テラーノベル
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今日は、同じ一日をなぞらない
そう決めていた
目を覚ました瞬間、装備の位置、外の足音、
すべてが昨日と同じだった
装備を整える順番を変える
集合時間を数分遅らせる、
射撃位置を意図的に前へ出す
遠距離部隊の副隊長として
規定違反にはならない、
だが昨日とは違う判断
それだけでよかった
敵影を捉え、照準を合わせる
その瞬間、視界の端に味方が入る
顔が見えた
塗りつぶされていたはずの輪郭が
曖昧なまま露出している
歪んでいる
目と口の位置が合っていない
表情として、成立していない
見てはいけない
そう直感する
視線を切り、引き金を引く
弾が外れた
修正しよう、もう一度だ
次の瞬間
想定していなかった方向から砲撃された
前に出した配置が完全に裏目に出ていく
通信が乱れ、被害報告が重なる、 連携も崩れ
本来防げたはずの損失が 増えていく
ついに撤退命令が出た
煙の中、倒れる隊員、また顔が見える
今度は溶けている、輪郭が崩れ、
液体のように垂れ、人の形を保っていない
喉が締め付けられる
顔を見ることが恐怖になる
認識するだけで吐き気がする
基地へ戻る、戦況は明確に悪化していた
記録上の原因は不明
だが分かっていることがある
“いつも”に抗った、それだけでこの結果
夜、一人で座る
目を閉じても歪んだ顔が浮かんでくる
見るな
そう思うほど像は鮮明になっていく
次の瞬間、意識が落ちる
また同じ朝
抵抗は、失敗した
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