今年もやってきた予算会議の日 。
やや緊張や緊迫した状況の会計委員会に伴い
躍起とした他の委員会の姿が見られた
そんな様子を 、卒業生達は懐かしく
また 、羨ましく屋根裏から聞いていた。
体育委員会
『さぁ!我が体育委員会は六年生が居ない
だがしかーし!!この平滝夜叉丸が
体育委員会委員長代理をすることによって
今回の予算会議では予算全てが通ることに
なるだろう!!なぜならこの私___
「あ、一年生 .. これ聞かなくても大丈夫だから」
『なっ 、三之助!!!
一年生に変なことを教えるんじゃない!!』
「まぁまぁ 、落ち着いてくださいよ 。」
『シロまでッ…..』
「滝夜叉丸先輩 、予算会議がんばりましょう!」
『〜っ!!!!』
『そうだなっ金吾〜!!!!』
私たち体育委員会は
この平滝夜叉丸がいる限り 、
決してひるむことなく 、
優雅に予算を頂けることだろう
そして別件で、ひとつ心配なのは
我が同室の綾部喜八郎の委員会 。
作法委員会がどうも心配であった
彼は立花先輩が去って以来 、私と同様
作法委員会の委員長代理となった 。
ヤツはとんでもなく飽き性で 、天邪鬼で
とても委員長代理が務まるとは思えない
後輩である藤内に 、健闘を祈ることしか
為す術なしということだろう 。
保健委員会
『さぁみんな!予算はこの保健委員会が
がっぽり貰ってきちゃおう!!』
「 「おー!!」 」
「あれー?
善法寺先生も一緒なんですかぁ?」
『本当は 、任せたかったんだけど 、
まだ数馬が四年生って言うのもあるし 、
何より不運で何が起こるかわからないからね』
「そうだよ 、一年生 。
この委員会は….不運委員会、、、、、」
「もー伏木蔵っ!!そんな事言わないでッ」
「まぁまぁ 、ほらっ!気を引き締めて!」
僕 、善法寺伊作は昨年にこの忍術学園を
卒業生として出ていった 。
………が 、またなんという不運で 。
僕の勤め先であるとあるお城が使い物に
ならなくなってしまっていた 。
職を失ってしまった僕は 、
仕方無く忍術学園に戻りいまはまた学園で
今度は教師として働くことになった
そんな僕が 、心配しているのは
保健委員会のことだけじゃない 。
五年い組 、綾部喜八郎のこと 。
彼は 、委員長代理として彼なりに頑張ってて
でも無理をしすぎている節があった 。
それでも彼は動くものだから 、頭を抱えた
今回の罠だって 、流石のものだった
だから 、その頑張りの分 。
心配が出てきてしまう
用具委員会
『よぉし!お前ら!!
これは勝負だー!!気合いを入れろよ〜!』
「 「 はーい! 」 」
『いい返事だ!!よし 、作兵衛 !
俺達が先陣をきって 、一番に予算を貰おう!』
「はい!!…..あ”
一年生共ッフラフラほっつき歩くなよ!」
「富松先輩ったら怖!怖!!!」
「しっ!しんベヱ声がでかいよぉ?」
「一年生も 、予算会議でチビらないようにね。」
「聞こえてるぞしんベヱ、喜三太ぁ」
今日もいい予算会議日和だ!!!
委員会のみんなも元気で何より!!!
でも 、どこかモヤモヤがある 。
そして 、その中で一番に浮かぶのが
喜八郎だった 。
きっと 、喜八郎が心配なのかもしれない
あいつも俺と同じ委員長代理で同じくらい
大変な思いをしているから 、
勿論 、他の五年生も心配だけど ..
やっぱり喜八郎はもっと心配なんだ 。
だってそれは 、、
喜八郎が好きだから
火薬委員会
『よし、皆 … 準備はいいかな 。』
「も〜久々知くんは不安がり過ぎっ!!」
『そ、そうかな、、でもやっぱ…』
「なーに弱い気になってるんですか!」
「がんばりましょう!!」
『…みんな 、そうだね 。頑張ろう!』
後輩み勇気づけられるなんて 、
委員長として 、い組として情けないな 。
なんて 、自分のことばっかり考えて居るけれど
綾部はどうしているかな 。
去年 、俺も委員長代理を経験していたから
あの辛さはよくわかる 。
でも 、綾部のことだから ..
そんな心配は要らないんだろうな
だけど 、何かあったら遠慮せず 。
俺に … 頼って欲しいと思う
生物委員会
『よーし!お前ら!!予算会議へ出__
「竹谷委員長!大変ですッ
狸のオハマンが抜け出しました!」
『なに!?!
それは大変だ 、急いで探そう!!』
「はい!!」
「ちょ 、一年生!その檻はちがッ!!」
『あ〜!!!!!!!』
予算会議当日早々とても騒がしいが 、
それでこそ生物委員会 。(笑)
って、笑ってる場合じゃない!
