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「うわぁー! すごい! ひろーい! 海! プール!」
週末、鬼龍家の面々や来られる組員たち皆で、プライベートヴィラへとやって来た。
ここは海が一望出来る場所にあって、五棟ある宿泊施設を一棟を貸しきれるというものなのだが、あくまでも家族水入らずで過ごしたかった理仁は全ての棟を貸し切り、折角だからと来られる組員たちも誘ってやって来たのだ。
部屋の広さは勿論、簡易遊具やちょっとした広場、プールに露天風呂、バーベキューなどの設備も完備され、子供から大人まで楽しめる施設だった。
「パパ、プールであそぼー!」
「ああ」
「ママとりまも、プールであそぶ?」
「理真はまだプールは無理だから、ここで見てるね」
「そっか! わかった!」
一緒に入れない事を少し悲しんでいる様子だったけれど、プールは部屋からも見られるので窓を開けていれば一緒に入れなくても楽しめると納得したのか、駄々をこねたりはしない悠真。
いつになくはしゃぐ悠真を前に、皆も普段の生活を忘れるかのようにはしゃぎ、楽しんでいく。
夜には皆でバーベキューをしたり、花火をしたりして過ごし、悠真は終始楽しそうだった。
皆それぞれの部屋へ戻り、理仁と真彩、悠真と理真の家族四人だけになった部屋で、真彩が悠真に今日の感想を聞いてみた。
「悠真、今日はどうだった?」
「たのしかった! みんなでプール入ったり、かけっこしたり、お肉たべたり! はなびもきれーだった!」
「そうだね。楽しかったよね」
「ママもりまも、たのしかった?」
「うん、勿論。理真もね、悠真たちが遊んでいるところを見て、嬉しそうに笑ってたよ」
「そっか! はやくりまもいっしょにあそべるといいな!」
「そうだね、もう少し先になるけど、理真も遊べるようになったらまた来たいね」
「うん!」
ベッドに横になりながら今日の感想を聞いた真彩は悠真が凄く楽しんでいた事を改めて嬉しく思った。
「真彩、そろそろ理真のミルクの時間だぞ」
「あ、うん、そうだね」
悠真と話をしている間、別のベッドに理真と横になっていた理仁が真彩に声を掛ける。
「よし悠真、そろそろ寝るぞ。明日も夕方までは遊び放題だ、早く起きてやりたい事をやる為にも寝なきゃだろ?」
「うん! ママ、りま、おやすみ!」
「おやすみ、悠真」
理仁と悠真が一緒のベッドに横になると、真彩は理真を寝かせていたベッドへ移り、理真に母乳をあげながら嬉しそうに横になっている二人を眺め、幸せを噛み締めていた。