アメ日、もしくは日アメです。
書くのが苦手なほのぼの系に挑戦してみました。誤字脱字あるかもしれません。
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甲高い目覚ましの音が1人しかいない部屋に響く。それを止めてからゆっくりと体を起こす。 いつもより早く起きたがそれには理由がある。今日はアメリカさんと出かけるのだ。まあ、俗に言う『デート』という奴だ。
、、、服、どうしよう
そう思いながらも、結局はいつも当たり障りのないシンプルな洋服に落ち着く。
洋服に着替えて、朝食を食べる。とは言っても、昨日の夕食の余り物の煮物なので、電子レンジで温めるだけなのだが。
煮物を温めている間に、アメリカさんにラインを送る。この時間はいい大人のくせに一丁前にときめいてしまう。
そうしているうちにレンジは音を立てた。温まった煮物を取り出し、ラップを外す。 息を吹きかけて冷ましながら、人参を口内に放り込む。まだ熱かったな。
そう思いながら大根に箸をつけたとき、アメリカさんから返信がきた。アメリカさんも楽しみにしているのが分かるのが、とても嬉しい。アメリカさんにラインを返した後、大根を頬張った。
「おーい!日本!」
明るい声が私を呼んだ。声の主はもちろんアメリカさんだ。
「おはようございます。アメリカさん」
「おはよう!今日は何処に行く?」
「ふふっ、実はもう考えてあるんですよ」
「流石だ!準備がいいな!」
「さあ、こっちですよ」
目を輝かせているアメリカさん、本当に愛おしくてたまらない。案内しようとすると、アメリカさんは私の手を当たり前のように握ってきて、思わずドキッとする。アメリカさんと手を繋ぐなんて、何回もしたことなのにな。
「何処に向かってるんだ?」
「お弁当屋さんですよ。結構人気な」
「おお!それは楽しみだ」
「期待してもらっていいですよ?」
「じゃあ、大いに期待させてもらうぞ」
話していると、あっという間に時間は過ぎ去っていき、お弁当屋さんの前まで来た。
「今日は並んでいないみたいです。よかったですね。」
「さっそく選ぼうぜ!」
アメリカさんはすぐに店内に入っていき、手を繋いでいた私も、引っ張られるようなかたちで店内に入った。
「すげぇ色んな弁当ある」
「どれにしましょうか」
「マジでいっぱいだ。ワクワクするっ」
「私は鮭のお弁当にしますが、アメリカさんはどうします?」
鮭のお弁当を手にとって、アメリカさんの方を見る。アメリカさんの視線は、薄く切った牛肉が贅沢に乗せられ、卵焼きが添えられたお弁当に向けられていた。
「これにします?」
アメリカさんが見ているお弁当を指さした。
「な、なんでわかるんだ?!」
「いやぁ、熱心に見つめていらしたので」
2つのお弁当を持って会計を済ませた。
お弁当が入れられた袋を持って、店を出る。
「なあ!はやく食べようぜ!」
「待ってくださいよ。まだです。」
「Why!?どうしてだよ!」
「もうすぐ分かります。」
会話しながら歩いて、近くのコンビニに着いた。次の目的地はここなのだ。
「ここで好きなお菓子を買ってください」
「いいのか!?」
「ええ、アメリカさんにはお世話になっているので」
アメリカさんはカゴにポテトチップスやチョコレート、グミ等を沢山入れて行く。そんなに喜んでくれるのなら、奢り甲斐があるってものだ。会計をして、お菓子を渡すと、飛んで喜ぶ勢いだった。
「アメリカさん、次の場所で食べましょうか」
「やっとか!待ってたぜ!」
「任せてください。とっておきの場所があるんです」
お弁当があまり冷めないように、なるべく早歩きで目的地へと向かう。見えてきた。
「日本!すげぇ!めっちゃ花咲いてる!」
「ここです。さあ、行きましょう。」
