テラーノベル
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ショタgt 愛され🔞無し
なんでも許せる人向け
つぼ浦、ぐち逸、ファイナルぐち(BBB)
「」→ぐちつぼ派生以外
『』→ぐちつぼ派生
成瀬力二視点
「本当にこいつしゃべらないんだけど大丈夫?」
「まじで任せてください。」
「本当に?盗聴器くらいしゃべらんよ?」
「しかもじっとしてたと思ったら突然突飛な行動する!」
「あとたまに変なもの食べてる!」
「大丈夫ですって。この街の警察ですよ?ちゃーんと託児所の役割ははたしますって。ね、姉さんも安心して。」
うーんといかつい男達がその風貌に似合わない不安気な顔をする。
小さい子供を抱っこした夕コもまた浮かない顔をしていた。
なにやら大切なギャングの会議があるとやらでどうしても今日子供を見る人がいないらしい。
という話を姉である夕コから聞き警察で一日限定託児所を開くことにした。
市民が困っていたら助けるのが警察だ。たとえそれがギャングだとしても。
しかも託児所を開くと言ったら同じく預けたいという人が連絡をくれた。
その人も来るらしい、今日は犯罪全部無視してでも子供達を安全に保護する。
それに、うちの子供も同じくらいの年齢の子と交流をしておいた方がいいだろう。この子はうちの子と同い年らしいし。
「子供の扱いには慣れてますから!俺はともかく、二十日ネルやひのらんとか、、、。」
「わかった。というかどれだけ渋っても預けるしかないからね、、、。みんな、いいよね?」
「まあ、、、いいけど」
「まじで変なもん食べないようにしてよ⁉︎」
「ねー、まだー?」
芹沢の急かすセリフに男達は渋々と言った感じで子供を見る。
子供はイレギュラーな雰囲気を感じとってか眉を斜めにさせ夕コにびったりとくっついている。
「ぐち逸、ちょっとここで待ってられる?」
ぐち逸、と呼ばれた子供は少し考えた後首を縦にふる。
うちの子と違って随分おとなしく賢く、いい子なようだ。
夕コがゆっくりぐち逸を下すとぐち逸はその場で立ってびくともしない。
自分の服をぎゅっと握りながらこちらをちら、ちらと見る。
心が開くまでは苦労しそうだ。
再び芹沢が急かして刃弐も時間を気にし始めたからこの街を脅かすギャング達は姿に似合ういかつい車に乗り去っていった。
残されたぐち逸はキョロキョロと周りを見てからちまちまと歩き出した。
「ほんっまに大丈夫なんか⁉︎」
「ええ、だから何度も言っている通り、、、」
「警察って汚職してナンボだからなー、信用ならねえよ!」
「じゃあ別に預けなくてもいいんですけど⁉︎」
預けたいと連絡して来た人たちがやって来たと思ったら突然警察に悪態をついてくる。
失礼な奴らだし見たことない顔だ。
「はぁ⁉︎お前生意気だな」
ピンクのような紫のような色のツインお団子をした女が綺麗な見た目に反して低い声とドスの聞いた話し方で言う。
この街に旅行に来たはいいものの住んでいる街の異常さと本人たちの職業を指摘され市長と大人の話をしなければいけないらしい。
この感じ絶対ギャングだし警察の汚職は当たり前という価値観のあたりこいつらが住んでいる街はスラム街のような場所なのだろう。
「でも預けるしかないよ。少なくとも俺たちの街の警察よりは信用できるかな。俺は。」
顔をほとんど覆った男がそう言うと子供を抱っこしたドレッドヘアの男が渋々子供をおろした。
しゃがみ子供と目線を合わせると男は言う。
