もう一度あなたと笑いたい___。
「大丈夫,また会えるよ」
そう言ってくれたのに
なんで_,
勝手に死んでるのよ…!
昔,
私には親がいなかったらしい
私が生まれてまもないうちに死んでしまったらしい
だから名前なんかない
別にどうでもいいと思っていたら_。
「やっほ~!君ひとり?」
「…誰…?」
「俺はね~!」
その男の子は〝羽響〟と言った
「素敵な名前だね」
私がそういうと
「君の名前は?」
と尋ねてきた
「私に名前はないの」
と事情を話すと
「じゃあ俺がつけてあげる」
と言った
「本当に…?」
「あぁ,じゃあ…」
〝月白〟
「とかでどう?」
「…素敵な名前…」
「いい名前でしょ,君にぴったりだと思ったんだ」
「でもこんな素敵な名前,私にはもったいないよ…」
「もしまた会えたら,笑ってその名前を自信満々に言ってくれ」
「そんな自信私には…」
そのとき遥はなぜか笑って
「お願いだ」
切なそうな顔をしていた…
だから私は_。
「うん,またね」
また会えるとも限らないけど
「あぁ,また会おう」
なぜかまた会えると思った。
〝愛染〟
愛に心をとらわれること,
執着すること。
〝月白〟
月の光を思わせる薄く,
青みを含んだ白色のこと。
コメント
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どうかこの話がみなさんの心に残りますように。