⚠注意⚠
utくんがうつで救われる話。
main ut
sub rbr
一応軍パロ
腐ではない たぶん
ダークモード推薦
シリアスだよ!!!!!
なんでも気やがれおるぁって方のみどうぞ
死にたい。
そう思い始めたのはいつだっただろうか
別に
虐められてるわけでも ハブられてるわけでもないし
人間関係に困ってることも無い
でも
影口を言われているような気がして
自意識過剰すぎて
なにかが積もりに積もって
だんだんそれが莫大な何かと化して
僕を襲った。
食欲が無くなって
体力が落ちて
集中力が下がって
資料が期限内に終わらなくて
怒られてしまって
なんとなく辛くなる
自分が悪いのに
〜自室〜ut side
朝
憂鬱で仕方ない
昨日の夜手首を切ってそのままにしてしまっていた
気絶のように寝落ちした
頭が痛い けど
さすがに深く切りすぎた
早く手当をしないと
鉛のように重い体を起こす
「消毒…消毒……」
念の為と全員に配られている救急箱に入っている消毒液
「あちゃ〜…使い切ってもうた…」
どれだけ押しても出てこない
諦めて 水道の水で流す
時間が経って鮮血だったのが茶色く固まり
ペリペリ剥がれる
「……いった…」
滲みる なんにしろ滲みる
正直切った瞬間よりも
そのあとの方が痛い
風呂とか 手首を掴まれてしまった時とか
まさに 手当をしている時とか
水分を拭き取って
絆創膏を貼る
傷口が収まりきらなかった
浅いところだしいいか
気休め程度で包帯を巻いて
いつものスーツを着る
そうすれば傷は隠せるから
朝はほんとに食欲が湧かない
でも顔は出す
心配をかけてまうから
〜廊下〜ut side
声のトーンを落とさへんように 表情を暗くせぇへんように
辛そうに見えへんように 苦しそーに見えへんように
いつものように笑顔を見せて 平気なフリを。
「大先生やん!おはよ」
「あ、シャオちゃん、おはよー」
いつも明るい笑顔の彼
黄色の瞳をキラキラと輝かせ 僕とは真逆の人間
光の世界の住人なのだろうか
「今日模擬戦頼める?」
「あぁー…ごめんな、今日僕監視の当番やねん」
これは事実
「ほんまか…じゃー今度な!」
「ごめんなー…また誘ってな」
「大丈夫やで、いつもお疲れ様」
「なんや急に、どしたん笑」
「いやーいつもぶっ通しでPCと向き合ってんねんやろ?」
「俺は絶対無理やわー」
「シャオちゃんは苦手そうやわ」
「wwwせやろ?」
「とにかく暴れとるイメージしかあらへんわ」
「暴れてる方が楽しいやん?」
「それはそうやなw」
なんとなく 会話を繋げて
なんとなく会話を終わらせる
バレへんように 勘づかれへんように
〜食堂〜ut side
最近はもう食堂のがやがやだけで疲れる
うるさい といってはあれだが ほんとに頭が痛くなる
正直 今すぐにでも逃げ出したい
シャオちゃんは明るい方 少し騒がしい方へ行っている
さすがに混ざれないと思って 端の方で静かに食べる
「……」
皿に盛られた少量のサラダとコップいっぱいに入った水
喉を通らないだろうと思って持ってきていた水で
ある程度噛み砕いた野菜を水で流し込む
そうでもしないと体が受けつけないから
気持ち悪い
何を体内に摂取しても 満たされない
まだ栄養のサプリメントを飲んでいた方が
体的にはマシかもしれない
盛った分だけを食べ終わり皿を片付けに行く
ゆっくり食べているともう誰もいない
ぱぱーっと食べてささーっといなくなるのだ
そうしてもらった方がありがたい
だから 少しフラフラしながら歩いても問題ない
誰もいないから
もし誰か来ても寝不足だと言えば バレない
隈ができやすいといえば
少しだけ寝不足なんだなーと思われるはず
それが一番 自分も 相手も困らない
〜監視室〜ut side
「ちっすおつかれっす」
いつもと変わらないように 椅子に座り PCに向き合う
「おつ」
遠距離防衛隊隊長兼通信管理責任者兼訓練トレーナーを
かけ持ちするとんでもねぇやつだなぁと
