コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
第91話「継がれし想い、加護の覚醒」
破壊の渦の中――英雄たちは、かろうじて意識を保っていた。
地が砕け、空は血のように染まり、世界はすでに“終焉”に踏み込んでいた。
だが――その中で、微かに、光があった。
それは、死してなお彼らに託された神々の“想い”。
⸻
一人目:リオン
瓦礫に埋まりかけたリオンの心に、ある声が響く。
ポセイドン《迷うな、リオン。お前の拳は、守るためにある。誰かを、何かを》
リオン「……そうだ。俺は……守るために!」
彼の中の加護が覚醒する。《蒼海剛拳・レクイエムブレイカー》
腕に纏うは蒼の竜鱗。拳に漲るは怒涛の命。
リオン「サタン……もう、お前の影には沈まねえ!」
⸻
二人目:セレナ
崩れかけた崖の縁で、膝をついたセレナの心にも、声が届く。
アポロン《君の光は、君だけのものだ。誰にも奪わせるな》
セレナ「私は……兄さんを、未来を、絶対に……!」
金色の翼が彼女の背に展開される。《煌陽翔陣・グローリアセレス》
セレナ「光は、闇に飲まれるためにあるんじゃない。照らすためにあるのよ!」
⸻
三人目:ウカビル
血まみれの胸を抑えながら、ウカビルは地に伏していた。
そこに、燃えるような声が重なる。
アレス《迷わず突き進め。お前は、お前自身の道を焼き切れ!》
ウカビル「戦い抜いてやるよ……この命が尽きてもな!」
身体を包む紅蓮の焔。《戦煌爆拳・イグニスドライヴ》
ウカビル「俺が……お前を止める。絶対に!」
⸻
四人目:ゲズ
吹き飛ばされながらも、ゲズは倒れなかった。
その胸に、優しくも強い声が届く。
アルテミス《見失うな、月のように。闇の中でも、光は必ずある》
ゲズ「……ありがとう、アルテミス」
弓が輝く。《月光神弓・フェイズエンドアロー》
瞳には迷いがなかった。
ゲズ「サタン。お前が終わりを求めるなら――俺たちが“始まり”を創る!」
⸻
世界の果てに立つサタンは、それを見ていた。
英雄たちの覚醒――その光に、わずかに目を細める。
サタン「命は……死すら越えるのか」
そして、サタンはゆっくりと立ち上がる。
サタン「ならば、それでも構わぬ。答えを見せよ、星の英雄たちよ。今度は、余がすべてを賭けて貴様らを消す」
《冥王圏コラプス》がさらに拡大し、決戦はついにその“核心”へ。