第75話 「ひとときの夜デート」
「……」
「……」
夜遅く、駅内のカフェに残された鞘佳と楓。
(と、と、とりあえず! 飲み物を、飲もう! うん!)
一気に飲みきった秋吉とは違い、鞘佳の飲み物はあたたかい。
手に持ったカップはじんわりとあたたかく、ゆっくり口を付ける。
紅茶とミルクの香りが口内に広がり、鼻を抜けていく。
(……おいしい)
急な展開にぐるぐるし始めた頭の中が、逆に冷めていく。
(冷静に考えれば、べつに藤堂の店で一緒にご飯食べるのと変わらないよね)
ならば――気を取り直して、鞘佳は笑顔で話しかけた。
「そういえば、藤堂くんさ」
「なんだ」
「いつも帰り、この時間なの? だったら今まで会わなかったのが不思議な感じだけど」
「いや。今日はたまたま早上がりでな。普段は閉店後の仕込みも手伝うからもっと遅い」
「あ、じゃあたまたまだったんだね。今日会えたの*************
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