テラーノベル
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カラオケの廊下。
夜やのに、妙に静かで。
飲みもん取りに行こうとして、
ちょうど同じタイミングでドア開いた。
「……あ」
二人とも心の中で声が出る
(気まず……)
一瞬、気まずい空気。
先に目に入ったんは、
さらさらの黒髪と、
ちょっと驚いたみたいな大きい目。
(……綺麗な子やな)
それだけで、心臓一回跳ねた。
その子はジュースの前で悩んどって、
「…これ何味なん、……??」
って独り言みたいに言う。
俺、思わず
「それ、結構甘いですよ」
って口に出してもうて。
びっくりした顔でこっち見て、
次の瞬間、ぱっと笑う。
「え、ほんとですか?…
ありがとうございます!!」
その笑顔で、
あ、終わったって思った。
心ん中の何かがぶっ壊れる音した。
部屋戻るタイミングも一緒で、
歩きながらふと気づく。
(……あれ、隣?)
その子も同時に気づいたみたいで、
ちょっと照れたように
「隣でしたね」
って。
その瞬間、
隣の部屋から歌、聞こえてきたこと思い出す。
この子の声か…。
上手すぎて、
友達と「隣の人めっちゃ上手くね??」って話してた。
(……なんやこれ)
ドア閉まる前に、
気づいたら言うてた。
「……歌、めっちゃ上手ですね」
一瞬きょとんとして、
次の瞬間。
あの、忘れられん笑顔で。
「うれしっ」
「あなたも……ちょー上手ですよ!」
……あかんやろ。
そんな顔で、
そんな言い方で。
その日は、
連絡先交換しただけ。
なんでかも分からへん。
何も始まってへん。
でももう、
心のどっかが持ってかれてた。
部屋戻ってから、
友達に言われた。
「さっきから上の空やけど、どうしたん?」
俺、スマホ見ながら
「……隣の子、可愛かった」
って、ぼそっと。
その時はまだ、
何者でもなくて。
名前も、立場も関係なくて。
ただ 出会ってしまっただけやった。
コメント
1件
待って最高です!!いつも読ませていただいてます!!!続き楽しみです♡♡