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SBCE総合格闘ジムは、そこに立地する商店街のスポンサーとも密に関係していた
オーディエンスがいなければ、そもそもこの商売は成り立たない
柚彦君のお兄さんが運営する(SBCE総合格闘ジム)には、数々のスター選手がいた
今日はその応援してくれている地元の商店街の花火大会に、協賛として彼らのジムも参加していた
そして本日のメインは、SBCEジムが商店街のスポーツ少年体操教室の子供達と、ふれあいトレーニングというイベントを開催していた
かくいう私も、何か柚彦君のお手伝いをしたくて、受付係を率先して引き受けていた
今はスペシャルゲストとして、柚彦君が演題に立ち、約30人ほどのこのジムに所属している子供達の質疑応答に応えている
みんな目をキラキラ輝かせて、柚彦君の話に聞き入っている
演題に立つ柚彦君を見つめながら、その世界ではまったくの無知だった、自分を少し恥ずかしく思った
地元とはいえ柚彦君がこんなに人気があるなんて・・・
もちろん格闘技なんて、私の人生で一度も興味をもったことがない分野にせよ
私ったら・・・本当に世間を知らないのね・・・
最近では、ことあるごとに、彼の影響力の大きさに驚かされるばかりだ
「格闘家ってどのぐらい稼げるの?」
演題の柚彦君に向かって一人の少年が聞いた
「格闘家にかぎらずこの世の中はたいてい
どのぐらい努力するか、どれだけ優秀かによって
稼ぐ額が違ってくると思うよ
だがほとんどの場合その二つは関連している
努力すればするほどお金も稼げるようになる」
「それじゃ答えになってないよ」
少年たちは小さなブーイングをした
SBCEの公式のブラックのTシャツを着こんでいる
柚彦君は笑って肩をすくめた
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