「ぐちつぼ、ほーんのちょっとここでまっててくれたらええから。な!できる?」
うちの子とぐち逸より一歳年上のぐちつぼと呼ばれた子供はえー!と不満を垂れる。
『まあ、、、いいぜぇ、、、?』
良くわかってない様子だけどとりあえず子供の了承は得れたみたいだ。
「こいつ、まじですぐどっか行くんすよ。ドがつくほどのマイペースなんで気をつけて。」
「あと最近どこで覚えたのかわかんないセリフばっか言ってるんで、なんかまあ付き合ってやって。」
「すっごく人見知りだし1人の時間好きタイプなんであんまり構いすぎないで、でも絶対目は離さないでください。」
一人一人ぐちつぼの取り扱いについて説明してから名残惜しそうにぐちつぼに手を振る。
ぐちつぼはツンデレなのか手は振り返さない。
寂しいのかもしれない。
去っていく背中を2人で静かに見つめた。
『』→つぼ浦
「」→つぼ浦以外
「つぼ浦ぁ!!服着て!!」
ぐち逸を抱っこしたぺいん、そしてぐちつぼと手を繋いだ俺は署に入ってすぐの場所で頭を抱えていた。
結局うちの子が一番手がかかる。
『やだぁ!おれぇふくきらぃ!』
パタパタっと署内を裸足で駆ける音が響く。
上裸のつぼ浦が服を持ったまるんから全力で逃げている。
足音がだんだん近づいて来てつぼ浦が現れる。
署から出ようとして扉の前にいる俺たちと鉢合わせたのだ。
つぼ浦はびっくりして突然止まれずにぺいんの足にモッとぶつかる。
「わー!ごめんごめんつぼ浦!」
「つぼ浦捕まえて!」
反射で謝ったぺいんにまるんが叫ぶ。
ぺいんが気づいて捕まえようとするが両手にぐち逸を抱えているため捕まえられない。
だが捕まえるまでもなくつぼ浦はとまった。
2人の子供が気になったみたいだ。
『、、、だれぇ⁉︎』
つぼ浦はぐちつぼを指差しそう言う。
ぐちつぼはぎゅっと俺の手を握る力を強めた。
「、、、ぐちちゅぼ」
『ぐいちゅぼ!!おえは、おえは、とくしゅけーじかのちゅぼぅらたくみ!!』
よろしく!と元気よく言いぐちつぼに手を伸ばす。
握手だ。
ぐちつぼは少し困った顔をしてから汚いものを触るかのように恐る恐る手を伸ばす。
その手を躊躇なく握るとぶんぶん腕が取れそうなほど振る。
「ほら、ぐち逸も挨拶しよ?」
ぺいんが言うとぐち逸はちらっとつぼ浦達を見てふいっとそっぽを向いた。
嫌らしい。
そんなこんなで子供達と警察のドタバタな一日が始まった。
「、、、まってぐち逸とぐちつぼどこ行った⁉︎」
らだおの叫びが響いてびっくりしたつぼ浦が耳を塞ぐ。
一瞬、本当に一瞬だ。
目を離した隙に2人もいなくなるなんて。
「ちょ、ぺいん先輩⁉︎抱っこは⁉︎」
「離して欲しそうだったから下ろしちゃったよぉ!」
「なんでその後目離すんだよ!」
「お前も人のこと言えないよ⁉︎成瀬!」
「そうだよなんで手放してんの⁉︎」
「先輩にだけは言われたくない!」
「とりあえず探すよ!」
子供だし署内は至る所に鍵がかかってるから行けるところは少ないはずだ。
探しに行こうとして歩みを進めようとするとズボンの裾を引っ張られた。
見ると俺のズボンを握ったつぼ浦がこちらを見ている。
『かにくんっ!かけっこ!?』
「ちがうちがうちがう」
『おえもやるっ!』
「ちがうってぇ、、、」
『しぇーのではじまりな!』
「だから」
『しぇーっの!』
ダッと駆け出したつぼ浦はこの署に慣れているし一旦無視しよう。
俺はつぼ浦とは真逆の方向に駆け出し他の2人を探すことにする。
