テラーノベル
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遅くなりました4話です🙇♀️
※冴凛
※パロディ
※下手
※凛の過去の記憶でレ〇プ描写があります
部屋を出た後、凛は城の大広間にそびえる絢爛な階段の中ほどで、一人静かに涙を流していた。
呼吸は乱れ、体はビクビクと震えている。
「なんで⋯⋯こんな、震えてっ⋯⋯」
――愛しくて大好きな旦那様
「この身を委ねてもいい」そう思っていたはず。
しかし体は震え、触れられることを拒んだ。
どんなに傷をつけられようと、自由を奪われようと、旦那様なら全て許せてしまう。むしろ、支配欲、独占欲、それら全てが自分に向けられていると思うと嬉しさまで感じていた。
なのに何故、俺は旦那様を⋯⋯
悔しさと後悔が渦をまくように凛の心を埋め尽くす。”大好きな旦那様を拒んだ”その事実が何よりも辛く、悔しかったのだ。
いくら自分が冴を愛していようと一度植え付けられたトラウマは消えることは無い。凛は、その記憶がどれほど残酷で、一生癒えることのない傷として自分の中に刻まれているのかを痛感した。
そして、それと同時に過去のトラウマ。冴にオークションで落札される前の出来事が凛の頭の中でフラッシュバックするように蘇る―――
自分たちに寄り付く女がいない。それだけの理由で、雇われの身の俺を、欲求不満のはけ口としてあてがった。
他に行くあてのない俺はただ、従うことしか出来ない。
本当に吐き気がする。
体は抵抗出来ないよう押さえつけられ、男共の性処理のため、意のままに犯される。
どこの野郎かも知らない男の陰茎を無理やり口にねじ込まれたり、女物の服を着せられ、そのまま犯されたり。
毎度毎度体は痛てぇし、そのせいで言われた仕事もろくに出来ず雇い人に何度も殴られた。
本当に思い出すだけで死にたくなるような毎日だった。
そしてその後、顔がいいとか、剣の才があるとかそんな理由でオークションのディーラーと名乗る男に買われ、売り物として大勢の場に出された。
在籍するやつ全員狂ったように俺に値を付けて争う。その時思った―――
ああ、この人達は俺のことを人じゃなく商品として見てるんだな。
俺は所詮、人間の皮を被っただけの他の高価な美術品と何ら変わりない商品。見た目と才能がいいだけで俺自身に価値なんてない。
全てを諦めかけ、そう思っていた。
でもそんな時、旦那様が現れた―――
オークションで売り物にされていた俺を10億もの値を出して旦那様は救ってくれた。
俺のことを人として見てくれて心から愛してくれた。
死にたいとばかり思っていた毎日が嘘かのように幸せと感じるようになった。
なのに、なんで⋯⋯
「⋯⋯凛様?」
一人静かに泣いていると、ふと、背後から聞き覚えのない声をかけられた。
「⋯⋯誰」
「あー、俺は潔っていいます。すみません声をかけてしまって⋯⋯一人で泣いているようだったので心配でつい⋯⋯」
「いさぎ⋯⋯?」
聞き覚えのない名前――今思えば旦那様以外とは話すことは禁止されていたはず⋯⋯。でも、こんな夜中に広場の階段で泣いていた俺を心配して話しかけてくれたんだ。無視なんで出来ない⋯⋯
「⋯⋯あの、大丈夫ですか?」
そう言って潔と名乗る男は心配するように俺の顔を覗き込んだ
「⋯⋯!大丈夫」
あれ、よく見るとこいつ、よく旦那様に仕事を任されていた奴のような⋯⋯
「あの、凛様⋯⋯」
「⋯⋯!何⋯⋯」
「何故ここで泣いておられたのですか?」
潔は俺の隣に座り、泣いていた理由を尋ねてきた。
「⋯⋯。」
「冴様こと、ですか⋯⋯?」
「⋯⋯!」
心でも読んだのかと思うくらいの図星を潔は着いてきた。
「なんで⋯⋯」
