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理想郷はどこにあるのだろう。
夢の中で過ごし続けたい。なのに必ず目覚めてしまう。
もう誰からも見放されてしまった。だから別に俺が命を絶ったところで誰にも迷惑はかからない。そう分かっているのに、何故か手が動かない。死ぬのが怖いんじゃない。死に損なって痛みを伴ったまま悶えることが怖いのだ。だから毒を手に入れた。透明で鮮やかな紫を輝かせる液体。
ようやく苦しみから解放される。
10⁄5
○○たちに急に奢れと言われた。普段の感謝も込めてジュースを奢った。
10⁄6
○○たちに今日も奢れと言われた。2日連続はやばいので断った。
10⁄7
○○たちに今日も奢れと脅された。1発顔を叩かれたので仕方なく奢った
10⁄8
○○たちに今日も奢れと言われた。さすがに断り続けたら全員に殴られた。身体が今まで感じたことのないような熱を帯び、ずっとヒリヒリする。風が俺を痛めつける。
10⁄9
誰からも話しかれられない。疎外感だけが残った。
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11⁄24
もう学校に行きたくない。こんな短期間でどうして俺だけこんな目に会わなきゃいけないのだろう… しんどい
俺は日記と毒の入った容器を抱えて近くの廃墟へ向かった。そこはもともと雑貨屋だったが数年前に潰れて放置されている。雑貨屋にしては大きめな建物のすぐ横には川が流れている。この日記を買った雑貨屋で死のう、俺はそう決めた。埃まみれの床を歩き、階段を通り屋上へ向かう。夜風が俺の身体に叩きつけてくる。ボロボロになっている柵を蹴り飛ばす。形骸化した柵の欠片は川の水底へ吸い込まれ大きな水飛沫を作り上げた。その場所に俺は日記を投げ捨てる。
「あいつらだけは絶対に許さない。」
そう呟いて毒の蓋を開ける。使用用途の何倍もの量を飲む。体が少し熱くなるような痛くなるような感覚が駆け巡る。俺はゆっくりを身体を投げ、重力に身を任せた。
「さようなら、世界。」