一番効率のいい探し方をもう思いついている。
そう、監視カメラ。
署内のありとあらゆるところにつけられた監視カメラを見ればどこにいるかなんて一目瞭然、瞬殺だ。
地下の監視カメラが見れる部屋に急ぐとすでにらだおもそこにいた。
「あれ、なんだらだおもこの作戦?」
「お、成瀬じゃん。見つけたよ3人。」
「3人?」
椅子に座るらだおの後ろからパソコンを覗き込むと署長室でなにやら話をしているぐちつぼとぐち逸、そしてなぜかつぼ浦がいた。
かけっこをしていたのに一瞬で2人を見つけるなんてやるな。
一緒にかけっこすれば良かった。
パソコンからは署長室からの音声が流れている。
「おれがぱそこんのやちゅやるから、ぐちいつがきくやちゅやって!」
ぐちつぼがそういうと署長の椅子に全身を使ってよじよじ登る。
ぐちつぼからしたら大きいその椅子に思いっきり靴のまま仁王立ちすると机に手をついて目の前のパソコンを思うままに弄る。
電源はついてないだろうけど、、、。
『じゃあおえがけいさつだな!おりゃーってじゅーびょーごにはいってくりゅ!』
「じゅうびょうじゃはやいよ!いっぷんまって!」
『あ⁉︎いっぷんはどうやってかじょえるんだよ!』
「え?いーち、にー、で、それで、ろくじゅー!」
子供らしい会話に俺とらだおは悶える。
かわいすぎるこんなん。
「はやくぐちいついって!」
「ん、?」
困り顔のぐち逸が首を傾げる。
こいつはずっと困り顔だ。
「はやく!」
『ほらぐちいちゅはやくだって!なにしゅるかしらないけど!』
「ぎみっくどうなってる⁉︎ってきくの!」
『おお!だってよぐちいちゅ!みみっくどうなってる!?』
「みみっくじゃないよ」
「そういえばぐちつぼは変なセリフにハマってるって聞きました。親、、、?から。」
俺がそう言うとらだおはふーんと言う。
「なーんか嫌な予感するなあ」
らだおはそういうがこの可愛い空間をみてなんでそうなるのか俺には理解できない。
普段の殺伐とした事件現場、血飛沫、爆発、、、そうしてたまったストレスなんて吹き飛ぶくらいに尊いと言う言葉がぴったりの空間に俺は釘付けになっている。
「はーやーくっ!」
『ぐちいちゅしゃべれないの?』
「、、、やらなぃ」
『えっ』
「やりたくなぁい、、、」
消えそうなくらい細い声でぐち逸は言う。
ぐちつぼとつぼ浦はぽかんと口を大きく開けている。
やらないと言う選択肢はふたりにはなかった。
こんなに楽しそうなことなんでやらないの⁉︎と驚きなのだろう。
「、、、なんで?」
ぐちつぼがパソコンを弄る手を止めて聞く。
「、、、」
ぐち逸は何も言わずその場に座り込む。
ポケットから取り出したピンクのかわいいうさぎをにぎにぎしだして完全に2人のことは無視している。
『、、、じゃあおえがいうぜっ!』
「、、、!らだお、うちの、うちのつぼ浦が空気読んでるよ、、、⁉︎」
「これは歴史的瞬間だね、、、!」
2人してパソコンにずいっと近づく。
歴史的瞬間をこの目に収めようと。
「、、、じゃあいって!」
『よぉし!んん、えーっと、みみっくどうなってる⁉︎』
「いまやってる!」
『、、、どういうことだ?』
「どうって、いまやってるってことだよ。それにみみっくじゃないってば!」
『よくわかんなぃ。それより、おえがとくしゅけーじかちゅぼうらだー!ってはいってくりゅから、』
「あっ、うさぎ!」
『だー!きいてよ!』
つぼ浦のおままごとには興味を示さずぐちつぼが気になったのはぐち逸がもったピンクのうさぎだった。