「やっぱり、貴方様が涙を流す理由なんてあの御方以外有り得ませんもんね⋯⋯」
少し微笑しながら潔はは答えた。そして一泊置いてからまた口を開き始めた。
「冴様とあなたの間に何があったのか。そんな野暮なことは聞きません。でも一つこれだけは伝えておきます」
視線を凛の方へと向け優しく微笑みながら潔は続けて発した。
「冴様はいつどんな時も貴方のことを思っていました。支配するようなやり方で貴方を傷つけた事もあったかもしれません。でも、それは貴方を”もう”手離したくない、守りたいと思った故の行動だったと思います。」
凛の瞳が揺れる。
旦那様がそんなに自分のことを大事に、大切に思ってくれていた。
その不器用な優しさに再び涙がこぼれ落ちそうになる。
「これは、私の思い違いかもしれませんが、冴様が貴方の事を嫌いになるなんてことは天地がひっくり返っても絶対にないと思いますよ」
「ほんとうに⋯⋯?」
「ええ。ほんとうに」
我慢していた涙が再びこぼれ落ちる。それを慰めるように潔は凛の背中を撫で下ろした。
「大丈夫です。なんせ、冴様はあなたの―――」
言いかけたその時だった―――
「おい、」
低く鋭い声が広場の空気を切り裂く。
「お前⋯⋯その手を退けろ」
潔が凛の背を静かに撫でるその手を、冴は鋭い眼差しでじっと見据えながら口を開いた。
「っ⋯⋯!申し訳ありません⋯⋯!」
そう言って潔はすぐに手を離し、頭を下げその場から離れていった。
「⋯⋯凛」
そう呼びかけ、冴は凛の方へゆっくりと近づいた。
「旦那様⋯⋯」
そう呟く凛の前に冴は腰を下ろした。
「すまない凛。お前を怯えさせてしまった。昔のこと、知らなかったんだ⋯⋯」
「旦那様が謝ることじゃないです⋯⋯昔のこと話さなかった俺が悪いし⋯⋯」
「違う、そうじゃない。お前は何も悪くない。俺が、お前の気持ちより自分の欲を優先した。お前を自分のものにしたいという気持ちが強すぎたんだ。」
冴はそう言って凛の手を優しく握る。
「もう、無理に触れたりしない。お前を傷つけるような事もしない。だから、ずっと俺の傍にいてくれ⋯⋯」
自分の手を優しく握りしめるその手の温もりに気が付き、凛の目にまた涙が滲んた。
「⋯⋯バカだな、旦那様は⋯⋯傷ついたことなんて一度もないのに⋯⋯」
「ああ、そうだな。俺はバカな旦那様だ」
冴は微笑みながら、凛の額にそっと手を添えた。
今度は、優しく痛くないように。
そしてその後ろ姿を、潔は少し離れたところで静かに微笑んでいた。
二人の時間を邪魔をしないよう、そっと背を向けその場を立ち去る。
「ねぇ、旦那様。一つ聞いてもいいですか?」
「⋯⋯なんだ?」
「ずっと気になっていたことがあるんです。」
「気になっていたこと⋯⋯?」
「どうして俺をオークションで買ってくれたんですか?」
冴は一瞬黙り込む。しかし、すぐに口を開き凛を真っ直ぐ見つめた。
「そうだな、そろそろ話しておいた方がいいな。」
凛はキョトンとした顔で冴の言葉を待つ。
「俺がお前を買った本当の理由について、今から話そう。」
4話目終了!
ほんっっっとにバカすぎてノベルの語彙力ない🙄
毎度分かりにくい表現ですみません🙇♀️
5話も近々出すの予定なのでよかったら読んでください!
コメント
6件
うわ~続きがめっっちゃ気になる!! かんてんさんはずっと天才だったので大丈夫ですよん🎓✨
語彙力あるある!潔登場して嬉しい〜 最高!
語彙力ちゃんとあるし、わかりやすいですよ!!! かんてんさんは全然バカじゃないです、ほんっっっとに天才ですよ!!! いつもその語彙力の豊富さや、文章の美しさに圧倒されてます、 かんてんさんの小説読むのが最近で一番の楽しみです😊 5話も楽しみに待ってます!!