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さかな
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#WB夢
紅葉 転生
53
それから数分後。時刻が1時を過ぎた頃だった。
ピンポーン
ストレッチャーや電子機器を運ぶ時に使う、
業務用のエレベーターの到着音が小児科に響く。
蘇枋「来たね」
楡井「すいません。手伝ってもらっていいですか?」
楡井が他の夜勤の看護師に声をかけ、複数人で患者を迎えに行く。
.「ストレッチャー通りまーす」
救急の女性看護師が声をかけながらストレッチャーを出す。
後ろの方から、やけに長身で俯きがちな男性看護師が出てきた。
楡井「あ、杉下さんも夜勤だったんですね」
救急看護師の杉下京太郎だ。
若手ながらもテキパキ動けて処置も的確。
学生の実習時からその才を認められており、就職活動ではどこの病院でも引っ張りだこだった。
杉下は楡井を軽く睨んだ。
楡井はその目つきに怯む。
蘇枋「(わぁー、すごい機嫌悪いなー)」
遠くから蘇枋が眺めている。
杉下が持っていた後方部分を蘇枋が変わる。
蘇枋「そんなに睨まないであげてよ。
眠いのはわかるけどこっちも頑張ってるんだ」
杉下「…チッ」
舌打ちをしてそっぽを向いた杉下。
一方で楡井は女性看護師から今の状態を聞く。
.「電子カルテにある通り、20分前に意識が一時覚醒して、その時自己抜去しました。
それから興奮気味だったので鎮静剤を投与しました。
再び目を覚ますとまた抜いてしまう可能性が高いので、手首の拘束または手袋をおすすめします」
楡井「了解です。ありがとうございました」
.「よろしくお願いします。ではこれで」
.「杉下くん、行くよ」
杉下「…コクッ」
呼び掛けに頷いてエレベーターに乗り込む。
そのまま扉は閉まった。
楡井「よし、じゃあ行きましょう」
四人がかりでストレッチャーを押す。
ベッドをチラッと見ると、白黒の男の子が眠っている。
まだ熱が下がっていないのか、
頬は桃色に染まり胸板を必死に上下させ、懸命に生きていた。
病室に入り、息を合わせてストレッチャーからベッドに移す。
心電図モニターを傍に置き、ナースコールを取りやすい場所に設置して完了。
楡井「…どうします?蘇枋さん」
蘇枋「どうするったって…インシデントになるなら、やるに超したことはないけど…」
先程看護師が言っていた『手首拘束』。
目を覚ました時にまた点滴を外すかもしれない彼を、少し縛る必要がある。
楡井「家族に連絡してからでしたよね?」
蘇枋「いや、手首どちらかだったら特に許可はいらないよ」
「まぁけど…」
楡井「心苦しいですよね」
蘇枋「そうだねぇ」
患者の自由を奪うと同時に精神的負担にもなる拘束。
1箇所でも不便ができてしまうと、ストレスが溜まってしまい回復にならないということもあるが…
蘇枋「…やろうか」
楡井「そうですね」
コメント
1件
第3話、めっちゃリアルな医療現場の空気が伝わってきてドキドキしたよ〜!蘇枋さんと楡井さんのコンビ、すごくいい感じだね😊 でも杉下さんの機嫌悪そうな雰囲気が気になる…!患者さんの拘束についての葛藤がすごく心に刺さった。自由を奪うことの辛さと、安全を守る責任の狭間で揺れる気持ち、わかるなあ。次はどうなるんだろう!楽しみすぎる🌸