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ある休日の朝。心地よい光が窓から差し込み、部屋全体にその色を撒き散らしていた。重いまぶたを開け、1人の少女が目覚めた。体を起こし、息をめいっぱい吸い込んだ。背筋をグッと伸ばし、立ち上がってもう一度息を吸い込んだ。「………なんかやることあったかな…。」独り言はクーラーの音にかき消された。
清々しい程の晴天が、風の通る音と共に感じられた。静かな部屋で1人ペンを走らせ、とっくに覚醒しきった頭で考えた。ふと時計を見ると、既に3時間は経過し、窓からの日差しは強くなっていた。少女はペンを置き、休憩だ、と飲み物を取りにキッチンへ向かった。部屋は、開けっぱなしの窓から車の音が聞こえるだけだった。
日は沈みかけ、電柱の影が異様に伸びていた。汗を流し、荒い息のまま風に当たった。近くの木陰に座り込み、水を口にした。道路を走る車は少なく、時折目の前を人が通るくらいだった。「…あとちょっと!」少女は気合いを入れ直し、勢いよく立ち上がった。反動で立ちくらみがした。回復した体で再び地面を蹴り、風を切って、意気揚々と去っていった。
明るい部屋から見る窓には、自分自身の顔が映った。1日働いた体はほぼ限界を迎え、頭を項垂れてはハッとして元に戻った。あくびを1つしてゆっくりと足を動かし、ベッドへ向かった。布団に潜って目を閉じれば、今すぐ寝てしまいそうな心地良さに襲われた。暗いまま、段々と体の力が抜け、意識が薄くなった。
こうして彼女の休日は終わりゆく。今日と違う明日に夢を膨らませ、そして未来に花を咲かせる。環境に恵まれ、不自由ない平凡な暮らしを幸せだと感じることが出来る。素晴らしい少女だ。
頭は良いし、運動もできる。心身に悪いところなんてどこにもない。だが、彼女は欠陥少女だ。