テラーノベル
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Tは悩んでいた。
このいきなり届いた日記をどうするのかを…。
「…捨てようかな…?」
ピロン
「!?」
「あ~びっくりした~…。」
LIMEで電話が来ていた。
…交換日記取り締まり所?
「こんな人とつないだ記憶ないけど…」
交換日記…か。Tは『私たちの交換日記』をとった。
「やっぱりこれに関係してるのかな…」
Tは電話に出た。
「もしもし、こちらは交換日記取り締まり所です。Tさんであっていますか?」
「はい。Tです。交換日記のことですよね?さっき家に届きましたけど…」
「ありがとうございます!急に送ってしまい、申し訳ございません」
「いえいえ、それで何かあるんですか?」
「はい…。私はSの母親です」
どういうこと?Sちゃんのお母さん?
「あ、あのSちゃんって本当に交換日記を書いていたんですか?」
「はい。表明上は…」表明上…?
「でも書いたのは4人だって…」
「それをTさんに確かめてもらおうとしたんです」
「つまり…Sちゃんが本当に書いているのかを確かめる、ということですね?」
「はい、お願いできますでしょうか…?」
…Tは悩んだ。もし、Sちゃんが殺されていたなら…。想像もしたくなかった。
でも、本当に殺されていたなら私は犯罪に巻き込まれる。
そんなのは嫌だ。ひっそり暮らして、厄介ごとを起こさないように生きてきた。
今更巻き込まれたくない。
「…ごめんなさい。私は厄介ごとには巻き込まれたくないんです」
「…そう、ですか」
「はい。ごめんなさい」
「またですね…あなたも‘‘脱落‘‘…」
え?な、なに?‘‘脱落‘‘って言った?
「残念です。もう少し、待っててくださいね…」
ぷつ
切れた…。
待っててくださいって…どういうことだろう…。
電話は切れたけど…。もう一回電話してくるから、待っててくださいってことかな…?
そうだといいけど…。
まあ、これで事件に巻き込まれることはなくなったし、大丈夫だよね!
ピンポーン
なんだろう?私何か頼んだっけ?
「はーい」Tが玄関を開けた瞬間…。
「‘‘脱落‘‘ですよ」
「え?」
私は激痛を感じた。
刺されたんだ、とすぐに分かった。
「死にたくな…い」
「脱落したからには死んでもらいます」
「残念ですが…さようなら」
嫌だ…
死にたくない…
寒い…
ああ…死ぬんだ…私。
短かったなあ…。私の人生。
「ごめんなさい、手伝ってあげられなくて」
「……」
2024年9月4日
ある自宅で複数回刺され、死亡した女性、小山 多摩さん(23歳)が発見されました。
犯人の居場所なども全く分からず、捜索中とのことです。
「…いや~こんな若い女性を殺害するなんて…かわいそうですねえ」
「はい…。しっかりと罪を償ってほしいものですね」
「それでは、次のニュースです…」
コメント
1件
面白い!才能過ぎます!