「うさぎ!みせて!」
『なにぃ、うさぎがすきなのかっ!』
無視されたつぼ浦は大して気にする様子もなくうさぎに興味を示しはじめた。
さすが子供だ。
「おれはべつにだけど、りぃむさんとか、ぼしゅがうさぎすきなんだよ!」
『えーっ!うさぎすきなのはばかしかいないぜっ!だってうさぎはかめにまけちゃうし、うさぎのすーぷになるしぃ、おしりにひがちゅく!』
「ちがうよっ!うさぎのぎゃんぐはつよいもんっ!」
『それにっ、うしゃぎは、ほんとは、ぴんくじゃないよ!』
俺たちはあちゃーと頭を抱える。
変な知識だけ身につけたつぼ浦は自分の知識を聞いて聞いてしてるだけだろうが2人からしたら嫌な気持ちになるかもしれない。
間違った覚え方したうさぎの残酷な末路まで教えてるし。
『ぐちいちゅ!そのうさぎかしてっ!おえがかっこよくしてやるじぇ!』
「あかにぬろう!あかいうさぎにする!」
『ばかっ、あかじゃない!』
つぼ浦がうさぎを握る。
ぐち逸はびっくりしてからうさぎを握る力を強める。
絶対に離すもんかという意地を感じる。
なるほど、嫌な予感、ね。
『かーせー!』
「っ、やだぁ、やめてっ」
『ちょっとだけ!』
「だめっ、れぇだーしゃんがぐちいちゅにくれたのっ」
『ちょっとかりるだけだよ!』
つぼ浦に引っ張られて貧弱なぐち逸は立ち上がる。
うさぎで綱引きが始まる。
まずい、俺とらだおは顔を見合わせる。
そして次の瞬間部屋を飛び出て署長室にダッシュした。
事件対応している時より犯人を追いかける時より誰かがいたずらで投げたグレネードから逃げる時より必死に走った。
今100mのタイムを測ったら高校生の全盛期よりいいタイムが出そうだ。
バンっと扉を勢いよく開く。
その音にびっくりしてつぼ浦がうさぎから手を離す。
まだ千切れていなかったことに喜ぶが、突然うさぎを離されたぐち逸はうしろにどてっと尻餅をついた。
うさぎが自分の手に戻って来た安堵も混じってかぐち逸の目にみるみる涙が溜まっていく。
「ぅ、ぅぇーんっ!」
泣いても声量はつぼ浦の通常の半分ほどしかなく、ぼろぼろ溢れる涙とは裏腹に静かな泣き声が響いていた。
俺は急いで駆け寄り両手を開く。
びえびえ泣きながらぐち逸は俺の首に抱きつく。
片手に潰れるほど強くうさぎを握りしめながら。
小さく細い体を抱きしめてやると、全体重を俺に預けて肩で涙を拭く。
とりあえずこのまま抱きしめてれば泣き止みそうだな、と思っていると一層大きい泣き声が聞こえてきた。
『ぇえ゛ーんっ!おぇのうざぎーっ!』
「なんでつぼ浦が泣いてんの、あとあれぐち逸のだから。」
ぐち逸に釣られてか本人もなぜ泣いているのかよく分かっていなそうだがえぐえぐと泣き出すつぼ浦。
しれっとうさぎを自分のものにしているつぼ浦にツッコミながららだおがつぼ浦を抱きしめる。
「人のもの奪おうとしちゃダメでしょ〜、もー」
『だっでぇ゛っーひっ、おぇもうざぎほじぃ゛ぃ゛っ!え゛ーん゛、ぐちいちゅだけずるい゛!うぅ、』
「分かった分かった買ってあげるから、、、」
2人の泣き声が響く中俺はぐちつぼを見る。
困惑しながら今にももらい泣きしそうに目がうるうるしている。
片手でぐち逸を抱きしめながらもう片方の手でぐちつぼの頭を撫でてやる。
「えらいねぇぐちつぼくんは。2人より一個うえだもんね、おにいさんだ。」
優しくそう言うとぐちつぼは小さな声でうん、と言った。
泣かずに耐えられそうだ。
でもちょっと寂しそうだからぐちつぼも一緒に抱きしめる。
