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友達の健二(けんじ)と喧嘩した颯介(そうすけ)。その放課後のこと…
「あぁ!クッソ!まだイライラしやがる…」
1歩1歩に力を入れて歩く颯介。どうやら、昼休みに仕事を押し付け合った結果、喧嘩してしまったらしい。
「アイツが悪いんだろ!アイツが…」
その時だった。
キキーッ!!ドガン!!
ブレーキの高音と鈍い音が辺りに響き渡る。どうやら赤信号を渡ってしまったらしい。
「は!?お、俺…死んでる!?」
その時、背後から重優しい声がした
「うん、そうだよ。……ねぇ、私について来てくれない?もしかしたら貴方が今最も嫌いになった人に復讐出来るかもよ?」
振り返って見ると、そこには俺より身長の低い女子がいた。うっすらと水色になっている。
「んだよ、お前…それに復讐って……?」
「ついて来てくれたら分かると思うよ」
そう言ってそいつは俺に向かって手を伸ばした。ついていきたい。そんな気持ちが俺の全身をかけめぐった。そして……伸ばされた手に自分の手を乗せた。その時…
視界が真っ白になった。
「…ここは天国か?あぁ、復讐とか何やら行ってたけどアイツも天使だったんだな。地獄行きよりかはマシだが。」
…しかし、だんだん背景が見えてきた。薄だいだいの砂浜、青黒い海、空から降る雫形の宝石……目の前の女。
「目が覚めたみたいで良かったよ。突然だけどこの人形を海に投げてくれないかな。別れたカップルが思い出のネックレスを捨てるように、あなたも憎い相手の思い出を捨てるんだ。」
そう言って渡されたのは、健二によく似た人形。見ているだけで気持ち悪い。憎い。憎い。
「え、えい!こんなもの…!!」
そう言って俺はその人形の片腕と頭を千切って海に投げた。
「…あ〜その方法があったか〜……」
すると水色で透きとおっていたそいつの体に色がついてはっきりした。それと同時に幼稚園児ぐらいに縮んだ
「海を見てごらん?」
さっきまで青黒かった海に、健二の姿が映し出された。何か独り言を呟いている。
「…今日、颯介に酷いことしちまったな。明日絶対謝んなきゃ。」
そう言って健二が赤茶のレンガの道を走り出した。そのとき…
ガコーン!!
健二の頭上に、腕に鉄の板がものすごい速度で落ちてきた。千切れている。もう生きていないだろう。俺はこれを現実だと認めたくなかった。謝ろうとしていたなんて。
「こ、これって…あぁ、ああああ!!!!」
泣き崩れる俺に追い打ちをかけるようにそいつは言った。
「あ〜あ、そのまま投げれば生きてたかもしれないのに。」
…No.3 すいむ
〜〜 英美里(エミリ) 死亡時:6歳 死因:喧嘩中の転落死
嫌悪感に溢れている人間をあう星に連れてくる。自己嫌悪、嫌悪の感情を好む。頭にくらげを乗せているのが特徴。取ると目の働き、知能が下がるらしい。