※グクくんとテテくんのお話になります。
「テヒョンイヒョン」
「んー?」
「これ食べて良いですか?」
「あ〜、駄目だよ。それは僕が食べるやつだから」
「…じゃあ、こっちのラーメンは?」
「駄目駄目〜、僕が食べるやつ」
「…このお菓子!」
「駄目〜、食後に僕が食べるやつ」
「………お腹空いた!!」
朝から撮影と打ち合わせ、お昼なんて食べる暇もなくレコーディングに入り、やっと宿舎に戻ってこれたのに…一口もくれないテヒョンイヒョンに腹が立ち、他のヒョンに助けを求めようと後ろを振り返るも、誰もいない。…そうだ、皆部屋に戻っちゃったんだ…自分で作れって?嫌だよ、疲れたし面倒臭いもん!
「ヒョン〜、お腹空いた……」
「僕だってお腹空いたから食べてるんだよ?それに、頑張って自分で用意したんだから」
「一口くらい良いじゃないですか」
「やだよ、下っ端は甘やかすだけだと碌な奴にならないって聞いたし」
「……誰から?」
「神様」
…こりゃ駄目だ。不機嫌な僕の事なんかこれっぽっちも気にせず、鼻歌を歌いながらラーメンを口に詰め込むテヒョンイヒョン。…そのラーメン、残り一袋しかなかったやつじゃん。僕も狙ってたのに……
「……そのラーメン、もうストックないじゃないですか」
「うん、最後だった」
「……僕も、それ食べたかった」
「今度、ジンヒョンの買い物に付き添っていけば?そしたら買えるんじゃないの?」
「……今食べたい!!食べたい食べたい食べたーい!!」
こうなったらマンネだからこその特権である、駄々こねを発動するしかない!テヒョンイヒョンが食べれないように右腕を掴んで振り回せば、ため息が聞こえてきた。少しは効いたか?
「仕方ないなぁ……愛嬌してくれたら良いよ」
「……愛嬌?」
「はい、いくよ!3、2、1!」
「…ぷいん!」
「微妙だなー、もう1回!3、2、1!」
「ぷいぷいん!」
「…何だ、そんな程度か…無理だな」
「……これで駄目はヒョンが意地悪なだけですよ」
僕がこんなに愛嬌したのに、そんな程度だと?ジミニヒョンなら良いよ〜ってくれてたはず。やっぱりこのヒョン、ケチだ!いっその事奪い取ってやろうかとも思ったが、思った以上に空腹の限界がきてるらしく、そんな元気は出ない。
「………じゃあ、水で我慢します………」
「水?自分で作れば良いのに!まだ他のラーメンあったでしょ?」
「お腹空いたんですってば……うぅ……ひもじい……」
「………もう!これじゃ僕が弟の事いじめてるみたいじゃんか!…仕方ないな、一つ言う事聞いてくれるならあげる」
「!、聞きます!何!?」
いじめてるみたいじゃなくていじめてるじゃん、という本音はあえて言わず、テヒョンイヒョンの方を向いて次の言葉を待つ。朝までゲームに付き合えとか?そんなんでラーメン貰えるなら全然やる。
「……キスしてよ」
「………ん?」
「だから、僕にキスして。そしたらあげる」
「……………ヒョン」
「…なーんてね!嘘だよ、明日の朝までゲーム「そんなんで良いんですか?」……え?そんなんって………っん………!」
キスしてだなんて……恋ではないけど…好きな人ではあるから。愛情表現の一つなわけだし、全然問題ない。僕は躊躇なくテヒョンイヒョンの両頬に手を添えると、整った唇に自分のを合わせる。…ラーメンの味がする。
「………ん……」
「はぁ………」
「……ラーメン食べても良いですか?」
「……え?あ…うん……」
「ありがとうございます!いただきます!……ん!美味っ!」
自分で言ったくせにポカン、としているテヒョンイヒョンを不思議に思うも、やっとありつけたラーメンの味を脳に記憶させる為にしっかり噛む。久しぶりに自分の中でヒットした味かもしれない。今度買わなきゃ。
「……ねぇ、グガ」
「ふぁい?」
「……さっきの事、他のメンバーには話さないでよね」
「……?、何でですか」
「……さっきのは、僕にしかやっちゃ駄目だからね」
「………え?何で「それ、全部食べて良いよ。僕部屋戻る」……はい………」
パタン……
…何でテヒョンイヒョンにだけ?その理由が分かるのは、このラーメンのストックを買いに行った後の話……
コメント
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ふふふ…可愛い…⭐︎ 尊いですね、いや〜本当に口角上がりまくりです⤴︎ グテも良いですよね💕 最高でした! これからも更新、ご自分のペースで頑張ってください!ᕦ(ò_óˇ)ᕤ