ぐち逸の小さな体とぐちつぼのぐち逸よりはほんのちょっと大きい体を抱きしめながら暖かい温度を感じる。
癒されているのは俺のほうかもしれない。
「ハンバーガーたべて、動物園いって、ぬいぐるみ買う、でどお⁉︎」
『いぇーいっ!!!!』
「はんばーがー⁉︎」
「、、、うん。」
車の中で三者三様が喜びを表現した。
俺が提示した一日の遊びプランが気に入ったみたいだ。
まあロスサントスの娯楽の場所といったらカジノかやけに寂しい動物園くらいだ。
初めての動物園で落胆しないといいけど、、、。
「おれぽてとすき!ぽてとたべたい!」
『おれもー!!』
「、、、ぐちいちゅも。」
どうやらみんなポテトが好きらしい。
E5バーガーでポテトを買おう。
だんだんぐち逸が話すようになって来てぐちつぼは大人の前でも笑顔を見せるようになった。
つぼ浦はいつもより楽しそうだ。
俺もらだおもぺいんもいつもより楽しい。
これも仕事だけど最高の休暇と言えよう。
「いただきまーす!」
「成瀬、それ一口」
「はぁ?お前自分の食べてからにしろよ」
「だって、なんかおいしそうなんだもん」
『ぐちちゅぼのひとくち!』
「えっ、やだ!」
『なぁあんで!』
「、、、かにしゃん、ぐちいちゅ、、、たべえなぃ」
らだおと一口くれだのなんだので言い争っていたらぐち逸が俺の裾を引っ張った。
喧騒に消えそうなほど小さな声を聞き逃さない能力が身についた気がする。
「食べれない?」
「、、、ぐちいちゅ、あれできなぃ」
そう言って指差したのはハンバーガーを頬張るらだお。
「おおい!俺の!」
「いただき〜」
まあ一口くらいは許してやるとして、なるほど。
子供の小さな口ではハンバーガーは食べにくいな。
「潰していいんだよ」
そう言って俺はらだおが一口齧ったあとの自分のハンバーガーを潰してみせた。
それを見たぐち逸は眉を顰めてから小さく首を横に振る。
できないのか、いやなのか。
「潰していい?」
ぐち逸のハンバーガーに手を伸ばしそう言うとぐち逸は焦って俺からハンバーガーを守る。
「だめぇ、」
なるほど。潰したくないんだな。
確かに食べ物を思いっきり潰すのに最初は抵抗があった。
じゃあ他の子達はどうやって食べてるんだ?と他2人を見る。
ぐちつぼは一生懸命そのまま食べようとしてるけど齧るたびに後ろから具が出て来ているし今のところバンズしか食べれてなさそうだ。
このままいくと後ろから具が全部出てバラバラになりそうだ。
つぼ浦は、、、最悪だ。上のバンズをとってそれだけをもしゃもしゃ食べている。
全部バラして上から食おうとしているのか、、、。
禁忌の食べ方じゃねえか。
俺は仕方なく店員さんにお願いしてハンバーガーを切ってもらう。
一つ一つに爪楊枝を刺して固定してミニハンバーガーの完成だ。
ぐち逸は満足いって一つずつ時間をかけながら食べ始めた。
ぐちつぼもすげー!と言いながら食べつぼ浦はやってもらったのに一枚ずつバラして食っている。
なんだこいつ。
『かにくん!ぐちいちゅ、それたべきぇないんだよ!』
つぼ浦がそういってぐち逸を指差した。
たしかにぐち逸はお腹いっぱいとでもいいたげに完全にソファにもたれてお腹を抑えている。
お皿にはハンバーガーとポテトがまだ残っている。
『だから、おえがぽてとくっていい⁉︎』
「お前はまずトマトを食べなさい!」
つぼ浦はトマト以外をきれいに食べ切っている。
『ぽてとくったらとまともくう!』
「‼︎、だめ、、、ぽてとはぐちいちゅたべれぅもんっ」