一足先に花畑の敷地内に入り、アメリカさんを誘導する。ウッドデッキの上の椅子に座り、机に買った物を置く。アメリカさんも隣に座る。思っていたよりもずっと近くて、心臓の音が聞こえてしまいそうだ。
「一緒に食べようぜ!」
「もちろんです。」
お弁当の蓋を開けると、ほのかに美味しそうな匂いが漂う。隣はもう既に食べ始めていて、食べっぷりがいい姿に心が和む。
「日本!これめちゃくちゃ美味い!」
「でしょう?今日のために沢山下調べしたんですから」
会話しながら1口目を食べる。脂がのっていて身が柔らかい、いい鮭だ。皮もパリッと焼かれていて、皮ごと食べられる。
「このお弁当も絶品です」
「なあなあ!1口交換しようぜ!」
「もちろんです」
アメリカさんから渡されたお弁当を受け取って1口食べる。申し訳ないから、牛肉は小さなものを選んだ。あまじょっぱい味付けで、やはり白米と合う。
アメリカさんは陽気な声で、
「最高だ!」
やらなんやら、賞賛の言葉を並べていた。
お弁当を食べ終え、アメリカさんは意気揚々とした様子でお菓子を開けた。
「日本もほら!」
と声をかけてくれたアメリカさんは、ポテトチップスをパーティー開けして3枚同時に掴んでいた。お言葉に甘えて私もポテトチップスを1枚手に取った。食べると、カリッと音を立てて割れ、口内で幸せな油と塩味が広かった。
アメリカさんはチョコレートやグミをコーラと合わせて食べて、世界で1番幸福だとでも言うような顔をしていた。
お弁当とお菓子を堪能した後は、少し花を見て帰ることにした。
アメリカさんが頻繁に、
「この花なんだ?」
と聞いてくるものだから、話す内容には困らなかった。
日が落ち始めた頃に、アメリカさんからとんでもない発言が飛んできた。正直、自分の耳を疑った。
「なあ日本。この後俺の家に泊まらないか?」
「へ?」
びゅん、と、風が私の言葉をさらっていく。
「あ、いやぁ、今日は親父もカナダも居なくてさ、1人は寂しいなあって」
「私でいいんですか?アメリカさんは皆に人気なんだから、私なんかじゃなくてもっといい人がいるはずです。」
本当は嬉しいのに、なんで突き放してしまうのだろう。
アメリカさんが私を頼ってくれるなんて、この上ないものなのに。
「何言ってるんだ?」
ああ、どうして。
やっぱり自分なんかじゃ駄目みたいだ。底のない自己嫌悪の海に突き落とされた気分だ。
「日本がいいから、言ってるんだぞ!」
周り全ての音が失われて、その声だけがよく響いた気がした。一瞬で闇に沈んだ心が光につつまれた。
「日本がいいから、じゃないと言わないぞ?」
「アメリカさん」
「どうしたんだ?」
「…いえ、なんでもありません。行きましょうか!」
「?、おう!嬉しいぜ!」
「全くもう、」
私は眠っているアメリカさんに布団をかけた。すぅすぅと寝息をたてて眠る姿はあたかも子供のようだ。部屋は思っていたよりも汚れていなくて、イギリスさんかカナダさんが定期的に掃除に来ているのが想像できる。
夕飯に私が簡単な和食を作ると、アメリカさんは喜んで食べてくれた。食べ物を食べているときの無邪気な笑顔が素敵だった。何事もなく無事に素晴らしい1日を終えた。
少しだけ、ほんの少しだけ期待した自分は無粋で馬鹿だ。
だけどこの人の寝顔を見ていると、なんだかどうでもよくなってきた。
私はその寝顔にキスをした。
普段なら照れくさくて絶対にできないけど。
「おやすみなさい。私の愛しいアメリカさん」
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建国記念日ですね。日本誕生日おめでとう!
続きは考えてませんが、気が向いたらまた日本関連のカプを書くかもしれません。
後はお知らせ、テスト前なのでしばらく投稿出来ないと思います。
コメント
2件
え、推しカプだぁぁぁッッ✨️ 最高すぎる!!✨️ 推しカプが見れるなんてうれぴすぎる...🫶🏻️︎💞