蘭sid
この2人を見ると能天気で良いなって思う。
別にこうなりたい訳じゃないけど、よくそんなふうに居れると思う。
「 バカみたい… 」
僕は目を逸らしてサービスエリアに入る。
深呼吸をして8秒間。
最後のカウントでボールを高く上げてサーブを打つ。
そのボールは、見事サービスエス。
「 あぁ、ナイス蘭くん 」
「 すごいじゃーん! 」
三波さんも錬さんもそう言ってくれる。
あぁ、もう一回か。
なんかしんどいな。
バレーってなんかしんどい。
もしかしたら僕はバレーが好きじゃないのかも、嫌いなのかも。
知夏がやってるからやってる…?
僕は知夏のついでなのか?
「 あぁ…ムカつく 」
サービスエリアでの4秒目。
僕はサーブを打った。
焦りが現れたのか僕は場外ホームランをしてしまった。
「 …お前、調子悪いなら言えよ 」
飛和にそんなこと言われるとなんかもっとムカつく。
「 そんな事ないから。それより自分のこと考えれば? 」
はーなんだろう。
今日はなんかダメな日かも。
もう全部投げ出したい。
この試合もどうだって…
「 蘭…!!勝つんでしょ!! 」
聞きなれた声。
聞こえた方に顔を向けると半泣きの知夏が居た。
「 勝って、美味しい晩飯食べるんでしょ!! 」
あぁ、そういえば昨日そんな話したなぁ…
ばか、あいつ本気だと思ってんの?
まぁでも本気じゃ無かったらここまでバレー続けてないか…
心のどこかではバレーに真剣なんだろな…
知夏も半泣きなのも意味わかんない。
ばか、勝つからそこで見てなよ。
第一セット。26-28で烏野の先制。
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