『ええっ⁉︎』
どうやら大好きなポテトだけはお腹いっぱいでも食べれるらしい。
つぼ浦はがーん、と頬に両手をあてる。
奪わなくなったところは成長だ。
「おれにもぽてとちょーだい!」
「ちがぁぅ、、、ぐちいちゅの、!」
「じゃあはんばーがー!」
「、、、いいよ」
やっぱりハンバーガーならいいらしい。
ぐちつぼはぐち逸からハンバーガーをもらい頬張る。
食べ盛りみたいだ。
かわいいなぁと思いながら眺めていたらいつの間にか俺のポテトが半分くらいなくなってる。
「おい!?食った!?」
らだおとぺいんが顔を合わせて首を傾げる。
「食ってないけどね。」
ばっとつぼ浦を見る。
さっきまでしてなかったのになんかもぐもぐしてる。
「おおい!」
『おえじゃないっ!』
前言撤回。普通に奪って来た。まったく成長してない。
ぐち逸から奪うとめんどくさいことになると言う悪知恵だけ学んでいやがる。
俺ははあとため息をつく。
手のかかる奴らだ、、、。
「あ゛ーつかれだぁ、、、」
「俺変わりますよ」
「だのむ゛、、、」
「、よぃしょ、、」
『ぺいんじじい〜!!』
「はー⁉︎つぼ浦のほうがおじいちゃんなんですけどぉ⁉︎」
『ちがうしぃー!』
らだおの背中の上でバタバタと足を揺らす。
俺はぺいんからぐち逸を預かり背中に乗せる。
動物園にみんなで来たはいいもののはしゃぎまくったせいで子供達が疲れてしまった。
寂れた動物園で落胆するかもなんて言う心配は杞憂にすぎなかった。
あちこちを駆け回り檻の中に入ろうとしたり動物の真似をしたり騒ぎに騒いだ結果疲れきったつぼ浦とぐち逸はもう歩けないと言い出し俺たちでおぶっているのだ。
ぐちつぼは俺と手を繋いでいたが今は交代してぺいんと手を繋いでいる。
抱っこされるのはあまり好きじゃないみたいだ。
心を開くのには時間がかかるタイプかな。
「もー、ぐちつぼくんを見習ってよ〜、、、ほんとぐちつぼくんはえらいね!立派なおにいさんだね」
うん、と小さく言ってぺいんの手をぎゅっと握る。
もしかしたらおにいさんと言われるのはあまり好きじゃないのかも。
「ほら、そこのお土産屋さんでぬいぐるみ買って帰ろ」
『え゛ーっ!おえはまだどーぶちゅえんでもいいぜっ!』
「じゃあ歩け!」
さっきまで遠くに見えていたお土産屋さんにやっとの思いでついた。
ぐち逸を降ろすと歩きたくないと言いたげに背中にくっついたままだったけど周りにたくさんのぬいぐるみが置いてあることに気づいてさっさと離れていく。
つぼ浦もぐちつぼも目を光らせて店内を走り出した。
「あっ!うさぎ!うさぎいるよっ!」
ぐちつぼが指差した先にはぐち逸のピンクのうさぎの色違いがあった。
白と水色。形は全く同じだけどピンクはなかった。
「あかない、、、」
『ぴんくもないじゃん!』
「ピンクはもう売ってないのかもね。ぐちつぼくんは赤が良かった?」
「うん、、、ぼしゅたちはあかがすきだから」
「つぼ浦もうさぎが良かったの?」
『おえはうさぎよりちゅよいのがいいー!』
「うさぎもつよいぜっ!」
2人はそう言いながら辺りを見回す。
気に入るぬいぐるみを探すがなかなか見つからないみたいだ。
にしても、案外高いぬいぐるみに財布を確認する。
お土産コーナーってやけに高いんだよなあ。
「これとかいいじゃん笑」
「じゃあらだおこれな。」
らだおとぺいんがゴリラとなまけものをお互いに押し付けて言い合いをしている。
あいつら3人にあてられてガキに戻ったのか?