こいつを見るといつも思う
「今んとこは?」
「特に異常なしやな ちょっと俺の隊のところ見てくっから」
「悪いけどちょっと頼んでてもいい?一応1人置いとくな」
「了解〜」
「頼んだわ ありがとな」
“頼んだわ”
頼まれてしまった ミスをしてしまったらどうしよう
ガバを起こして大変なことになったらどう責任を取ればいいのだろう
「がばっても、文句言うな?」
「はいはい」
そう言い捨て監視室を出ていく
カチッ
「…ふぅー」
最近はずっと煙草を吸っている 吸ってないと落ち着かない
前よりも吸う頻度が増えてる気がする
煙草を吸って死ぬのが本望なのかもしれないが
カタカタカタッ
「…..平和やな…」
「そうですね」
ロボロの部下
みんな正直で 努力家で でも少し筋肉バカで
ロボロの良いところを受け継いでいると思う ほんまに
うちの部下は
なんというか 僕よりしっかりしてる
でもみんな優しくて ガバを指摘してくれたり
周りをよく見ているとおもうすごく
「………..」
「あの、鬱さん」
「なんや?」
「最近、肌白くないですか?」
「え?そう?肌白いってはよく言われっけど…..」
「なんて言うか…..ただ白いんじゃなくて」
「不健康…青白いって言うんですかね」
「大丈夫…ですか?無理してませんか?」
「…..ふっ….心配してくれてありがとうな」
余裕そうに 何も無いように
「僕は大丈夫やで、それより今は目の前の仕事に集中せぇ」
「あ、はい、すいません…」
勘が鋭いなぁ…あんまり会わへんのに
そんなすぐ気づいてまうんや
〜監視室〜rbr部下side
「あの、鬱さん」
「なんや?」
「最近 肌白くないですか?」
最近悪い意味で鬱さんの肌の色が
ワントーン上がっている気がする
「え?そう?肌白いってはよく言われっけど…..」
「なんて言うか…..ただ白いんじゃなくて」
「不健康な…青白いって言うんですかね」
「大丈夫…ですか?無理してませんか?」
「…..ふっ….心配してくれてありがとうな」
あ、いつもの鬱さんだ
「僕は大丈夫やで、それより今は目の前の仕事に集中せぇ」
「あ、はい、すいません…」
少し 強く言われ つい動揺してしまう
最近何となく 目の焦点が合ってない時があるように感じる
ぼーっとして 手が止まっている時も多々ある
たまに一般兵を茶化しに食堂に来て
一般兵をちびらしてたけど
最近はまるきり無くなった
女性にナンパしていたという
鬱さんの隊の人からの噂も聞かなくなった
なにか、あったのかもしれない
「あ…」
「どうしました?」
「…これ、観光客か?ちょっと見てくれん?」
「あ、はい」
そう言われ 鬱さんのデスクに行く
少し離れていても 煙がすごいのに
近くに来るとそれが増す
それに加えて なんだかうっすらだが鉄臭い 気がする
「これなんやけど…」
「見たことないですね、観光客です」
「わーったありがとうな」
「はい、俺一般兵に放送入れてきます」
「よろしく」
そういうと 鬱さんもそそくさと幹部たちに放送を入れる
〜監視室〜ut side
「”緊急、観光客と思わしき人物を東第2通路にて発見”」
「”至急対応願います”」
放送を入れ終わり 息を着く
「増援は…おらんな..」
「そっち、大丈夫か」
「はい、大丈夫です」
「他に来てたりせぇへんか?」
「恐らく」
「りょーかーい」
「…………スー」
「…..ふぅー」
「あの」
「ん?」
「鬱さん、煙草ずっと吸ってると思うんですけど」
「おん」
「最近…増えてません?本数」
なんで気づくんこいつ
「そお?増えとるか?」
「….気の所為、ですかね」
「まぁ、…気の所為やと思うで笑」
エスパーかこいつは
「なんか…すいません、ずっと聞いてばっかりで」
「大丈夫、大丈夫笑..よくあっから」
こんなことで謝罪するなんて
どれだけ良い家庭で育ったんだろう
ピッ
少し 監視室の雰囲気が落ち着いたところでインカムがなる
「”‘はいはいー?”‘」
“増援の可能性は?”
