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srhb
謎パロ
ご本人様とは関係ありません。
人魚の歌声には人を惑わす力がある。
そんなことを聞いたことのある人もいるんじゃないだろうか。
セイレーンだとかなんだとかいろいろと説はあるが、実際のところどうなのかはわからない。
「セラ夫、本当に調べに行くんですか?」
「うん、これ以上被害が出たら大変なことになる。」
とある海沿いの町に住んでいる俺と凪ちゃんはいわゆる何でも屋をしていた。
最近、海で行方不明者が多数出ている。
その調査を進めていた。
唯一帰ってきた人は、狂ったように人魚について話していた。
「一応耳栓も持って行ってくださいね。効果があるかはわかりませんが。」
「了解。」
凪ちゃんから荷物を受け取り海へ向かう。
最悪、犠牲になるのは俺一人でいい。
海につくと人はいなかった。
当たり前だろう。
行方不明者が多く出ているのだから。
その状況で来るのはバカか、俺みたいな何でも屋か、警察か。
人魚が出てくる条件はわからないため、気長に待つしかない。
ふと、声が聞こえた。
「ねぇ、ここで何してるの?」
「っ‼‼」
驚いて振り返るとそこにいたのは金髪碧眼の男。
この町では見たことがない人だった。
しかも、この世のものとは思えないほど美しい顔をしている。
「…ちょっと、調査に。」
「へぇ?今日はやめといたほうがいいと思うけど。」
なにを知っているのか、金髪の男は微笑む。
「ほら、帰りな。」
ざぁ、と風が吹く。
砂埃がはれたころには、金髪の男は消えていた。
――――
やめといたほうがいい、の言葉の通り、その日は大嵐になった。
人魚の情報も手に入らず途方に暮れる。
「金髪碧眼の男ですか…。」
その日のことを凪ちゃんに報告すると考える仕草をした。
「そのなりなら目立ちそうですけどね。何か関係があるのか…?」
「どうだろう、もし人魚だったら俺に話しかけずに攫えたと思うから。」
「それもそうですね。」
あーでもないこーでもないと話をつづける。
行方不明者は増え続けるばかりだ。
警察関係者にも行方不明者が出たようで、大荒れだ。
依頼がたくさん舞い込んで来る。
「今日も調査に行ってくるね。」
「私も、いろいろと調べてみます。」
手分けして、調査を進めた。
海には立ち入り禁止のテープが貼られていた。
身分証を提示し、中に入れてもらう。
風が吹いている。
潮の香りを感じながら砂浜を調べた。
だんだんと霧が出てきて視界が悪くなる。
急に甘い香りがした。
果物のような、花のような、甘い香り。
次いで、歌声が聞こえてくる。
人魚が現れたのか?
歌声にのまれてはならないと、耳をふさぐ。
それでも頭の中に歌は響いてきた。
悲しげな声で苦しそうに歌う人魚。
姿は見えないのに、どうにも気になってしまった。
「…大丈夫?」
声をかけてはならないのはわかっているのに、声をかけてしまう。
反応はないと思っていたが以外にも返答があった。
「…俺のせいで人の子が死んでくん。俺は歌いたかっただけなのに、この声は人にとっては毒なんだってさ。歌うのをやめようかと思ったけど出来なかったんだ。」
だんだんと海の方の霧が晴れていく。
うっすらと見えたのはキレイなむらさきだった。
「歌うのをやめると俺の精神がおかしくなって、人を食べようとしちゃうんだ。だから歌ってどうにかしようとするとまた人の子が俺もとにフラフラやってくる。相談して人が来ないようにしてもらってるのに、なんでかやってくるんよ。」
海の方の霧が晴れ、人魚の姿が見える。
美しい人魚に俺の心は一瞬で盗まれた。
「お前みたいなきれいな心を持ったやつが俺の歌声に誘われちゃうんだと。カナトが教えてくれた。霧を出して人が来ないようにしてもそれを超えてきちゃうんだ。」
美しい人魚は涙をこぼしていた。
てっきり人を攫って行くから悪いやつだとばかり思っていた。
「帰ってほしくても俺を離してくんないん。逃げるように海に潜ったら後を追ってくるん。それでみんな死んじゃうんだ。」
目が合う。
夜空を宿したその瞳は俺を見て目を丸くした。
「…お前、俺と会ったことある…?」
「え?」
――――hbrside
初めて会話することができた人の子と目が合った。
彼の瞳は今まで見てきたようなうつろなものではなく、意思を持ったものだった。
彼をどこかで見たことがある気がした。
ピンクブロンドに赤いメッシュの入った髪に夕日を宿した瞳。
一度であったら忘れなさそうな風貌なのに、頭にもやがかかったように思い出せない。
彼は俺の言葉に目を丸くした。
「たぶん、会ったことはないと思うけど…。」
「そうだよな。」
そらそうだ。
この町にやってきたのはほんの数か月前。
そこで出会ってなければ初めましてなのだ。
「いろいろと話しちまってごめんな?お前ならたぶん、すぐに帰れるよ。」
これ以上ここにとどめておくのは危険だ。
自分も海のそこへ戻ろうと背を向ける。
「、待って」
のを呼び止められた。
「どうしたん?」
「その、また会える?」
「…お前に悪影響になるからもう会わんよ。」
人に俺は少なからず悪影響を及ぼしてしまう。
現に、彼だって熱のこもった瞳で俺を見ていた。
「そっか、それなら。」
彼が海に足を進めていく。
そんな、まさか。
「っ、だめっ‼‼」
目の前で死んでいく人は何人もいた。
止めようとしてもとめられない。
でもそれが人を見捨てる理由にはならない。
慌てて彼を止めに動く。
魚の足では陸に上がれないけれど。
「陸に戻れ」
「やだ」
どんどん彼の体が沈んでいく。
生きてくれ。
また救えないのか…?
「んふ、捕まえた。」
「・・・へ?」
いつの間にか彼にがっちりと捕まえられていた。
死のうとしたんじゃないの?
「君も陸においで。」
「え?いや、ん??」
いまいち状況が読み込めない。
彼はにっこりと笑って陸へ向かう。
「ちょ、俺干乾びちゃうからっ」
「大丈夫、でっかい水槽あるから。」
「どこに⁉⁉」
「俺のおうち。」
「何で⁉⁉」
混乱しながらツッコミを入れる。
というか、人魚の俺が街で受け入れてもらえるわけないだろ。
「街に出なければいいだけだよ。2人で一緒に暮らそうね。」
俺はやばいやつにつかまってしまったのかもしれない。
まさしく謎パロ。
srpヤンデレエンド…?