俺が一番後輩なのに俺が一番面倒見てるじゃん、、、。
そんなことを考えているとつぼ浦のでかい声が聞こえた。
『おれぇこれにする!かにくん!みて!』
声の方に向かうとつぼ浦が手のひらサイズのキーホルダーを見せて来た。
それは俺の被り物とよく似たペンギンのぬいぐるみだった。
「わ、これ?」
驚いて聞くとつぼ浦は嬉しそうに頷く。
もうこれしかありえない!とぎゅっと抱える。
「わあ!おれもこれにするっ!」
「、、、!ぐちいちゅも、、、」
2人も寄って来てペンギンのキーホルダーを手に取る。
これっ、とぐち逸が俺に見せてくる。
「、、、かにしゃんみたい」
俺の顔とキーホルダーを見比べてぐち逸は満足そうに頷く。
「みんなでかにさんおそろい!おれのまちにもどっても、かにさんこれでおもいだせる!」
笑顔でそう言ったぐちつぼに俺はなぜか涙が溢れた。
この3人には苦労した。
それでも俺のキーホルダーをみんなで持とうとしてくれるくらいに懐いてくれたなんて。
嬉しくて嬉しくてたまらない。
こんなに幸せなことがあっていいのだろうか。
『かって!』
「おれも!」
「、、、ぐちいちゅ、おかねなぃ」
3人が俺にキーホルダーを渡す。
まあ、分かってたけどさ。
そりゃ買いますよ?買いますけど、、、。
なんかなぁ。嬉しいけど俺が買うんだよね。
すんと涙は止まったけど心は幸せな気持ちで満ちていた。
きっとぐちつぼにはもう会えないだろう。
そう思うと寂しいし、そうなるとこの3人はもう見れないんだ。
それでも、それでもみんながこのペンギンを見て今日のことを思い出してくれたらいいな。
ずっと思い出と共に大切にしてくれますように。
そう願いを込めながら3人にペンギンを渡した。
『ばいばぁーいっ!!!またな!またきてもいいぞー!』
去っていく車につぼ浦が大きな声で言う。
車の窓からぐちつぼとぐち逸が手を振っている。
が車はすぐに見えなくなってしまった。
長いようで早い一日だった。
それで癒されたようで疲れた一日だ。
「楽しかった?」
らだおがそう聞くとつぼ浦はうん、と深く頷く。
『おえのさ、おえのおともだちだよねっ?へへっ、おともだち』
「ふふっ、良かったねえ。」
初めてのお友達につぼ浦は頬を赤くする。
喜びを噛み締めるようにペンギンを握りしめる。
『ぐちいちゅと、ぐちちゅぼ、へんなやちゅだったな!』
お前が言うな。と言いたいがグッと堪える。
言えば怒るだろう。
まあ、確かにつぼ浦に負けず劣らず2人も変な奴だった。
類は友を呼ぶのか、でも3人とも大人になったらきっとすごくかっこよくなるだろうな。
道はまったく違えどきっとその場所で輝くんだろうな。
つぼ浦を見る。
うとうとし出してらだおに抱きつく。
『ちゅかれたぁ、、、だっこ』
「はいはい」
でもこのままいったら世間知らずのわがまま坊やになりそうだ。
でも俺たちはでろっでろに甘やかしちゃうんだよね。
成瀬夕コ視点
「ぐち逸、どうだった?」
警察署からぐち逸を受け取りアジトに帰る車の中でそう聞く。
ぐち逸はいつもより緩んだ頬を隠す様子もなく嬉しそうに話し出す。
『、、、こぇ、みんなでおそろぃ。、、、うしゃぎが、なくて、あ、うしゃぎひっぱっちゃった。あの、ちゅぼうらがぎゅーって、、、。ぐちいちゅ、がんばったけどぉ、、、ないちゃった、。』
「すぐ泣くんだから。」
レダーが言うとぐち逸はむすっとする。
あーあ。いつもよりにこにこ機嫌よさそうで可愛かったのに。
「そっかあ!ぐっさん楽しかったんやねぇ!よかっだぁ゛」
「なんで泣いてんの。」
「なんかがわ゛い゛ぐで、、、」
なぜか泣き出す音鳴にドン引きしながら牢王がぐち逸をわしゃわしゃ撫でた。
そのまま頬を引っ張ったり潰したりもみくちゃしにしたりする。
キュートアグレッションでどうにかなってるな。
