ数百年でニンゲンに殺されまくり、残されたものはニンゲンと馴染みやすいようにした結果、ずいぶん退化している。 ルーツは人狼らしいのだが今はもはや違う生き物である。 その狼に口輪をつける。 そんな意味合いのマークであり、人外への意図的な差別だ。 これをめちゃめちゃされた。
人豪主義が活発になっているとはいえ、まだ半数以上の国は人外との共和主義である。 とはいっても、ニンゲンと人外の主従関係が認められているだけで、人外への人権はない。 でも、街の中で人外が普通に歩けるのはいいことだと思う。獣人は人外の中で最もニンゲンとの共存が可能な種族である。結局、共和主義の国では獣人しかいない。
だから外交は大体外交官長である自分と、補佐の風で相手の国に行く。
ロゥはいかない。
人外の国という不思議な立ち位置のため、国のトップがあまり外交に関しては表に出ないということがなぜか許されている。 だけど今回はロゥもいないとダメなやつらしい。
それにキアノースでこの数年外交が行われていない。そろそろキアノースに来てもらわないと他の国から怪しまれる可能性がある。だからしょうがなくキアノースですることになった。
ルイとギンに警備を強化してもらってるから大事にはならないだろうけど
大丈夫かな・・・
今日外交する予定の∴§国は、裏の交易で潤っている国だ。毎日のように違法な取引が行われているようなところなので正直信用できない。最近も⌘国との怪しい取引が確認されている。 ⌘国は人体実験などをしていると言う黒い噂もあるし、第一ハルは⌘国出身だ。120%やばい実験を行っている。 だから極力関わらないようにしている国だ。
その⌘国と取引をしている国となるとあまり関わりたくない相手だ。かと言ってそれで敵に回してしまうと周辺諸国の怒りを買ってしまう可能性がある。 だからここは穏便にことを運びたい。
もうそろそろ時間だね
いつも着ている黒色のカーディガンからモンステラのバッチを取り真新しいスーツにつけた。
部屋のドアを開けて廊下に出た。今日はみんな自分の持ち場に行っているらしく静かだ。 一階に降りていくともうロゥが待っているようで、静かに正面門の方を見据えている。
「そろそろ来るよ」
ロゥの横に並ぶとそう言われた。 心なしか少し疲れているように見える。
・・・まぁそうだよね。 自分もあんまり気が乗らない。
そうこうしているうちに∴§国の人が来た。
金色や赤色といった派手な色使いの馬車には細かく装飾が施されている。そこから降りてきた国王と思われる人物は 豪華な服を身に纏っていて、己の権力を見せびらかすようにジャラジャラと装飾品をつけていた。
「本日はお越し頂きありがとうございます」
形式上ではあるが一応ちゃんと挨拶をするロゥを横目に見ながら自分も会釈をする。
「いえいえ。こちらこそ無理言って押しかけて申し訳ない。」
あちらも作り笑いで頭を下げ、ロゥと握手をした。
来たのは2人。 そのうちロゥと握手したのは言うまでもなく着飾っている方だ。 そして、もう1人は護衛だろう。 表情が固く、目を仕切に左右させていることから警戒していることがわかる。
「ではご案内致します」
今回は自分が案内しなければいけない。 ∴§国を信用できないからだ。
城の中を先導して歩き一階の会議室まで案内する。会議室に入り、両国は向かい合うようにして座った。
「では_」
今後の交易などの他愛もない話し合いが続いていく。 ひと段落終わったところで∴§国の護衛が口を開いた。
「・・・ここに来るまでに魔法使いの少女を見かけたのですが、あの子はどこで保護なさったんですか?」
この質問に違和感を覚えた。 明らかに目つけられてるな。
「√∮国近隣の小さな村です。」
簡潔に答える。 すると、∴§国の2人は互いに視線を合わせると向き直って
「恐らくその魔法使いは国で保護していた子でして、数年前に逃げ出してしまったんです。」
「・・・」
なので、と続ける
「お返ししていただくことはできますか?」
・・・まるで物か何かだと思っているような言い回しだ。
つい数日前キアノースの情報を抜こうとしている奴がいた。叶にそいつのことを調べてもらったがどうも、未緒と未雨のことを探っていたようだった。
なんであの村にいたのか、白いニンゲンに心当たりがあると聞いた時、未雨は黙っていたけど訳ありっぽかったし、元々どこかの国に渡すだなんて考えてない。
「すみません。私が保護したわけですし、キアノース国の大切な国民なので渡すことはできません」
断る。 さぁどうくるかな。
「そうですか。わかりました。」
あちらは申し訳なさそうに頭を下げた。
・・・カチャ
束の間金属の擦れる音がした。 ナイフが擦れるような・・・
あ、ロゥに警告・・・
・・・まぁいっか!!ロゥ は目いいから大丈夫でしょ!
