紫side
桃「も〜だぁいじょうぶだって」
不意に聞こえた桃くんの声
声のする方向を見れば誰かを抱き締める桃くん
誰かを慰めてる…?
桃くんの腕の中を見れば
青「えッ…わんわんッ…?」
赤「ハァッハヒュッ…ハッハッヒュー…ゴホゴホッ…オェッ」
胸を掴み苦しそうに呼吸しながら震える
赤くんがいた
紫「赤くんッ…!!」
桃「大丈夫、大丈夫だから。」
桃「ゆっっくり深呼吸して」
背中を擦りながら大丈夫と声をかける桃くん
身長差も相まってその様子はさながら親子
赤「ハァッ…カヒュッハッハッ…ヒューゴホゴホッ…」
桃「大丈夫。すぐ楽んなるからな」
そう一声かけた後おもむろに口を塞いだ
橙「桃ちゃん…!?」
悲痛な声で名前を呼ぶ橙くんは
怖くなったのか桃くんを引き剥がそうとする
黄「落ち着いて下さいッ…」
それを驚く程の力で止める黄くん
青「なんで止めてんのッ…!?」
黄「今赤は過呼吸を起こしてます」
黄「パニックで過剰に呼吸したせいで血中の
二酸化炭素が足りなくなってるんです」
黄「体が震えてるのもそのせいです」
声を震わせながら説明をする黄くん
黄くんが指をさす方向を見れば
桃「そう、ゆっくりゆっくり」
桃「大丈夫。落ち着いて呼吸して」
桃くんがいつもより何倍も優しさの篭もる
低い声で話しかけながら背中を摩っていた
桃「大丈夫、大丈夫だからな」
赤「ハァッ…ハァッ…」
桃くんの声に応えるようにして
ゆっくり呼吸しようと頑張る赤くん
そのお陰か息もだいぶ落ち着いていた
桃「よっ…」
桃くんが赤くんを姫抱きにする
桃「部屋行っていい?」
紫「ぁ…ぁぇ…いい、よ…」
桃side
紫ーくん、赤の順でパニックを起こした
同時じゃなかったのが救いだな
呼吸は落ち着いた赤だが
まだ少し手足が震えていた
許可を取り、部屋に連れて行く為に
赤を姫抱きにする
部屋に着き赤をソファに下ろす
桃「大丈夫か?」
赤「うん……ありがと」
隣に自分も腰を下ろしソファに身を沈める
桃「ごめん先座って。皆も座って」
黄「ぁ…えと…はい」
青「あ、うん…」
橙「紫ーくんも座り?」
紫「ぁ…えと……」
橙に促されても座ろうとしない紫ーくん
未だ胸元に手を当て呼吸していた
紫「ふぅ…ふぅ…」
目を瞑り俯いている為表情は読み取れないが
この状態に既視感のあった俺。
全てに気づき紫ーくんを姫抱きにする
紫「さッ…桃ちゃッ…?」
桃「うん、大丈夫大丈夫」
橙「紫ーくん?桃ちゃん?」
黄「どうしたんですか…?」
赤「紫ーくん……」
皆が口々に声をかける中俺は
紫ーくんをソファに下ろす
何かあってもすぐ対処出来るように
俺は赤と紫ーくんの間に座った
それをきっかけに皆が黙りこくる。
このまま無言だと話が進まない
皆アイコンタクトで誰が話すのか
やり取りしているようだった
桃「今日何だかんだ仕切ってごめん」
静寂が切り裂かれ、俺の言葉が口火を切る
それをきっかけとして皆が口を開いた
橙「いや…それは全然大丈夫なんやけど…」
黄「正直何が起きたのか把握できてない
というか…」
青「何が起きてんの?」
桃「紫ーくん、今日は急に来てごめん」
紫「ぁ…いや…それは大丈夫…なんだけど…」
桃「で…まだ怖い?不安?」
紫「へッ……?」
黄「ごめんなさい!怖がらせちゃって…」
青「聞き方僕良くなかったよね…ごめん…」
橙「怖がらせてごめんなぁ…」
赤「紫ーくん…ごめん…」
紫「ううん…もう大丈夫…」
桃「で…紫ーくん、全部話せる?」
紫「ッ…」
和らいでいた表情が苦しげに歪む
そんな紫ーくんをみて俺は
左手を頭に乗せ優しく撫でた
桃「大丈夫、誰も怒んないから」
紫「ごめん…ありがと」
紫「俺ッ…」
コメント
4件
続き気になりすぎてハゲそう...
桃くんも焦ってるだろうに冷静に行動できるのすごいな✨