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秀斗「でもどうやって尾行なんか?ここ意外と広いからモリピー達の居場所も分からないんじゃ」
涼香「こうするの」
スマホを取りだし双葉に電話を掛ける。数回コールが鳴り双葉の声が聞こえてきた。
双葉「もしもし?涼香ちゃんどうしたの?」
涼香「双葉達は今どんな感じ?」
電話越しに人の声と微かに水の音が聞こえてくる。
双葉「今私達金魚すくいしてるの。あ、もしかしてもう皆揃ってる?」
涼香「いや、そっちの方が人少ないかなって気になって。 まだ皆集まって無いみたいだからゆっくり楽しんで!ね!」
双葉「?わかった」
電話を切ったあと、この神社で見た金魚すくいを全て思い出そうと必死に頭をフル回転させる。
涼香「ん〜………どこだっけ?」
秀斗「あ、そういえば微かにだけど太鼓の音がしなかった?」
涼香「え?太鼓の音?」
スピーカーにしてたので秀斗も聞いていたが太鼓の音までは気付かなかった。
涼香「太鼓…?!あそこだ! 」
秀斗「あそこって何処?それに太鼓なんていっぱいあったよね?」
涼香「太鼓がある場所、それでいて微かに聞こえる場所。あれだよ、きっと」
秀斗は指差した先に視線を向ける。
秀斗「あれって……櫓?」
そう、この祭りでは他とは珍しく高い櫓を使った太鼓の演奏とその周りを囲む盆踊りが主流なのだ。
微かに聞こえたのは上からの太鼓の音とそこから少しだけ離れた場所に居るのだろうと推測したのだ。
涼香「行こう!ここからそう遠くは無いはず!…?!」
踏み出そうとした瞬間腕を掴まれて引き止められた。
振り返った先の秀斗の顔には眉間にシワが寄っていた。
(あれ?…怒ってる…?)
涼香「私何かしちゃった?」
秀斗「涼香ちゃんはそうやってすぐに行動するでしょ。
でも、この先の人混みの中を一人で突っ走ったら迷子になるのは確定だ。だから…」
そう言うと秀斗は腕から手を離し、私の手を強く握った。
秀斗「これならはぐれないでしょ」
その瞬間顔がぶわっと熱くなるのを感じた。
涼香「あっ…いや、ち…ちょ待…」
秀斗「行くよ」
手を引かれるがまま私は既に双葉達の事が頭から抜け落ちており、今この状況しか考えられなかった。
(確かにはぐれないけど…
これは反則でしょ!)
人混みを抜け金魚すくいの近くまでやってきた。
涼香「はぁー…はぁー…」
秀斗「ごめん!下駄なのに走らせちゃったね」
涼香「だ、大丈夫…それより手離s」
秀斗「あっ!もしかしてあれかな」
このままじゃ私の心臓がもたないので手を離して貰おうとしたが秀斗の声でかき消される。
目の先には射的屋に並ぶ二人がいた。
モリピー「双葉は景品の中に欲しいのある?俺が取るよ!」
双葉「いいの?じゃあ、あのピンクのクマのぬいぐるみが欲しいなぁ」
モリピー「任せろ!」
(会話してるけどここからじゃ話の内容が聞こえない)
涼香「もっと近くに行こう」
秀斗「ちょっと待って。おじさんこれ2つ下さい」
おじさん「まいどー!」
秀斗「はい、これ付けて」
秀斗は狐のお面を二つ買うと一つを手渡した。
私は白で秀斗が黒。
涼香「ありがとう」
秀斗「これでバレないね」
涼香「……… うん。そうだね」
お面の隙間から笑いかけるその顔に胸を打たれた。
照れる顔をバレないようにお面で隠す。
(き、切り替えなきゃ!
集中!目指すはカップリング成功だ!)
涼香「行こう!」
射的屋の列に並び二人を伺う。
(クマのぬいぐるみを狙ってる…?)
秀斗「きっとモリピーが双葉ちゃんにプレゼントしようと狙ってるんだよ」
涼香「頑張れモリピー!」
だが、玉は一個も当たらずクマのぬいぐるみはプレゼントできなかった。
しょんぼりしたモリピーを双葉が優しく慰めながら店を離れて行く。
涼香「追わないと!」
秀斗「行こう」
列から離れモリピー達を追うが先程より人気が多くなったせいで二人が人混みに紛れてどんどん遠くなってしまう。
涼香「見失っちゃう!」
秀斗「こっち!」
秀斗に手を引かれ人気の少ない脇道に逸れ二人を探す。
しかし、モリピー達の姿を見つけることはできなかった。
秀斗「そろそろ戻ろっか」
涼香「……うん」
(このまま二人を探すとなると時間も掛かるし諦めよう)
ぐぅぅぅ…
涼香「…///」
秀斗「沢山走ったからお腹空いたよね(笑)何か買って行こうか。何食べたい?」
涼香「焼き鳥!」
私達は腹を満たす為近くの焼き鳥屋に訪れた。
買った焼き鳥を食べながら集合場所に向かう。
涼香「秘密基地なんて何年ぶりだろ」
秀斗「まだ残ってるかな。管理人に撤去されてないといいけど」
涼香「そうだね〜。皆でタイムカプセル埋めたっけ 」
秀斗「懐かしいなぁ、何入れたっけな」
思い出話をしているうちに集合場所の入口までやってきた。