いつもの楽観的思考でこの国の総統に危険を知らせるのをやめた。
ロゥならどんなに油断しててもいけるっしょ。 ロゥだって自分と五分五分くらい強いんだから。 護衛なんて正直いらんやんーーーーーー
シュッ
突如自分の頭上を刃物が通過する。 次の瞬間椅子から離れて上に飛び、続く2回目の攻撃を避ける。
普通のヒトよりかは速いかな。 でもロゥと自分には追いつけないだろう。
上に飛び退いた後に距離を置いたところに着地する。 隣を見やるとロゥも軽く攻撃を避け自分の隣に来た。
んー、、、 こうなっちゃったらもう国に返してあげられないね。このヒトたち。
「ロゥ。戦闘許可」
ロゥを横目に見ながら言う。
他の幹部もだがとりわけ自分は許可を取らないと戦闘してはいけない事になっている。 例外もあるけどね。
「、、、了承w戦闘を許可する」
なんか笑ってるし、、、
あ・・・そうだ。 とロゥが付け足す。
「殺すのは禁止で」
「りょーかい」
背中の方に隠していた短刀を抜く。 ロゥも戦闘体制に入った。
タンッ
地面を強く蹴って護衛のヒトとの距離を縮め、間合いに入ると同時に峰打ちで振りかぶる。 首めがけて一直線に近づいてくる刀をなんとか避けているのを見て、はてなと思う。
あれ?ちょっと自分速いか。相手を買い被りすぎてたな、、、フェイント使うまでもないじゃん。
先程避けた刀に意識がいっているところで足を払って転ばせる。 別に蹴って気絶させるでもよかったけど、さっきロゥが言った言葉の意図がわかったからやめておいた。 床に転がったニンゲンに再度刀を向ける。 が、運悪く頭を打ってしまったようで気絶していた。
短刀をしまい反対側を見ると、 ロゥがかなりボコボコにやっつけてたので苦笑する。
「ひとまずおけ?」
「そうだね。これ持ってって誠と優海に渡そう」
それにしても、、、
「ロゥ随分ボコボコにしたねぇ」
なんなら少し同情してしまうような惨事に片方の眉を下げる。
「・・・いやなんか思ったより弱かったから。手加減ミスった」
なるほど。 やっぱりそうだよね! なんか異様に弱いよ
「ん〜」
後で叶にでも調べてもらうか。 まぁそれは置いといて、、、
「この後どう説明するん?」
襲いかかってきたからって言う理由で周辺諸国に信じてもらえるかどうか。
「それはー」
後で考えよう! と言うことでこの使者達の対処を最初にしよう。
部屋の外がドタバタし始めたな。 そろそろみんな来るだろう。
こいつらはとりあえずギンとカイに渡して情報を全て吐き出させる。
それと・・・・・・ ・・・考えすぎか。
よーしこれからしばらく忙しくなるぞ〜
コメント
1件
読了しました!未緒ちゃんが街で出会った∴§国の幹部、あの「またどこかで」って台詞がすごく気になります…。一方ノンさん視点では外交の緊張感がひしひしと伝わってきて、護衛のナイフの音にゾッとしました。ロゥとの軽妙なやり取りと戦闘のテンポが絶妙で、次回が待ち遠しいです!