「”‘ほぼゼロやね”」
「”けどまたくるかもしれへんから常時監視ってところ”」
“了解”
ブツッ
「…ふぅー…..」
「ケホッ…..」
「大丈夫ですか」
「…おん」
「たまには、禁煙してくださいね?」
「はは…できるかな」
「まぁ、無理ない程度で」
「…せやな」
ーーーーーーーーーー数時間後ーーーーーーーーーーー
〜監視室〜ut side
「鬱先生お疲_様、今日_終わり〜」
なんとなく 途切れ途切れにうっすら声が聞こえる
「あぁ…ほんま?お疲れ様」
聞き取れた情報だけで返事をする
「おん、もう交_や_」
「おう、わかったわ お疲れ様〜」
「はーいお疲__」
重い扉
頑丈な 扉
のドアノブに手をかける
ガチャ
「あ、せや…鬱先生…」
後ろから声をかけられ体が止まる
今度はさっきよりも 鮮明に声が聞こえる
「ん?」
「…この後 暇か?」
「おん 暇やけど??」
想像もしない質問に思いっきし首を傾げる
「ちょっと 気分転換しに行かへん…?」
「気分転換…っすか」
「おん 嫌なら別ええけど…」
そういえば 最近任務以外で外に出ていない
面倒で 疲れるから
でも
「ええよ」
なんとなく
ロボロの声がいつもより優しい気がして
「そか んなら21時30分に正門集合な」
「おん わかった」
身に合わずも 甘えたくなってしまった
〜21時32分
〜正門〜ut side
「遅れたわ あ 今は雑面せんくて大丈夫なん?」
「ええで まぁ多分大丈夫や 妖来んように御守りはある」
「そか」
久々に見た ロボロの素顔
こいつの目を見ると
なんとも言えない不思議な感覚に包まれるのだ
彼は代々妖払いの家系だったらしい
目がよく狙われて
目を隠して 生活している
今でもなお 狙われる可能性があるから
「行くか」
そう言って
何故か 自分の腕が少し小さな手に掴まれる
「なぁ ロボロ」
「なんや」
「どこいくん なんも言われてへん」
「着くまで秘密や」
「さよか」
「なぁ」
「…..」
「ほんまどこ向かうん」
「もうすぐ着く」
「そか」
彼の進む道は
だんだん森の中へと入っていく
こんなところに何かあるのだろうか
深く
深く
暗い
途端
少し開けた場所に着く
「着いたで」
「おん?」
ふわりと暖かな光に包まれる
太陽のような
でも
また違った 暖かい 何か
「上 見てみ」
「上?」
言われるがままに上をむく
「….っ……….」
息を飲む
何百ある天燈
橙の光 が 空一面に
ふわり ふわり 不規則に
ゆらゆらと 上に 上に
僕には 美しすぎて 眩しすぎる
今日は新月なのか
だから森があそこまで暗かった
だからこれ程 天燈が美しく見える
「…..どうや?綺麗か」
「…..おん」
天燈に釘付けになっていた目を横に移す
「ぁ……」
橙色の着物に
桃色の目
光に馴染んで そのまま溶け込んでしまいそうだった
「….綺麗 やな」
「せやろ?」
思わず ロボロの腕を掴む
「………」
目から 暖かいものが伝う
静かに 声も出なかった
ただポロポロと 涙 が伝った
「おん…」
ロボロは 何も言わずに
優しく腕を握り返してきて
背をさすってくれた
「…よう頑張ったな」
「俺はお前の努力を認めとるから」
「せやから な 溜め込まんで 」
落ち着いた声色で でも力強く
一言一言丁寧に 言葉を紡ぐ
「…お前を必要とせんやつはおらんし」
「みんなきっとお前に頼って欲しいと思っとる」
頼って 欲しい
「…..最近ずっと 気になっとってん」
「お前がさ このままだんだん抜け出せへんような闇に落ちていってしもたら」
闇 に落ちてしまったら
「このまま消えてしもたら どうしたらええんかなって」
「せやから」
「相談してや 話ならいくらでも聞く」
「頼ってや いくらでも」
涙が止まらない
どうしてこんなにも優しいのだろう
「なんかして欲しいこととかないんか」
して欲しいこと か
「…..せやな」
声が震える
上手く声が出ない
「うん」
「…抱きしめて…や…..」
抱きしめて欲しい ただ今は
温もりが 純粋な愛が欲しい
生きていいって思いたい
「ええで」
ロボロは 自分よりも小さな体をいっぱいに使って
抱きしめてくれた
「………..」
暖かい
こんなに優しく抱きしめられたのは
いつぶりだろう
「辛かったこととか 全部忘れて ただ身ぃ任せや」
「……うん」
このままずっと 光に 体に 声に 包まれていたい
「…..ありがと」
「どういたしまして」
あぁ 疲れた
少し 休もうか
彼に感謝の言葉を告げ そのまま意識を手放した
〜医務室〜ut side
朝 心地よい眠りから覚める
ふと 腕に少し重みを感じる
いつものように雑面をつけ 橙色の着物を身にまとっている
ロボロの姿がある
「ん……」
「あ…鬱先生…おはよぉ…」
口元だけでわかるくらいへらっと微笑んでいる
「…ロボロ なんやお前ずっとおったん?」
「おーせやで?」
「…ほんまか なんか 悪いな」
「大丈夫大丈夫 俺が勝手におっただけやから」
「そか…」
「…体 だるく無い?なんか痛いとことか 気持ち悪くない?」
そう聞かれて 気づく
朝起きた時の憂鬱感
気持ち悪さ
手首の痛み
が何も無い 体が軽くなった気がする
「なんも…あらへん なんか…体が軽ぅなった気がすんねん」
「そか よかったわ」
「飯 食えそうか?」
「….たぶん 少しは」
「さよか 無理せんようにな」
「おん」
「鬱先生」
「なんや」
「とりあえず今は一旦 辛かったこと全部忘れてや」
「なんも思い出さへんくてええからさ」
「努力しますわ」
「そうしてくれ」
END