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あれ以降、亮の仕事も9時〜5時と安定し、
早く帰って来るようになった。
舞の気持ちも穏やかに過ごせるようになり、
赤ちゃんも順調に育っているようだ。
妊娠3ヶ月を過ぎた。
他の人には、安定する5ヶ月以降に話そうと思っているが、両親には会う機会もあり、まだ動き回ることが難しい舞だから、『話そう!』ということになった。
休日、亮のお父様に呼ばれ、実家へ行った。
近況報告だろう。
お父様は、亮の話を聞き、真面目に仕事の話をしている。
お母様は、慣れたもので…
「難しい話をしてるでしょう?適当に聞き流す程度でイイわよ。私なんて半分以上分からないんだもの、
ふふ」と、大らかな性格で和ませてくださる。
「そうですね〜」と笑い返す。
「さあさあ、難しい話は、それぐらいにして、お昼ご飯にしましょう」と、お母様が用意してくださったお料理が並べられる。
「あ、私も…」と、手伝おうとしたら…
亮が「あ、俺が手伝う!」
当然、ご両親は『どうして?』という顔をしている。
「ごめん、舞、今ちょっと安静にしてる時期なんだ。」
「え?」
「ん?」
報告するチャンスだと思った亮。
「舞、今妊娠3ヶ月で…」
「えー!そうなのか?」
「あら〜おめでとう。良かったわね舞さん。」
「はい、ありがとうございます。」
「うん、ありがとう、だからまだ大事な時期だから…」
「うんうん、舞さん、ゆっくりしててね」
「そうか…良かったな〜楽しみだね」
「あ、はい。」
「予定日はいつ?」
「12月25日です。」
「まあ、クリスマス?すごいわね〜そうなったら絶対に忘れないわね、ふふ」
「はい、そうですね。」
お父様の表情もにこやかになり、穏やかに過ごせることが出来た。
「何かあったら言ってね。近くなんだし…」
「あ、はい、ありがとうございます。」
「もしもの時は頼むよ」と、亮。
「うんうん、じゃあ気をつけてね」
「はい、ありがとうございます。ご馳走様でした。」
「じゃあ、また!気をつけて!」
「はい、ありがとうございます。」
「じゃあ、また〜」
帰りの車で、
「初めて、人に話せて良かった。喜んでもらえて嬉しいね。」
「うん、良かった。もちろん両親も楽しみにしていたからね。」
「うん。」
「舞のご両親にも報告しておかないと…」
「うん、そうだね。電話しておくね。」
「電話でイイの?」
「うん。」
「じゃあ、来てもらってよ。良い機会だし…」
「あーそうだね。でも私あんまり動けないし…」
「動かなくて良いよ。何か買えば良いし…」
「うん、分かった。連絡しておく。」
そう言って、母に連絡すると…
「あら〜おめでとう!良かったわね。」
「遊びに来て!」と伝えると、すごく喜んで、
「材料を買って、お料理もするから、舞は何も
しなくていい!」と言われた。
さすが、お母さん、ありがたい。
そして、かなりのハイテンション!
まるで遠足にでも行くかのように喜んでいた。
もっと早く呼んであげれば良かった。
楽しみだ。
土曜日、初めて舞の両親がマンションに来た。
「うわ〜すごい眺望ね〜さすが25階!」
最初からハイテンションの母
「舞〜羨ましいわぁ〜セキュリティもしっかりしてるね。」
「うん、きちんとしてるから不審者は入れないわね。」
「私も将来、こんなマンションに住もうかしら…」
「あーイイかもね〜」
「おいおい、それって…まだワシが居るのに、《《将来》》の話か…」
「あら、ごめんなさいね。元気なうちにきちんと考えておかないと…娘たちは、2人とも結婚したわけだし…」
「ふ…ふ…」と、舞と亮は固まった。
「ご招待させていただくのが遅くなって申し訳ありませんでした。」と、亮
「いえいえ、お忙しかったのは分かっていたし、今後の活躍も期待しております。」と父
「そうよ、亮さんは気になさらず、頑張ってくださいね。」
「ありがとうございます。」
「それに、この度は、おめでとうございます!」
「そうよ、良かったわね〜」
「はい、ありがとうございます。」
「うん、ありがとう、嬉しい〜」
「気をつけないとね、まだ安定する5ヶ月までは、ゆっくり、ゆったりした気持ちでね。」
「うん」
「今日は、すき焼きの材料を買って来たわよ。」
「ありがとう!」
「悪阻は?まだなんでも食べられる?」
「う〜ん、悪阻始まってるから、少し少食になってる。」
「そうなのね、人によるけど、それも安定期に入ったらラクになるし…」
「そうだよね。ご飯の炊ける匂いがダメで…」
「あー私もそうだったわ」
「やっぱり、そうなんだ。」
「果物もたくさん買ってきたから食べられる物を食べられる時に食べる!」
「うん、そうする。ありがとう」
もう結婚なんてしないと思ってたから、不思議な感覚。しかも、自分が母になるなんて…ホントに驚いたけど、すごく嬉しい。
幸せだ。