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駆けつけたお店は既に閉まっていて、彼がその前に心もとなげに佇んでいた。


「カイ…」


声をかけると、ふっと上げられた顔は、瞳がにわかに潤んでいるようにも感じられて、今にも泣き出しそうにも一瞬見えた。


「何があったの?」


気づかわしげに問いかけると、


「悪い……ちょっとこっちに来てほしい……」


彼が先に立って歩き出して行った。


夜遅いひとのない公園へ、重たげな足取りで入って行き、街灯の点るベンチの下に肩を落として座るそのただならない様子に、隣に寄り添うように腰を下ろすと、


「本当に、何があったの?」と、もう一度尋ねた。


カイからは、いつもの近寄りがたいような雰囲気は微塵も感じられず、ただもの寂しく儚げな感じだけがまとわりついて見えた。


「……悪い。急に呼び出したりして……」


顔も上げないままで、カイがボソリと言う。


「……あんたしか、思いつかなかった……」


「うん…」とだけ頷くも、あのカイが、そんな風に自分を思い出してくれたことが、少なからず嬉しくもあった。


しばらく間をあけて、彼の口から、


「……。……俺、もうバンドを……」


と、一言が絞り出された。


「バンドが…どうしたの…?」


いたわるような思いでその先を促すと、


「……俺…もう、バンドを、やめたいんだ…」


そう途切れ途切れに、カイが告げた──。


「えっ……」と、声を詰まらせる。彼の急な告白に、戸惑いが隠せなかった……。

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