オハマンが、オハマンが抜け出したっ
もし勘右衛門と鉢合わせてしまったら、
どっちがどっちか分からないじゃないか!?
はやく見つけ出さないとっ!!!
そう考えているはずなのに 、なぜか頭の片隅から
喜八郎が頭から抜け出せなくなっていた
別に 、理由がわからないわけじゃない 。
喜八郎を好きなのだから 、当たり前の事だけど
せめて 、予算会議くらいはこの
胸の騒々しさは如何かと思うけど!?!
学級委員長委員会
『んー、あんましうちの委員会は
予算とか要らないんだよなぁ』
「ま 、お菓子代って思えば良いだろう」
「 「 お菓子っ!!! 」 」
「一年生はお菓子で釣れる、、メモメモ 。」
「庄左ヱ門は相変わらずだね 。」
別に 、学級委員長委員会は委員長とかない
学園長の補佐をしたり 、無理難題な命令を
遂行したり 、通達したりするのが仕事だから
だから 、今年の予算会議も適当に頑張ろう 。
そう考えていたけれど 、昨年は作法委員会に
まんまとかかり 、金楽寺に辿り着けず終い
だから今年度はそうはさせない 。
絶対にS法委員会に勝って 、あの喜八郎の
悔しそうな顔を拝んでやる 。そう決めた
図書委員会
『まぁ 、最善は尽くそうね 。
僕達は変な予算案とか作ってなかった筈だし』
「ですね〜!!!やってやりましょう!」
「一生懸命頑張りましょう……」
「新しい一年生も加わったんです!
二年生も!気合い入れていこうよ!」
みんな頼もしいなぁ 。僕も頑張らなくちゃ 。
そう思い 、気を引き締めた 。
すると 、ふと喜八郎を思い出した 。
喜八郎 、予算案を僕に相談してきたっけ
「ここの白粉は 、この資料によると__」
『あぁ 、でも___』
役に立てたかは分からないけれど 、
喜八郎が僕を頼ってくれたことが何よりも
嬉しかった 。
僕にそんな重役を任せていいのか 。
なんて思っていたけど 、他のみんなより
一歩リードしているみたいで
とても嬉しくて幸せだった
だから 、今回の予算会議も
上手くいくといいな 。
会計委員会
『お前ら 、元気してるか 。
気を引き締めて臨んで行けよ』
「はい!!ギンギンです!!!」
「こら〇〇!ギンギンじゃない!
元気してるか。だ!」
「それじゃあ前会計委員長みたいだ 、笑」
この様子じゃあこの後起こることにも
なんとかやっていけそうか 。
なんて思いながら 、
各委員会の予算案をもう一度目に通す
こいつら 、舐めてるだろう 。
なんて考えていると 、やっぱり何度見ても
作法委員会に目が止まってしまう 。
忍者にとって 、私情は要らない 。
けれど 、どうしても私は喜八郎に甘いみたいだ
やや丸っこくて 、でも綺麗な字で
とても読みやすいものであった 。
年々綺麗に仕上がっていく彼に 、
心配と胸の鼓動が増えていく一方だった
だからといって 、予算会議は予算会議 。
委員長代理であるこの田村三木ヱ門が
完璧で正しい予算をお通ししてやる
作法委員会
「綾部先輩〜っ」
『おやまぁ 、×× .. 廊下では走らない 。』
『あと 、急に抱きつくとびっくりするよ』
「あ!ずるーい!!僕も!!」
「ぼ、僕だって!!」
「俺もっ!!
…..って違う!今日は予算会議ですよ!」
『….おやまぁ 、そうだったね』
「安心を!浦風先輩ー!
昨日僕の絡繰と綾部先輩の罠を
たっっっっくさん仕掛けました!!!」
「お、おぉ、おぉお!!」
『ねーへいだゆう 。』
『それに 、今回の予算案は
不破先輩と作ったから 、きっと大丈夫』
「他力本願….」
『んー??わかんないなぁ』
まぁ 、僕たちなら大丈夫だよー
そう伝え 、僕が先陣を切り
颯爽と作法室をでた 。
今日はとても暑くて 、金楽寺になんて
行きたくもないくらい暑かった
でも 、今日 .. というかこの予算会議で
僕は名誉挽回をしたい
みんなが僕を下に見すぎて 、
僕に委員長代理は無理だと思っている 。
僕だってもう五年生なのに 、
心配心配うるさいから 、今回の予算会議で ..
僕も優秀さをわかってもらわないとね
『だから 、楽しみにしててくださいね』
『立花せーんぱいっ』
「ふっ 、流石だな .. 私の喜八郎は 。」
____________________
「……今回の予算会議は、、」
“ちょっと待ったああ!!!!!!”
続く
コメント
4件
気になるよおおおおうわああああああん
うわぁぁ! 続きが気になる〜〜( ´›ω‹`)💕