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ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

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ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

31 - 社長に対して、いつもそんな失礼なこと思ってんのか……

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2024年09月15日

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一方、レストランで大吾たちと向かい合って座るあかりは、ちょっと緊張していた。


うーん。

スーツとか着ると、やっぱり似てるな。


そのとき、大吾がこちらを見て訊いた。


「おい、ストーカー鞠宮。

なんにする?」


「あの、ストーカーやめてください」


横で来斗が、何故、ストーカー? という顔していたからだ。


「いや、ストーカーとかつけて呼ばないと、ちょっと惑わされそうな可愛さだからだ」

「なにがですか」


「お前が。

実は、お前、俺の好みなのかな」


ひっ。

なんなんですか、この人、真顔でっ、と姉弟そろって照れる。


そこで、来斗がコソコソ言ってきた。


「この人、すごい人だな。

社長と同じ顔だけど。


社長はあの顔でも、性格的にグイグイ来そうにないから、実はモテないんじゃないかと思ってるんだけど」


いや、社長に対して、仕事しながら、いつもそんな失礼なこと思ってんのか……。


「この人、この顔でグイグイ来るよ。

俺が女なら、即落ちするね」

と来斗は大吾を絶賛する。


そのまま来斗は、何故、ストーカーと呼ばれているのか、については追求してこなかった。


どうやら、カンナが気になって、気もそぞろらしい。


うわ~、大丈夫かなあ、と連れてきておいて、あかりは不安になる。


来斗は照れてるけど、カンナさん、無表情だしな~。


絶対、相手にもされてないよな~。


来斗、本気になって、振り回されちゃったりしないかな。


美女の顔でも眺めながら食事したら楽しいんじゃない? と思った姉心があだになってしまったかも、

と思うあかりの中の、弟の評価はとても低かった。



一方、大吾もその頃、妹、カンナに小声で話しかけられていた。


「なんだかわからないまま、連れてこられたけど。

この人たちは誰?」


「青葉の元カノとその弟だ」


細かいことは気にしないカンナは、なんで青葉の元カノと会ってんの、とは訊いてはこなかった。


「じゃあ、大吾と弟さんとはなんの関係もないのね」

「弟は今、初めて会ったぞ」


「そうなの。

実は、大吾が弟さんの方と付き合ってて、私に紹介しようとしている、というパターンも考えたんだけど」


「どうしていきなり、そのパターン考えてみた……」


「気になったから」

と表情も変えずにカンナは言う。


「……気になった? なんで」


カンナは真っ直ぐ来斗を見て言う。


「すごいイケメン。

今までの人生で出会った中で、一番好みかも」


「うーん。

まあ確かに、顔は……。


ストーカー鞠宮によく似て綺麗な顔だな。

お前、こういうスッキリ系が好みだったんだな。


……ていうか、気に入ったのなら、そんな冷徹な顔で見下してないで、微笑めよ。


理解されないぞ」


お前はうちの母親か、寿々花さんか、と注意する。


大吾の中で、彼女らは愛情の伝わりにくい人たちの代表だった。


「わかった。

愛想よくするから、このあと、二人きりにして」


「……なんか不安しかないが、まあいいか」


っていうか、お前と弟を二人きりにしたら、俺たちも二人きりになってしまうんだが、と思いながら、大吾はストーカー鞠宮を見る。


ストーカー鞠宮は弟となにかコソコソ話していて。


心配そうな顔をしたり、不安げにこちらを窺ったりしていた。


初めて巣から顔出して外覗いてる子リスみたいだ……。


そんな鞠宮あかりを見ながら、大吾は思っていた。


妙なものだな。


青葉と俺。


顔はよく似てるけど。

性格的には全然似ていない気がするのに。


女の好みだけ一緒だとか――。




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