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「そうだな、新人はほとんど稼げない、試合がテレビやネット中継されなければ、なおさら経費も稼げなくて生活は苦しくなるよ、でもスポンサーがついていて、タイトル戦の出場権のあるスター選手の場合――」
「ユズとかブラックとかだよ!」
「あと佐々木みたいな選手だよ、彼は2023年のチャンプだ!」
子供たちが興奮して次々と口にする
「ああ、そうだね、そのレベルの選手なら最高額を稼げるな、その上にスポンサーが一般社会人の年収以上の報酬を支払ってくるケースも多い、人気が出てくると選手がその会社のシャンプーやら剃刀やらを使うところをCMに流すと、たんまり入ってくるよ 」
彼はウインクして言った
そこから少年たちのジョークが飛び交い、30人ほどの少年たちはやんやと騒ぎ始める
「俺はその賞金で車を買うぜ」
「お前なんか無理だよ」
柚彦君は少年達と一緒に笑った
「そんなことないさ、誰でも熱意をもって何かに取り組めば、そういう身分になれるかもしれない、たとえばうちのジムの佐々木選手のような一流選手は、人より激しいトレーニングに励むことをいとわない、僕ならトレーニングしている所を何度か見学すれば、大抵はどれだけの気骨と才能があるか、見分けがつくよ」
高校生ぐらいの少年がいきなり立ち上がった
「よお!俺なんて、今すぐにでも格闘家になれるぜ」
そう言っ、て骨ばった腕を曲げ得意げに、柚彦君にシャドーボクシングをしている
「俺にやらせろよ!ユズ!」
彼は動じることなくニコリとした
「ひとつ言っておくけど君はまだ未成年だろ 」
「だから?歳なんてかんけーねーよ俺はこの街で一番強いぜ」
「未成年はトレーニングできても、SBCEの試合にはまだ出場できないな、本当にやる気があるならジムで体を鍛えてからだ、ジムにはいろんなやつがいる、まさに赤ちゃんで歩き始めた頃からトレーニングを重ねて来てる格闘家の卵もいるだけど・・・今の君の実力については、悪いけど本人の言葉は、とても信じられないね」
少年たちは笑い声をあげ、仲間にきわどいジョークを飛ばしている、うるせーと生意気な少年も笑っている
柚彦君が再び口を開くと少年たちは静かになった