『ぁう、やぇて、、、』
「はぁ、、、かわい」
可愛すぎて頭を抱え始めた牢王は置いておこう。
「あとは?」
『ぅーんと、、、ぽてとたべてぇ、ぽてと、ちゅぼうらとぐちちゅぼがちょうらいって、、、ぐちいちゅのを。でもぽてと、、、あ、うしゃぎ、ほんとうのうしゃぎさんいた、!あのね、、、んと、ぴんくじゃなくてぇ、、、ほんとは、、、ぃろ、、』
話しながらだんだんと勢いがなくなっていく。
まだまだ話したいのに体は疲労いっぱいで寝ようとしちゃってる。
もごもごと動く口とは裏腹に瞼が閉じていく。
『んぇ、、、かにしゃん、、、、、、ちゅ、、、、、、ぅ』
かくんと隣にいる牢王にもたれた。
完全に寝たみたいだ。
俺たちは静かに目を合わせて笑った。
こんなにたくさん話すぐち逸は初めて見た。
すごく楽しかったみたいだ。
なるせ視点
「どうやったんやぐちつぼ!」
「友達できた?」
「疲れたでしょ、寝ていいよ」
「俺に会いたかったよね。」
「今やってる!ってやれた?」
警察署からぐちつぼを引き取って帰りの車の中。
ぐちつぼは質問攻めにあっている。
俺たちはぐちつぼのことが心配で心配で仕方なかった。
知らない街、知らない人たち、人見知りなこの子。
嫌なことはなかったか、不安で不安で仕方ない。
『すごくたのしかった!どうぶつえんですっっっっごいかっこいいおおかみみた!あと、ぼしゅみたいなごりらもいた!』
「誰がゴリラや」
ぐちつぼはくふくふ笑う。
楽しかったならいい、いいけど、、、。
「ちょっと元気なくないぐっち?どしたのなんかあった?」
ローレンがぐちつぼを撫でながら聞いた。
うんやっぱり気になる。
ほんのちょっとだけど、元気がないように見える。
『、、、うぅん、』
首を横に振るぐちつぼ。
俺は一つため息をついてぐちつぼに言う。
「嘘つかないの。いいんだよ何言っても。教えて?」
ぐちつぼは下を向いて自分の服の裾をぎゅっと握る。
と、次の瞬間にはボロボロと涙が溢れていた。
泣くのを我慢していたのか堰を切ったように涙が溢れてくる。
『おれぇ、おれぇっ、うぇーんっ!、』
「どしたの〜」
バニラがのんびりと聞く。
泣くぐちつぼにこうして話しかけるのは日常茶飯事だ。
『おれぇ、、、まだっ、まだおにいさんじゃないもんんっ!、ほんとはっ、だっこがいぃ、おにいしゃんなんかじゃない!、え゛ーん゛っ!』
おにいさん、ね。
2人より一つ年上だったから突然“おにいさん”になっちゃって困惑しちゃったのかな。
俺たちが甘やかし続けた結果だ。
自分が一番に甘やかされないことも、おにいさんだからそれを我慢しなきゃいけないことも寂しかったんだね。
大丈夫。ぐちつぼはまだまだ子供だしただの甘えん坊でもいいんだよ。
『ぎゅーってしでぇ゛っ!』
「んー!だいじょーぶ。ぐちさんはまだまだガキ!」
バニラが抱きしめてそう言う。
べったりバニラに抱きついて強く服を握りしめているぐちつぼは俺たちから見たらまだ赤ちゃんみたいなもんだ。
この先もずーっと甘やかしてあげるしおにいさんが嫌ならならなくていい。
ずっと好きなことして、好きに感情表現していい。
『んん゛ん゛っ、がきじゃないもんっ!』
ガキもおにいさんも嫌らしい。
このわがまま坊やめ!
そう思いながらぐちつぼの頭を撫でる。
みんなで可愛がりながら家へ帰ろう。
大泣きしても離さないぎゅっと握りしめたペンギンのキーホルダー。
初めての感情に出会って、おにいさんになってみたりして、ちょっと悲しいこともあったけど握りしめたペンギンは幸せに微笑んでいた。
ぐちつぼが今日のことを思い出して笑えるくらい、立派な男になれますように。
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