テラーノベル
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ユキ
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二次会は自由席だった。
どこに座ってもよかった。
それなのに。
ヤマは私の向かいへ座った。
特別な話をするわけでもない。
ただ、私が誰かと話している時。
ふと視線を感じることが何度かあった。
昔なら。
その視線だけで胸が苦しくなっていたと思う。
でも。
もう何も苦しくなかった。
ちゃんと時間は進んでいた。
帰る時間になって、誰かが言う。
「このあとカラオケ行こうや!」
私は笑って答えた。
「ごめん。」
「彼氏が家で待ってるから帰るわ。」
自然に出た言葉だった。
やっと言えた。
隠さずに。
胸を張って。
帰りの電車に揺られながら、窓の外を見る。
ああ。
私の初恋は。
今、ほんまに終わったんやな。
そう思えた。
コメント
1件
おお、66話…一つの区切りですね。 「彼氏が家で待ってるから」って、昔の自分なら言えなかった一言を自然に言えたこと、そしてヤマさんの視線に心が痛まなくなったこと。時間の経過と心の変化がすごく丁寧に描かれていて、胸に染みました。初恋が終わる瞬間を「ほんまに終わったんやな」と受け入れられる強さ、素敵でした。心の整理がつく瞬間が、こんなにも美しく言葉になるんだなあと感動しました🌷